1.学校が苦手…もしかするとHSC(人一倍敏感な子)かもしれません!
・毎日学校から帰ってくると、ぐったりしてしまう
・友だちとのトラブルがあるわけでもないのに、集団の中にうまく入っていけない
・ものごとに対してマイペースで、みんなから遅れてしまう
そんなお子さんを見て、もっとスムーズにできないのかな?もっと一生懸命にやれないの?と理解できず困っていませんか?学校という環境を辛く感じるお子さんはHSC(人一倍敏感な子)かもしれません。
今回は、学校が苦手なHSCの子どもの将来が不安なお母さんが子どもを理解して上手にサポートできるようになる方法をお伝えします!
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2.小学3年生で不登校になりました
娘が小学生3年生の頃、不登校になりました。学校が嫌な理由を聞いてもただ「いやだから」「つまらないから」と言っていました。
仲のよかった友だちとはクラスが離れてしまって不安があったことや、集団の中に入ると、みんなの話すペースに戸惑い、話が理解できなくなってしまったことも原因の一つのようでしたが、原因が分からず、私も戸惑う毎日でした。
泣いて嫌がる娘を無理やり学校まで引っ張って連れて行き、正門で先生に引き渡すなどして、なんとか学校に戻そうと私も必死でした。
教育支援コーディネーターの先生に、「家の中が居心地がいいから、学校に来たがらないのでは?」と言われたため、TVやビデオの電源コードを抜いてしまって、遊びの環境を制限するようなこともしていました。
長い不登校や五月雨登校を経て、通信制の高校に入った今も、登校日は学校から帰ってくるとぐったりしてしまい、ネガティブモードになります。個別や少人数の補完授業の方が落ち着く、と言っています。
また、他人、特に大人と話すことに抵抗感があり、なかなか声も出せず、本音を言うことができません。何か間違ったことを言ってしまうのを非常に恐れるところがあります。
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3. HSCの特徴
HSCはアメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン氏が提唱した言葉「Highly Sensitive Child」の略称で、生まれながらして感受性が強く刺激に敏感な気質を持つ子供のことです。
子どものうち、5人に1人はHSCと言われています。
・過剰に刺激を受けやすく、刺激のある場所に長時間いると神経が消耗して疲労を感じてしまう
・共感力が高く、他人の気持ちに敏感
・人との境界線が少なく、他人のネガティブな気持ちや感情を受け取りやすい。
・人のささいな言葉や態度に傷つきやすく、小さな出来事でもトラウマとなりやすい
・人の集まる場所や騒がしいところが苦手
また、深く考えすぎたり、間違いを恐れて慎重になってしまうため、他の子と同じことができない、時間がかかる、などもあり、学校生活でも環境や友達にうまく馴染めないといった問題を抱える子どもも少なくありません。
HSCであることに親が気がつかないと、
「なんでそんな些細なことで…?」
「そんなに無理しなくても…」
などと思うこともたくさんあって、つい叱咤激励してしまうこともあるかも知れません。
そうなると本人はますます傷ついてしまいます。
では、そんな環境に疲れきってしまった子に、どのような対応をしてあげると良いかお伝えしていきます。
4. HSCの子へのオススメおウチサポート法 2つ
おウチでのサポート法として、お勧めするのは以下の2つ!
◆ まずは休ませる
HSCの子は、一人でゆっくり過ごせる時間が重要です。
不登校になることも、実は身体が休むことを求めているのだと考えればよいです。
安心・安全な場があってこそ、ゆっくり休めるので、お家を安全な場所にしてあげるのが一番!
「仮病じゃないの?」
「サボって遊んでいたいだけじゃない?」
などと言わずに、家の中で一緒にできるゲームをしたり、好きなビデオやYou Tubeを見るのもよいです。リラックスできる空間にしましょう。
◆ やりたいことを好きにやれる環境を整える
得意なことや、やりたいことをやり始めたら、行動したことに肯定的に対応しながら、興味の幅を広げてあげるとよいです。
絵を書き始めたら、一緒に画材を買いにいく、デジタルで描く方法を学ぶ、絵画展などを観にいく。
体を動かすことを始めたら、筋トレ器具を用意する、トレーニングに付き合う、記録をとる、など。
本人が楽しく、自分らしくいられるものをやっていると、自信も湧き、やる気も出てきて元気になります。
5. 不登校でも、進む道はあります!
HSCの子にとっては、学校は刺激が多く、緊張してしまったり、環境や友達にうまくなじめなくて、疲れる場所ではあります。
私の娘も、最近では、学校の配慮もいただきながら、少しずつ折り合いをつけられるようになってきています。
バイトも始めて少し世界が広がり、人との会話への抵抗感が少し改善してきました。
また、今年はアメリカに行きたい、という夢を持って「英語」への興味も出てきました。
勉強が苦手で今までほとんどやっていないのですが、You tubeの英会話レッスンを観たり、漫画で描かれた英会話の本などもパラパラと見るようになりました。
今後、就職するのか、進学になるのか、どんなことをするのか分かりませんが、本人に合った場所をゆっくり探していきたいと思っています。
私たち親は、どうしても周りに合わせた成長を期待してしまいがちですが、人生は長いです。
たとえゆっくりでも、自分自身のことを子どもが受けとめ、自分で決断していけるようにサポートすることが大事です。
自分で決めた道を楽しく進めるほうが幸せな人生になるのではないでしょうか。
学校が苦手な子も、現在は、多様な学びの場を支援する制度があり、教育支援センター、不登校特例校、フリースクール(通学制・オンライン制)等、小学生から参加できる居場所の選択肢が増えています。
それぞれのペースで学んだり、やりたいことを見つけていけるようにサポートしてあげたいですね。
執筆者:菊池 のりか
発達科学コミュニケーション リサーチャー
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