自信をなくした発達障害の子が思春期でも聞きたくなる!肯定と指示の声掛け法

発達障害のお子さんは、思春期に他の人と比べて自信を失いやすいことがあります。無気力になった娘が、肯定の声掛けで自信を取り戻したのに逆戻り。逆戻りには、なんでも「良さそう」と思ったら飛びついていた過去の私と同じ原因があったのです!
 

1.発達障害で自信を失った子を動かすのは「指示」でなく「肯定」の声掛け

思春期になって、すっかり自信を失い無気力になっている。
そんなお子さんを見ると、お母さんも心配ですよね。

発達障害を持ったお子さんは、特性からうまくいかないことが多いです。

思春期はそれに加え、他人と見比べることができるようになってくる時期。
他人を意識できるようになるのは成長の証です。
しかしだからこそ比べて劣等感を感じやすくもなるため、自信を失うことが多いのです。

自信を失って、生活習慣である身だしなみなどですら意識できなくなってくる。
そんな動けなくなっている子に、何かやるように指示したり促したりしても、実はなかなかうまくいきません。

でも何とか生活習慣は意識できるようにしてあげたいな、というのが親の本心ではないでしょうか。

指示してもうまくいかない、そんなときにはまず「肯定」して自信を育んであげるのが大切なのです。

2.肯定し続けたら行動力も親子関係も良くなった思春期凸凹女子

私の娘は、小学校低学年の頃は楽しく学校に通っていました。
でも高学年になるにつれ、登校しぶりも始まりました。

なんとか学校には行っても、帰宅と共にグッタリする日も。
休日は押し入れに閉じこもったり、着替え・歯磨き・お風呂なども「どうでもいい」という感じになっていきました。

発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学ぶ前は、子どもをなんとか動かそうと「○○しようね」など指示していました。
ですが、これが全く効かなかったのです。

そして、私は発コミュで学び始めました。

最初に行ったのは「肯定」
それまではひたすら「褒め言葉」のバリエーションを増やそうと奮闘していました。

でも発コミュで学んだのは「え?それも肯定なの?」というものばかり。
その中でも、思春期発達障害の娘にフィットしたのは「実況中継」

これは見たままを「○○しているんだね」というものです。
例えば、勉強を始めたときに「教科書開いたんだね」というもの。

「それだけ?」とも思いましたが、「わ~すごい!教科書開いたんだ!」というあからさまな褒めだと、わざとらしく聞こえてしまいます

ですから思春期発達障害の子には、少々そっけないくらい、だけどちゃんと見ているよ、ということを声掛けするのが意外と効くのです。

母としても、すごくテンションを上げたり、苦し紛れに褒めたりしなくていいので、私はこのテクニックでたくさん肯定していきました。

すると思春期の子どもでも褒められて嬉しいという反応が見え、1週間で「もっと褒めて!」と言ってくるようになりました。
それまで褒めても「どうせそうやって私を動かそうとしてるんでしょ?」と言っていた思春期の子がです。

肯定し続けたことで、子どもからあれこれ話かけてくれ、少しずつ行動量も増えました。

発達障害で思春期。反抗的になっていても、まだまだやり直せる。
私はそう実感し、「もっと自信を回復させてあげたい。」と思うようになりました。

3.指示の出し方を変えてもうまくいかず逆戻り

肯定術を学んで、親子のコミュニケーションがスムーズになってきた。
そこでその後に学んだのは「指示だし」についてでした。

「○○してほしい」というときに声掛けする方法です。

これも肯定を習った時と同じく、「なるほど」と思うテクニックばかり。

「肯定の時もあんなにすぐ効いたし、今度もしっかり実践するぞ!」
そんなふうに気合が入った私でした。

「今お風呂に入る?それともご飯の後に入る?」など子どもに選択させたり、何回目の指示であっても声を荒げることなく言い続けたり

毎日実践すれば指示も効いて行動するだろう、と思っていました。
ですが私の想いとは逆で、なかなか指示が通りませんでした。

発コミュのテキストを見ながら「習った通りにやったのに」とガッカリしてしまうことも。

そして指示が通らないどころか、褒めを受け取ってくれるようになった発達障害の娘が、また無気力気味になっていったのです。

私はまさかの逆戻りに思い悩むことになりました。

4.「質」がよければいいわけではない!「バランス」を大事にしよう

そんな時、講座で先生と振り返ると、大事なことが抜けていたことに気付いたのです。

それは「肯定とのバランス」

いろいろな指示の出し方を知って嬉しくなった私は、言葉こそやわらかくなったとはいえ、指示ばかりしていたのです。

そして最初に習った肯定をする回数が減ってしまっていました。

肯定が減って指示が増える
子どもにとってこれは「否定的な注目が増える」ことになるので、逆戻りしてしまっていたのです。

例えば「お風呂入ってこようね」と指示だししたら、動き出したときに「お風呂入るんだね」。
入り終わったら「入ってこられたね」など、肯定の言葉で行動したことを認めてあげる。

私は指示することに集中しすぎて、こうした肯定の部分がすっかり抜けてしまっていたのです。
肯定はほぼされず、否定的なことばかり言われるわけですから、バランスがとても悪いのです。

この失敗は発コミュを学ぶ前までの私がうまくいかなかった原因にも通ずるものがあります。
育児書を読んで「これ、いい!」とすぐ飛びついていた私。
でもうまくいかないことがほとんど。

実践する「順番」や「バランス」がとても悪かったのだと、この時気づきました。

いろいろ取り入れたけど、うまくいかないとお悩みのお母さん。
どんな時も「肯定」を第一に、お子さんと関わっていきましょうね。

執筆者:青島 明日香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

驚きの肯定術や、実践のポイント、こちらでも紹介しています。
発達障害の子だけじゃない!思春期の子が「もっと褒めて!」と素直になるコツ

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