1. 受験生なのに勉強しない?イライラする親と動けない子ども
受験シーズンが到来してきましたね。
受験生がいるご家庭では、お母さんもお子さんの様子が気になることと思います。
「受験生のわりに勉強していないようだけど、大丈夫かしら?」
その不安からお母さんはイライラしてしまいがちです。
「勉強やったの?」「勉強しなさい」なんて声掛けをしても、全然動かない子ども。
それどころか「うざい」と言い始めて、余計にやらなくなってしまった。

こんなことが意外と直前期の今、起りやすいのです。
本番が差し迫っている。
それなのにどうしてやらないんだろう。
怠けてる場合じゃないぞ!
大人から見ると”サボっている”ように思えますが、実は子どもなりに、勉強しないのには「めんどくさい」だけではないワケがあるのです。
どんな理由なのでしょう。
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2. 実はワケあり!受験直前だからこそ勉強しない理由
実はわが娘も中学受験の時、小6秋になって「塾やめる」と言い、家での勉強も全くしなくなったのです。
受験では「合格する」という目標もありますが、「がんばったから」ということを大事にしたいと思っていた私。
ですから、「全く勉強しないなら受験はやめよう」と娘に提案しました。
ところが、「受験はする」と、かたくなに言い張る娘。
あらためて「どうして受験したいの?」と聞くと「○○中学校で△△をやりたいから」としっかり答えます。
受験をする意味も、変わることなく本人にある。
それなのに勉強しない。
「直前期の今より、数か月前の方がはるかにやっていたのに。」
目標を目前にして勉強しない娘の姿は、私にはさっぱり意味がわかりませんでした。
実はこのように直前になって勉強しないのは「不安」が大きく関わっていたのです。
日が近づけば近づくほど、怖くなってくる。
その不安から目をそむけたくなっているのです。
また、その不安とは、「受からなかったらどうしよう」という失敗を意識したもの。
すると「がんばったのに受からなかった」というより「まあ、頑張らなかったから落ちてもしょうがないよね」という言い訳にしようとしてしまうのです。
そのため、「勉強しない」「がんばらない」という選択をしていたのです。

つまり、「不安」から「行動回避」に走るのは自然な防衛反応。
それを「怠け」と誤解して叱ってしまうと、さらに不安が強まり、動けなくなります。
お母さんができるのは、「叱って動かす」ことではなく、“不安を癒して、安心して動ける土台を作る”ことなのです。
受験を通して、「頑張らなかったから失敗してもしょうがない」という子。
「結果が良くなくてもいいから、頑張ってみよう」という子。
あなたはお子さんをどちらの子にしたいですか?
やはり結果にとらわれず、チャレンジする子になってほしいですよね?
では不安から動けなくなってしまっているお子さんをどう動かすか。
いつも近くで見守っているお母さんだからこそできる、お子さんへの関わり方があるのです。
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3.動かない子が少しずつ動き出す!お母さんの癒しサポート3ステップ
不安から勉強しない子どもに「やめなさい」「言い訳しないの」と言っても、心は動きません。
今必要なのは、不安を癒す関わりです。
ここでは、子どものやる気を“叱らずに”取り戻す3つのステップを紹介します。
① やろうとする瞬間を見逃さず肯定する
お母さんは、子どもがしっかり勉強したときだけ褒めたいと思っていませんか?
実は、しっかりできる前に褒めることが子どもが安心して行動し続けることができる秘策なのです。
たとえば、イヤイヤでも鉛筆を持ったときに、「今から始めるんだね」と声をかけましょう。
できた結果ではなく、「やろうとした」その瞬間を認めることがポイントです!
② 当たり前の行動にも「ありがとう」を伝える
「食器を台所に持ってきてくれてありがとう」
「外から帰ってすぐ手洗いしてたね」
など、
生活の中の小さな行動を見逃さず褒めると、些細な事でも自分を認めることができるようになります。
“自分はできる”という感覚が少しずつ育つのです。
③ 褒め続けることで安心感を積み重ねる
今までよりもお母さんにたくさん褒められると、最初は「だから何?」と反発されるかもしれません。
でも数日続けるうちに、子どもは「お母さんは自分を見てくれている!」と感じ、安心して不安なことでも行動できるようになっていきます。
多少反発されても「褒めたかったから褒めたのよ~」とお母さんは動揺せずに淡々と褒め続けてあげてください。
この「叱らず癒す」関わりは、受験期だけでなく、これからの成長にも役立ちます。
完璧を求めず、小さな成功と安心感を積み重ねることが、子どもの自信を育てる一番の近道です。
それでお子さんが自信を持って行動できるようになってきますよ。

全部完璧にやり切ったときだけでなく、こまめに褒める。
取り入れてみてくださいね!
執筆者:青島 明日香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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