不登園の発達グレーっ子でも大丈夫!脳の得意に着目した、遊ぶように学べる勉強法とは⁉

発達障害グレーゾーンの子どもは様々な特性により、不登園になるなど一筋縄ではいかない子育てを経験します。今回、年少で不登園になった息子に脳の得意な部分を意識しながら、お家で遊ぶように学ぶ勉強の身につけ方をご紹介します。
 

1.不登園の子どもの学びはどうする?

『不登園』という言葉を聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?

一般的な感覚だと保育園や幼稚園は幼児期から通う場合が大多数であり、幼児期からどこにも通っていないと、どうしたの?という疑問を感じやすいのも無理はないですね。

制度上は保育園や幼稚園は行っても行かなくても親の自由とみなされますが、幼児教育には基礎的な学習能力や社会的なスキルを身につける上で、とても重要な役割を果たします。

親としては保育園や幼稚園に子どもが通うことで集団の中で多くを学び、成長する機会を期待したい所ですが、発達障害や発達グレーっ子の場合は、集団になじめないことも見られ、結果として保育園や幼稚園を行かない選択=不登園になることもあります。

そうなるとお家で基礎的な学びを子どもと行う必要性も出てくるので、何をどのようにしていけばいいのだろう…と頭を悩ませてしまうかもしれません。

次からは幼児期に伸ばしたい脳についてお話しします。

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2.幼児期に伸ばしたい脳とは⁉

脳科学の知見では、脳はいくつになっても成長し続ける!使えば使うほど脳は伸びる!という事実がありますが、脳を伸ばす上で年齢に合わせた順番を意識することも必要です。

ざっくり考えると、見る力と聞く力と運動能力は10才までにしっかり育てる、10才以降は前頭葉の発達の旬が訪れるので、深く考える思考力は10代から思春期に丁寧に育てることが大事です。

そこで、幼児期に大事にしたいのは、見る!聞く!動く!の3つの脳への関わり

見る脳をよく使うためには、じっと見続けたり、観察したりする経験が役立ちます。図鑑やマンガを好む傾向も見られます。

聞く脳をよく使うためには、人の話を最後まで集中して聞くことが必要です。人の話が聞ける子は飲み込みも早く、おしゃべりも上手な傾向にあります。

運動の脳をよく使うためにはとにかく体を動かして活発に過ごせば過ごすほど、グングン成長します。

運動の脳は木の幹のようなイメージで、しっかり伸ばすほどに枝がどんどん伸びていき、他の脳にも良い影響を及ぼします。

楽しく学ぶためには得意の脳を使うとスムーズに進められるので、まずは見る脳と聞く脳のどちらが得意か、観察で見分けていきましょう。

得意な脳を使いながら、体の動きを合わせることで(口で話す・指先を使う)、お家でも子どもの発達をしっかり伸ばせます。

次からは年少で不登園になった発達グレーの息子のお家での伸ばし方をご紹介します。

3.年少で不登園になった発達グレーの息子

我が家にはASD(自閉スペクトラム症)傾向が強く、発達障害グレーゾーンの小1の息子がいます。

息子は小さい頃から私から離れられず、1才6か月健診で社会性の低下を指摘されていました。

1才児クラスで入った保育所も年齢が上がるごとに行き渋りが増え、ご褒美などで何とか行かせていましたが、とうとう年少クラスで不満が爆発し、『絶対行かない』と強い意志が出て、退園せざるを得ませんでした。

家庭保育に移行したのは息子が4才になった頃、当時発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)を学んでいた私は、子どもの発達に合わせて自分で息子を伸ばしていこう、と決めました。

発コミュでは楽しいことが脳を発達させる、という教えがあるので、息子の好きな遊びを通して、見る!聞く!動く!のアプローチを始めました。

家庭保育中の息子は、レゴやSDガンダムをずっと作り続け、職人のように集中しており、手先の器用さは目を見張るものがありました。

また、図鑑や絵本、マンガに興味を示し、絵だけを見て楽しんでいる様子も多く、5才になった時にそろそろ文字を教える時期がきたことを感じました。

そこで、息子の得意を生かしながら、文字を習得する方法を考えてみました。

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4.脳の得意を生かして遊ぶように学ぶ、ひらがなの読み方

息子はカラフルな物、キラキラした物を好む傾向があり、ビー玉やビーズも好きで、並べたり、配置したり、1人で飽きることなく遊ぶことが多く、明らかに視覚優位で手先が器用に動くタイプでした。

視覚優位で手先が器用な息子にピンときたのが、100円ショップで売っていた「ひらがなマグネット」です。

このひらがなマグネットはカラフルだったこと、ホワイトボードにつけたり、外したり、指先を沢山使えることが選んだポイントでした。

我が家にはちょうど45×60㎝の大きめのホワイトボードがあったので、カラフルなひらがなマグネットを見せ、ホワイトボードに貼ると、息子は興味深々で見ていました。

まずは私の方でひらがなマグネットを50音順に並べて、読んでいきました。

その後、息子はひらがなマグネットを自分で自由に並べ『読んで!』と要求してきました。

息子の並べたひらがなは『こすめならしあ・・・』と意味不明な文字が続きますが、それが面白いようでゲラゲラ笑いながら、何度もひらがなマグネットを並べ、私が音読する遊びを繰り返しました。

そして、お兄ちゃん達と一緒に『うんこ』や『まいんくらふと』と一緒に単語作りをする遊びも始めました。

『が、ぱ、っ』などはマグネットを貼ったホワイトボードに付け足して書くこともできるので、単語を作っては、息子と私で問題を出し合いました。

私の作った単語を息子が読めた時は
『大正解!よくわかっているね』 『ひらがながどんどん読めてきているよ』
としっかり肯定すると、息子は嬉しそうに何度も繰り返しました。

当時5才の息子は1週間ほどでひらがなの読み方をあっという間に覚えました。

5.ひらがなが読めるようになった息子の成長

ひらがなが読めるようになった視覚優位なタイプの息子に、フルカラーの科学マンガを見せた所、すっかりはまりました。

『どっちが強いシリーズ』、『サバイバルシリーズ』が大好きになり、我が家では大人買いしていつでも読めるようにリビングに置きました。

たっぷりあるお家時間で好きな本を何度も読み、インプットする量が増えた後は、私にクイズを出し、身につけた知識を教えてくれました。

私が頭をぶつけた時『脳脊髄液が出てないから大丈夫。脳脊髄液は大事だよ』と驚くような会話も飛び出すようになりました。

マンガだけでなく、フルカラーの活字の本の『残念な生き物辞典シリーズ』も楽しく読めるようになり、
『お母さん、リスってね、頬袋に貯めた食べ物が腐っちゃうんだって』と私が知らないことをどんどん教えてくれるようになりました

私自身、息子の知識量には感心するばかりで『どこで覚えたの⁈いつも教えてくれてありがとう』と伝えると、息子も喜んでますますアウトプットをしてくれるようになりました。

いかがでしたか?

子どもは知りたい!という知的好奇心を沢山持っています。子どもは楽しいと勝手に学んでいきます。

子どもの脳の得意に沿ったインプットを覚えると、スポンジのように知識がどんどん吸収することを実感しました。

不登園でも大丈夫!子どもの脳の得意が分かれば、お家でも普段の生活で遊ぶように楽しく学ぶことが可能になります。

子どもの好奇心の種をどんどん増やし、親子の会話を通してお子さんの脳をグーンと発達させていきましょう。

 

執筆者:みしまひかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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