1.HSCが園や学校などに行き渋ることが多いのはなぜなのか?
前日の夜までは特に何ともなかったのに、朝起きると急に園や学校などに行き渋る。
そんな子どもの様子に戸惑うことはありませんか?
HSC (Highly Sensitive Child:ひといちばい敏感な子)は感情をつかさどる偏桃体と言われる脳の部分が大変敏感で、不安が強い傾向があります。
また、ネガティブな記憶をためやすく、なかなか忘れることができません。
園や学校で起きたほんの些細なできごとでも、ネガティブな記憶と結びつけて、様々な憶測をし、不安を膨らませてしまいます。
・お友だちとのコミュニケーションでのちょっとした行き違い
・先生から受けた小さな注意
・参観日や発表会などのイベント
・担任の先生の急なお休みや変更
などなど、1つ1つは些細なことでも、
「○○くんと話すのイヤだな…」
「また先生に怒られるかも…」
「いつもと違って、なんだか怖いな…」
「うまくできなかったらどうしよう…」
「○○先生じゃなかったらイヤだな…」
などと気になって、一人でグルグル思考に陥ってしまいます。
そうすると、もともとは小さかった不安のタネが、時間とともにどんどん成長して、大きくなってしまいます。
結果、朝になって急に園や学校に行き渋るという行動につながってしまうのです。
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2.朝になると急にテンションが下がり幼稚園に行き渋る、不安が強いわが家の息子
わが家にはHSCの5歳の息子がいます。
年少の時から、たびたび起きる、幼稚園への行き渋りに悩まされていました。
幼稚園から帰宅したときには
「楽しかった」
「明日も幼稚園行く」
などと言うことも多いのですが、翌朝になると急にテンションが下がり、
「幼稚園行きたくないんよ」
「○○くんキライなんよ」
「先生がイヤなんよ」
と行き渋ることが多くありました。
幼稚園に相談しても、
「園では特に問題なく、楽しそうに過ごしています」
と言われるだけで理由が分からず。
私は
なんで…?
昨日あんなに楽しそうに帰ってきたのに…
自分でも楽しかったって言ってたのに…
と不思議に思っていました。
そして、そんな日が続くとイライラしてしまい、
「なんで?何がイヤなの?」
「昨日帰った時には楽しいって言ってたじゃん」
「お友だちと何かあったの?」
「なんで毎朝イヤがるの?」
と、問い詰めたり、理由をアレコレ尋ねたりしていました。
しかし、言えば言うほど、息子は不安が強い状態になり、行き渋る日が増えてしまいました。
どうしたら、行き渋ることなく、幼稚園に楽しく通えるようになるんだろう…と私は毎朝苦悩していました。
そんな時、発達科学コミュニケーションの上級講座で、ネガティブな記憶は消せなくても、ポジティブな記憶の容量を増やすことができることを学びました。
そこで、私はHSCで不安が強い息子にできるだけ幼稚園でのポジティブな記憶を上書きすることを意識するようにしました。
すると、息子は幼稚園に行き渋ることが激減したのです。
次にその具体的な方法をお伝えします。
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3.HSCで不安が強い子のネガティブ記憶をポジティブ記憶に上書きしよう!
◆幼稚園での出来事をポジティブな言葉を添えて確認!
まず、はじめにやったのは、息子の幼稚園へお迎えに行ったときに、その日あったできごとを、ポジティブな気持ちを添えて一緒に確認するようにしました。
お迎え時には、だいたいその日の子どもの様子を先生が簡単に教えてくれるので、その内容をふまえて息子に話をしました。
「今日、縄跳びしたんだってね。はじめてなのに縄を回すことができたって、先生褒めてたよ。嬉しいね!」
「砂場遊びで、いいお山ができたんだってね。楽しかったね!」
「給食全部食べられたんだね。美味しかったんだね!」
といった具合です。
話をしていると、HSCの息子からは
「でも、○○がイヤだった」
「本当は○○したかった」
「○○くんじゃなくて、□□くんと遊びたかった」
と、ネガティブな発言が聞かれることもあります。
ネガティブな発言が聞かれるときには「そうなんだね」と肯定も否定もせずに話を聞くようにしました。
そして、その上で
「イヤだったけど、我慢したんだね。我慢できるようになったなんて、成長したね!」
「本当は違うことしたかったけど、みんなに合わせたんだね。みんなに合わせることができるなんて、優しいね!」
「色んな子と遊ぶことができるなんて、お友だちが多くていいね!」
と、いい面を強調して伝えるようにしました。
そして、寝る前のお布団の中でも、同じように幼稚園での楽しかったこと、良かったことを一緒に確認してから眠りにつくようにしました。
◆幼稚園の楽しかった写真や動画でポジティブな記憶を強化!
そして、次に、ネガティブな記憶に引きずられて不安が強い状態になりがちな朝には、幼稚園で楽しく過ごしている写真や、運動会や発表会での動画などを見せるようにしました。
そして、写真や動画を一緒にみながら
「○○くんと車で楽しそうに遊んでるね。今日この続き、できたらいいね!」
「幼稚園のうさぎさん、美味しそうにエサ食べてるね。今日人参持って行ってみようか?」
「鉄棒、うまくなったよね。お迎えに行ったときにお母さんに見せてくれる?」
「この間の発表会、楽しそうにできたよね。ニコニコだね!」
といったように、幼稚園へのポジティブなイメージを強調する声かけを意識しました。
そうすると、HSCの息子も徐々に不安な気持ちを和らげ、幼稚園に行く準備を進めることができるようになりました。
この対応をくりかえすうちに、行き渋りが強い状態が多かった息子は、朝気持ちを切り替えて幼稚園に行ける日が増えていきました。
そして、今では、行き渋ることも激減したのです。
いかがですか?
もし我が子が不安が強いHSCで、園や学校への行き渋りに困っているのであれば、ネガティブな記憶をポジティブな記憶に変える、記憶の上書き作業をお母さんがサポートしてみてくださいね!
執筆者:小林 ほなみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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