感覚過敏があり3年間頭を洗わなかった発達グレーっ子が感情が落ち着くコミュニケーションによって克服したママの対応

発達障害グレーゾーンのお子さんの『これは絶対嫌!』という感覚過敏に関するお悩みありませんか?今回は顔に水がかかるのを断固拒否して3年間頭を洗わなかった息子が、感情が落ち着くコミュニケーションによって克服できた我が家の対応をお伝えします。
 

1.発達グレーっ子と感覚過敏

発達グレーゾーンの子育てをしていると『あれっ、何でこの程度のことでこんなに嫌がるの?』とママと子どもの感覚の違いに違和感を覚えることはありませんか?

感覚過敏とは「聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚」の五感の一部、または複数からの刺激を過度に感じることで、苦痛や不快感が出ている状態を表します。

発達凸凹のあるグレーっ子は感覚の感じ方が違うことがあり、散髪や歯磨き、耳掃除を嫌がるなど、本人にしか分からない嫌な感覚を持っている時があります。

特に皮膚からの感覚は快・不快を伴いやすいため、感情の脳の好き・嫌いとも深く関わってきます。

そのため、皮膚感覚に過敏さが強かったり、心地よさを感じられなかったりする場合は感情の脳の発達も伸び悩むとされています。

今回は皮膚感覚と感情の脳が密接に関係していることを踏まえて、感情が落ち着くコミュニケーションによって皮膚感覚の過敏さが和らいでいった我が家の対応をお伝えします。

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2.顔に水がかかるのを全力で拒否する息子

我が家には現在年長になる息子がいます。

息子は感情の脳の発達がゆっくりである傾向で『人が嫌だ』と集団を好まず、年少で不登園になり、現在は家庭保育で過ごしています。

小さい頃より皮膚感覚の過敏さを感じることが多く、着られる服は限定されていました。

締め付けず、ゆったりとした服以外は受け付けないため、息子が気に入った服は同じ物を購入するなどで対処していました。

皮膚感覚の過敏さで特に困ったのが“洗髪”です。

顔に水がかかることが嫌で洗髪は断固拒否!大暴れするので2才から洗髪することは諦めました。

頭がべたべたしてきた時は、浴槽の中で背泳ぎのように息子を支え、顔に水がかからないようにお湯のみで流すようにしていました。

息子は顔に水がかかるのを極度に嫌がることから、顔に水がかかる恐怖心に加えて皮膚感覚の過敏さが強いことを感じました。

次からは顔に水がかかるのが嫌な、感覚過敏のある息子にお家で行った対応をお伝えします。

3.洗髪できるように働きかけたママの対応3つ

◆感情の脳に働きかけるスキンシップ

感覚と感情を司る脳は連携が強いため、皮膚からの刺激は感情の脳に強く作用します。

なので、常日頃からハグ・キス・マッサージをしていました。

『今日もかわいいね』『大好きだよ』と言いながら、寝る前のマッサージは習慣になっています。

息子をベッドの上にうつぶせに寝てもらい、息子の背中を上から下に円を描くように私の両手でクルクルマッサージしたり、背骨に沿って上下にさするようにしたり、心地よさを感じられる刺激を与えました。

時間は5分ほどですが、息子は笑顔になり、寝つきも良く、簡単ですが効果は絶大だと思います。

注意点はお子さんによってはハグやマッサージの皮膚刺激を嫌がる場合もあり、あくまでもお子さんが受け入れてくれる場合に行ってくださいね。

◆不快な感覚に焦りは禁物

最初のうちはとにかく短時間ですませようと勢いに任せて洗髪したこともありましたが、感覚過敏の知識を知り、無理に洗髪することを諦めました。

4才の時に『目にシャンプーが入って痛かった。鼻に水が入るのも嫌なんだよ』と嫌な理由を言葉で伝えてくれたので『そっか~、嫌だったのね』と共感に努めました。

私たちができることは、感覚の過敏さを持つ子どもがいると理解することです。
何より辛いのは、それが他の人には分からないこと。

周囲が『わがまま』や『怠けている』と解釈し、嫌がることを無理強いすることや、慣れさせようとするのは逆効果。

親の焦りやいらだちは子どもに不安や恐怖を助長させてしまうかもしれません。
ゆったりと構えていながら、お家では穏やかな雰囲気を作り出していきましょう。

◆道具の使用で負担を軽く

顔に水がかかるのが嫌な息子には少しでも負担を軽くするような道具を準備していました。

その道具はシャンプーハットとリンスインシャンプーです。

シャンプーハットは顔に水がかかるのをカバーしてくれる道具であり、リンスインシャンプーは1回でシャンプーとリンスができるお得な商品です。

嫌な感覚を和らげるような道具はないかな?と幅広く考える視点も大事ですね。

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4.顔に水がかかるのを克服した息子の変化・成長

3年間頭を洗わなかった息子が5才になり、そろそろ使えるかな?と思い、シャンプーハットでの洗髪を勧めると『やってみる!』と受け入れてくれました。

3年ぶりの洗髪は大成功!『すごいね、できたね、格好いいね!』の肯定のシャワーです。

そこからは水への恐怖が和らいだようで、その後プールに行くととても楽しく過ごせました。

次からも『プール行きたい!』と強く希望が出るので、施設が使える間は4か月で22回のプール通いを行いました。

プール通い15回目で『もぐるのやってみる!』と水中メガネで潜れるようになり、顔に水がかかる嫌な感覚をすっかり克服しました。

現在は、シャンプーハットや水中メガネをつけて洗髪は1人で行い、浴槽の中で何もつけずに潜ることもできています。

いかがでしたか?

感覚の問題は成長と共に良くなることも見られます。

人が成長する中で、不安や恐怖を感じ危険だ!と思う感覚が減っていき、安心できるもの、何をするものかを分かってくれば、自分にとって安全な感覚であると識別されていきます。

安心・安全の環境があると『やれるかな?やってみよう!』の意欲が育ちます。

感覚過敏の対応の基本は無理強いせず、その子の状態を見ながら周囲の理解を促すことや、物や環境を整える工夫をすることも大事です。

まずはお家で感情の脳を育てながら、安心・安全な環境を整え、スモールステップでできることを増やしていきましょう!

執筆者:みしまひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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