1. 完全不登校の中学生が頑張りすぎた目標の進路を選んだらどうする?
進路についても漠然と「みんなと同じように受験する」と言うかもしれません。
親としては、「じゃあ、今までの遅れを取り戻して勉強しよう」などと、ぐんぐん背中を押したくなりますが…
ちょっと待ってください!自分から動き出すことを決断するだけでも、かなりの勇気を振り絞ったに違いありません。また、久しぶりの学校生活は、“安心・安全”な家の中と違い、ものすごく大きなエネルギーを使います。
不登校の子の中には、学校にいけない自分を責めて、なんとか「フツウに」「みんなと同じに」という思いが強く、焦った結果失速してしまうこともよくあります。
無理していないか、頑張りすぎて疲れていないか、お子さんをよく観察してあげて欲しいのです。
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2. 「偏差値重視の受験をするのが当たり前」のママの常識を手放して変化が起きた!
発達科学コミュニケーション リサーチャーのおおたさんの中学3年生の息子さんは、自閉症スペクトラム(ASD)グレーゾーンの繊細なお子さん。
完全不登校から中学2年生の時に復活して動き始めたものの、修学旅行後にまた不登校に。
進路を検討する時期になり、お友だちと高校の体験入学に行けたことで、「CADの勉強ができる高校に行きたい」という希望がでてきました。
ですが、中学校の先生からは、内申点重視の学校だから合格するのは難しい、と言われ、方向転換しなければならなくなったのです。
発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会い、息子さんの自閉症スペクトラム(ASD)グレーの特性やHSC(ひといちばい繊細な子)であることを理解しているおおたさんは、他の進路の選択肢がないか、まず自分が調べてみよう!と気持ちを切り替えました。
このとき、学校選択の際に「偏差値」という常識にこだわっていた自分に気づいたそうです。
発コミュに出会う前は、勉強はできる子だから、しっかり勉強させれば、偏差値が高い学校に行けるだろう、と考えて、「勉強は大事だよ」「家にいるなら勉強したほうがいいよ」と必死に声かけてみるものの、本人が勉強をやる気になることはありませんでした。
繊細な息子さんにとって、周りの子と自分を比較してしまうような環境は自分のペースで力を発揮することができません。
だから、息子さんが自分のペースでやりたいことに集中できるような学校を探そうという方向にシフトしたおおたさん。その後、普通科や週5登校の学校以外のいろいろな学校に資料請求をしたり、説明会に参加したり発コミュ上級講座パステルジャンプSchoolの活動で様々な人の話を聞いたりしたことで、息子さんに進路先を提案することができました。
息子さんも、様々な授業を体験したり、人から話を聞いたりしながら自分に合った環境の通信制高校を選択することができました。
息子さんはその後、高校生活の夢、さらに大学に行ってスポーツ栄養学を学びたいという夢も語ってくれたそうです。
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3. 不登校の子の進路選択を上手にサポートするためにママに持ってほしい力 3つ
進路選択の際に、ママに持ってほしい力 3つをご紹介します。
◆ 「常識」を疑う力
『偏差値が高い学校や評判の高い学校が、我が子にとっていい学校なのか』
『“そんなの当たり前”と思っていたことが本当に当たり前なのか』
いままで持っていた常識を一度疑ってみると、また新しい価値基準が生まれます。
◆ 上手な提案力
お子さんの行動を引き出せるのは、ママの提案力にかかってきます。
まずは色々な学校の資料やオンライン説明会をママが受けてみる!
その上で、オススメポイントをお子さんに楽しく伝えてみましょう。
母「あなたがやってみたいって言っていたゲームを教えてくれる体験授業があるらしいよ!」
母「一緒に行ってみない?」
もし、お子さんが消極的な反応をしたら諦めずに選択肢を出して提案を続けてみましょう!
子「え、大人数だと怖いし…」
母「土曜だったら人数も少なくて静かに練習できるんだって!」
お子さんが、『それなら行けるかも』と思えるような提案をしてあげるのがコツです!
子どもはまだ視野が狭く、さらに発達グレーのお子さんだと思考の偏りや自己理解の発達の弱さもあり、広い視野から自分に合ったものを探すことが苦手です。
また、繊細なお子さんは外出そのものにも抵抗があったり、集団に入ることが怖かったり、不安を感じやすい子も多いので、お子さん自身が希望した学校であっても、学びやすい環境とは限りません。
まずはお子さんがどんなことに興味を持っているか、どんなことに不安を感じるか、お子さんの特性も踏まえて学べそうな環境を、ママ主導で調べてみることをお勧めします。その上で、お子さんが乗ってきそうなタイミングと声かけで、見学や体験に誘いだしてみましょう!
◆ 本人を信じて任す力
いいと思う学校をある程度選択して提案し、体験させるまではママが先導してOKですが、最終的な決断は本人に任せましょう。
また「あなたはこっちの方がいいと思うよ。」とママの考えに誘導するような発言は、特にHSCのお子さんは親の期待に添いたい気持ちが強い子が多いので、本音を隠して選択してしまうこともありますので要注意です。
自分が主体的に学校を選ぶことで、自主性と責任感が湧いてきますので、何か困難が生じても、やりとげる力になります。
中学生の進路探しは、不登校の子が行動を起こすきっかけになるので、上手に利用したいですよね。
ママのサポート力をあげて、お子さんに明るい未来を手渡してあげてくださいね。


執筆者:発達科学コミュニケーション リサーチャー 菊池のりか
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