勉強嫌いな発達障害の小学生が自ら勉強するようになる「やる気アップ」お家サポート

勉強嫌いな発達障害の子に、どんなサポートをしたら勉強するようになるの?と頭を抱えていませんか。ついつい「勉強しなさい」と言ってしまいがちですが、その声かけは逆効果。勉強嫌いな子が自ら勉強するようになるお家でできるサポート法をご紹介します。

1.勉強は分からないことばかりで難しいと思ってしまった発達障害の小学生

小学校に入学すると授業を受けて、勉強し、家では宿題もしなければならず、今までは遊ぶことが中心の生活が、急にガラリと変わります。

環境の変化に対応することが苦手な発達障害の子にとって、勉強は大きな壁となります。

「勉強したくない」「分からない」と言うようになり、「どうせ自分にはできない」「自分はバカだから」自信を失っている様子が見られたら要注意です。

一度勉強嫌いになってしまった子に、どのようなサポートをすれば勉強するようになるのか分からない…と頭を抱えているママも多いのではないでしょうか。

実は、発達障害の子が勉強嫌いになりやすいのには理由があり、脳の特性を理解してサポートしてあげることが重要なのです。

2.発達障害の子が勉強嫌いになる理由はワーキングメモリが弱いことも原因の1つ

一度、難しくて分からないと思ってしまうと「自分にはできない」と思ってしまいやすい発達障害の子ですが、「分からない!」となる前のステップが重要です。

発達障害の子が勉強嫌いになりやすい理由として、ワーキングメモリが弱いことが原因の1つとしてあげられます。

こんな経験はありませんか?

ランダムな数字を20個くらい言われたときに「はじめの数字は覚えていられたけど後半は覚えきれない」と覚えられる情報量に限界を感じ、メモ書きで補助しようとしませんか?

この情報量のキャパシティのことを「ワーキングメモリ」と言います。

ワーキングメモリは、必要な情報を一時的に記憶して処理する能力のことで、授業で先生の話を聞いて、行動するときにも重要な機能となります。

勉強では、このワーキングメモリが必要になる場面が多いのです。

例えば、勉強をスタートするには準備が必要になりますが、

①筆箱を出す
②教科書・ノートを出す
③椅子に座る
④教科書を開く
⑤鉛筆を持つ

のように数々の工程で行動していくことが必要です。

ワーキングメモリが弱い場合、段取りを整理して行動することが難しく「何からやればいいのか分からない」と混乱してしまい、行動できない場合があります。

そんなときは、ママの声かけでサポートすることで行動を促すことができるのです。

段取りを整理してあげることで理解がしやすくなり、脳が活発に働き、脳の発達が促進されるサイクルにしましょう。

3.小学校入学1ヶ月で勉強嫌いになってしまった発達障害の息子

我が子は小学校に入学して1ヶ月も経たない4月末には「勉強しない」と言うようになりました。

「勉強一緒にやる?」と誘っても「やらない」と頑なで、勉強を教えることも難しい状態でした。

なぜそんなに勉強を嫌がるのだろうと後々考えると息子にはこんな様子がみられました。

・やろうとしていたのに途中でやることを忘れてしまう
・何を指示されたか分からない
・一人で着替えができない
・学校の持ち物の準備ができない

これは、ワーキングメモリが低いことで起きる困りごとだったのです。

やるべきことの順序が分からず、忘れてしまう子には、勉強をする以前に勉強を始めることもとても脳に負担がかかるのです。

ワーキングメモリが原因と知らなかった私は、小学1年生の勉強でつまずいて、この先大丈夫なのだろうかと不安になってしまい、「分からないところは教えてあげるから、勉強しなさい」とイライラをぶつけてしまったこともありました。

でも、この声かけは逆効果でした。

「どうせバカだから」と自信を失い、勉強以外の面でも行動力がどんどん落ちていってしまったのです…

そんなときに、発達科学コミュニケーションを学び、苦手を無理矢理やらせる声かけではなく、脳を発達させることで、いつの間にか乗り越えられる力が身についていくことを知り、まずはお家で勉強することを封印しました。

お家で勉強するように促す声かけをやめて、一切勉強しないまま小学2年生に進級した息子ですが、大好きなゲームを通じて、何度もやればできるようになることを体感し、知りたいことがあればYouTubeで検索したり、攻略本で調べたりする力がつきました。

「自分にもできることがある」と自信を取り戻した息子の姿をみて、お家で勉強をサポートしてみようと思い、一歩踏み出すためのサポートに挑戦しました。

4.「勉強って難しくないかも」と思えるお家サポートを実践しよ

勉強に苦手意識のある子どもに「勉強やりなさい」の声かけで行動を促すことはできないため、勉強って難しくないかもと思えるサポートを実践しました。

ポイントは2つです。

◆ママが楽しそうに勉強する姿を見せてきっかけをつくろう

まずはママが行動することからスタートしました。

ママ自ら子どものタブレット教材を開いて「今月は何が届いているのかな?」と楽しそうにしました。
そして、「お!なんか妖怪がたくさんいる」と息子の興味がありそうなコンテンツを見つけて声にしました。

すると息子は「え?妖怪?」とすぐに興味を示し、一緒にタブレット教材を見ながら、妖怪を集めるためのルールを知り、1日1回勉強する挑戦がスタートしました。

ここでのポイントは、ママが勉強をスタートするところまでをやってあげてOKということ。
取り掛かるまでが実は大変なことなので、教材を準備して、すぐに取り掛かれるように整えてあげることで、勉強をスタートしやすくなります。

宿題だったら、机にドリルと筆箱を準備してしまうのです。

もし、ママの指示で行動できる子には、手順を声かけしてあげることで行動をサポートしましょう。

◆答えは聞いてOK!「勉強した」「自分にもできる」という成功体験が大事

タブレット教材の勉強をスタートした息子ですが、分からない問題があるとペンでぐちゃぐちゃと書く様子がみられました。

分からないことがあると勉強が嫌いになっていってしまう息子には、「分からなかったら、誰かに聞いて答え書くのも良いと思うよ」と伝えました。

すると「お姉ちゃんに聞いてみる〜」と言い、一緒に解いてもらいながら苦手な算数も進めることができました

これをきっかけに、息子は「学校だと算数嫌いだけど、タブレットの算数は好き」と言い、毎日勉強するようになりました

勉強を始めて20日目には、寝る直前に「あ!今日タブレットやってない!やらなきゃ」と自分でやり忘れていたことに気づき、取り組むまでに成長しました。

「勉強できない」で終わらせるのではなく、タブレット教材を進めることができた!今日も勉強した!と成功体験で終わらせることが重要です。

「答えを聞いてOK」は、非常識な対応だと思いますが、子どもが勉強に対して苦手意識を持たずに、できたことに注目することで、勉強を継続できます

問題集であれば、「答えを写してOK」と伝えてあげてください。

ママがお家で勉強をサポートすることで、今までやろうともしなかった勉強を習慣化することができるのです

まずは、勉強に取り掛かるまでの行動を簡単に取り組み安くしてあげて、やってみよう!の気持ちを引き出してみてくださいね。

そして、分からないことは聞いてOK答えを写してOKで勉強する時間をつくれたことにハナマルをあげてください。

パステルジャンプメンバーのお子さんには、この方法でどんどん勉強が好きになり、いつの間にか自分で解けるようになっている子がたくさんいます。

ぜひ試してみてください!

執筆者:しろずみほ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

親子のコミュニケーションで「できない・やらない」を「できた」に変える子育てのヒントが満載です

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