不器用な発達障害の子の「制服が嫌い」は学校嫌いの原因に!?楽しく指先を使う食事タイムの活用法

思春期発達障害のお子さんの手先が不器用なために、制服のボタンを留めたり外したりすることをめんどくさがる様子はありませんか?Tシャツを着るように制服やカッターシャツの脱ぎ着をしてしまう。上手に着るために我が家で取り組んだ方法をお伝えします。

1.発達障害の思春期男子が不器用で困った制服問題

不器用な発達障害の子が中学へ進学すると制服着用になりボタンの留め外しに困っていませんか?

学ラン、ブレザー、カッターシャツの多くのボタンを留めたりはずしたりすることがスムーズにいかず、朝からイライラしてしまう。

手先の不器用な発達障害の子にとって毎朝着替えるときのボタンを留める動作は苦痛で仕方がないのです。制服は毎日着るものです。

すぐに慣れるだろう、いずれできるだろうと思ってしまいますが、発達凸凹の子どもは、今うまくできないことをネガティブに受け止めてしまいがちです。

また思春期になると、友達と比べてしまって、できない姿を友達に見せることは本人のプライドが傷つきます。

体育の時間の着替えがみんなのペースに合わせられないから学校を休むなど、制服を着用することの負担から学校に行くこともイヤになってくるのです。


ボタンを留めたりはずしたりする手先の動きはトレーニングすれば改善します。

この記事では、食事の中ですぐに取り入れられる、我が家で効果のあった“トレーニングと思わせないトレーニング方法”をご紹介します。



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2.手先が上手に動かせないのは見る力が弱いから

発達凸凹の子が手先を上手に動かせないのは、脳の「見る機能」と「体を動かす機能」がうまく連携していないことが原因です。

そのため、目でものを見ながら思い通りに手を動かすことができないのです。

私たちは無意識で簡単にできてしまうボタンの扱いも、発達凸凹のある子どもたちにとってはとても大変なんです。

ボタンを留める時には片方の手はボタンを持ち、片方はボタンホール近くのシャツを持ちます。

次にボタンホールを見てボタンを通す。カッターシャツのボタンは小さいし、学ランだと制服が硬めなのでボタンは大きいけどボタンホールに通しにくい。

何度もやるうちに少しずつは上手になっていきますが、ボタンに対するストレスはなくなりません。

手先を上手に使えるようにするためには普段から「しっかり見ながら体や手を動かす」ことを意識することが大切です。

3.ボタンがうまく留められなくて朝の着替えにイライラ

我が家には注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンで不注意傾向の中学生の息子がいます。

幼い頃から手先が不器用でした。洋服はもっぱらTシャツかトレーナー、ズボンはウエストにゴムが入っているにタイプ。ほとんどボタンの洋服を着ていませんでした。


ところが、中学生になり、制服が学ラン。学ランの中は指定のカッターシャツ。たくさんのボタンを留め外ししなければなりません。

入学してすぐは、時間がかかりながらも、新しい制服を喜んで着ていました。

ところが日が経つにつれ学校に遅刻したくないから、時間短縮のためにボタンを上から3つだけ外して、Tシャツを被るように着るするようになりました。

「学ランもカッターシャツもボタンを最後まではずして脱いだらどうなの?」と聞くと、

「ボタン外すのめんどくさい。」といって、できるだけ触るボタンの数を減らしているようでした。

でも学年が上がってくると体格も大きくなっていきます。だんだんと同じ方法での着替えは窮屈になり無理が出てきたんです。

「なんで中学生の制服はボタンが多いの!ボタン留めにくいしはずしにくい!」

「学ランのボタン硬いし、着にくい!」

朝の着替えでも、帰宅して着替えるときも、とにかくボタンを触るたびに

「あー、めんどくさい」と文句をいうようになりました。

ボタンを留めている様子をよく観察すると、どうも手先の動きがぎこちない。

ボタンを一個ずつよく見ないとボタンホールにボタンを通すことができない。

これでは時間がかかるし、本人にとってかなり大変な行動なのだとようやく理解したのです。

次に不器用な思春期男子がいつの間にかボタンの扱いが上手になった方法をお伝えしますね。


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4.思春期の胃袋を満たす食事がトレーニングになる

発達障害の思春期の子にトレーニングさせようと思っても、なかなかこちらの思惑通りに動いてはくれません。

とにかく楽しく、積極的に手先を使う回数を増やしたい。

そこで考えました。

思春期男子はいつもお腹をすかせています。食事の時にじっと目でものを見て、体を動かす動作はないものかと考えました。

息子は卵が大好きなんです。ゆで卵の殻をむく作業はどうだろうかと考えました。

ゆで卵をたくさん作り、テーブルの上に置いておいていつでも食べられる状態にしておけば、こちらが指示することなく、本人が食べたい時に勝手に食べるだろうから、それがトレーニングになるのではないかと思ったのです。

ゆで卵を食べるには、まずは卵にビビを入れて、じっと卵を見て、殻を外していく。殻がついていたら、口の中は気持ち悪い。だから集中して取り組むだろうと考えました。

最初は家族でゆで卵の殻をむいて食べました。みんなで殻をむいている様子に息子も同じように殻を向いて食べました。

「お腹がすいたら、テーブルにあるゆで卵はいつ食べてもいいよ」と伝え、おやつがわりに食べるようにしました。

他にも手羽の唐揚げを食べさせました。骨にたくさんお肉が残っていたら、「まだ食べられるところがあるよ」と声をかけて、じっくり見るように促しました。

週一回は手羽を使い、手で食べさせました。

1ヶ月した頃、息子が学校から帰宅後、私と話しながら、なんと学ランやカッターシャツのボタンを上から下まで全部外して着替え始めたんです。

思春期なのでここはあえて「できるようになったね」とはいいませんでした。本人にとっては当たり前にできるはずの行動だったからです。

その代わり、「脱いだ学ランはハンガーにかけてね」と伝えると、「わかったー」と言ってハンガーにかけたので、そのことを褒めました。

今までの脱ぎ方ではハンガーにかけにくく、いつもぐちゃぐちゃにして床にほったらかしになっていたからです。

思春期の男子はプライドを傷つけないように、自然にできるようにする工夫も大切です。

今では普段着にもおしゃれなカッターシャツが増えました。

社会人になればスーツを着用したりすることもあるでしょう。

ボタンがあるからシャツを着るのが嫌だという発達障害の男の子にはぜひ、ゆで卵と手羽のお料理で手先のトレーニングをしてみてくださいね。

毎日お腹を満たしながら、いつの間にか手先が上手に使えるようになりますよ。

 

執筆者:中曽根里美
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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