発達障害・グレーゾーンの子が“勉強をやる気になる”教え方はプロから学ぼう!

いくら「勉強しなさい!」と言っても子どもが勉強しないと悩んでいませんか?勉強嫌いな発達障害グレーゾーンの子の“やる気を引き出す”家庭教師の先生の勉強の教え方のコツをご紹介!コツがわかるとガミガミ言わなくても家庭学習がスムーズに進みます!

1.発達障害・グレーゾーンの子に「勉強しなさい!」と言ってもやらない理由

お子さんが勉強嫌いだった場合「どうやって我が子に勉強させようか」というのがお母さんの悩みの種だと思います。

ついつい「勉強しなさい」としつこく言ってしまいがちですが、言われれば言われるほど、発達障害・グレーゾーンの子たちは勉強嫌いになりかねません。

「うちの子、何度言っても勉強しないんです!」と思っているお母さん、お子さんに話しかけるときのご自身の様子を思い出してみてください!

もしかして眉間にしわが寄っていませんか?怒った感じの声になっていませんか?

そうなってしまうと子どもの脳は、お母さんの言葉をシャットアウトしてしまいます。

子どもの脳では、言葉の中身よりも「表情」「声色」「語調」が先に処理され、「また怒られる」と思ってしまうからです。

シャッターがおりた状態で指示をあれこれ出しても子どもには届かず「何度言ってもうちの子はやらない!」となってしまうワケです。

なかなかやろうとしない子どもに勉強させようとしたり、勉強を教えるのは、お母さんのイライラの原因にもなりますよね。

宿題、勉強関連は、どうしても親子ゲンカになりがちです。

ネガティブな関わり方(親子ゲンカ)を避けられるのであれば、勉強に関しては塾や家庭教師など誰かにお願いをしてケンカをしなくてすむ環境をつくるのも1つの方法です。

ただし、発達障害の特性を持つお子さんの場合は、その子に合った教え方やサポートをしてくれるところにお願いすることが大切です。

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2.塾をやめさせる決断をした息子の中学時代

発達障害・グレーゾーンのお子さんの場合、みんなが通っている人気の塾に通わせても、習ったことが身についていない、そんなことが起こってしまうことがあります。

私の息子の中学生時代のお話をします。

中学生だった頃、「先取り」をウリにしたグループスタイル(集団授業)の塾に通わせていました。

しかし、グループスタイルの塾は、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)不注意タイプの息子には合ってなかったということに私は気づき、途中でやめる決断をしました。

息子の場合、授業が始まって15分くらいは頑張っているけど、集中力が続かないので途中からわからなくなってしまうのです。

そして、グループだとカリキュラムで決まったところまで進まなくちゃいけないから、授業はどんどん進んでいく…。

結局、息子は授業のほとんどを理解せずに過ごしていたワケです。

しかもその塾は「先取り」をウリにしているので、学校の授業よりもっと先を学ぶのです。

ところが残念ながら息子は「情報の整理」が苦手です。

塾でせっかく先取りしても、学校で習ったときに「あっ、あの時、習った問題だ!」と頭の中でうまく結びつきません。

結局、学校の授業の理解も、塾の授業で習ったことも、中途半端になっていたため、私はやめさせる決断をしました。

塾を辞めて自分なりにリサーチした結果、ある家庭教師に息子の勉強をお願いすることにしました。

家庭教師を探したときの条件はたった1つ。

我が子の発達障害ADHD特性に合った指導ができるかどうか、それだけでした。

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3.プロに学ぶ子どもをやる気にさせる教え方

私は、息子の家庭教師の先生の教え方を見て「さすが!」と思うことがありました。

思春期男子をうまーくやる気にさせていたのです!

その家庭教師の先生が息子をやる気にさせている効果的なワザをじっくり観察してみました!

勉強嫌いの息子ですが、この先生との授業の時間は結構楽しそうなのです。

先生のコミュニケーションのとり方の特徴として
・ノリがいい!
・話を聞いてくれる
・突っ込み上手
・褒め上手
ということが、わかりました。
思春期の難しいお年頃の男子の気持ちをうまくコントロールしてくれているのです。

◆ノリがいい

「ノリがいいって、勉強を教えるのと関係あるの?」と思うかもしれません。でも、これとっても大切なのです!

そして、いくらノリ良く、と言っても注意しなければいけない時ももちろんあります。

たとえば、宿題をやらずに家庭教師の先生が来る日を迎えてしまったときなど。

そんなとき、先生がどうしていたかというと…
・少しでもやってあるところを確認
・その中でできているところを褒める

そのうえで
「ちょっとー!こっちやってないなんて残念すぎるー!この問題が解けたならこっちもできたはずじゃん?」
と、明るく、笑顔で、指導・指摘をしてくれていました。

このように肯定的に注意を引いてからコミュニケーションを開始すると、脳が拒否反応を示さず、指示が通りやすくなります。

これから始まる授業の中でたくさんの指示をしなければならないときに、「なんで宿題やってないの!」と怒りモード全開でスタートすると、当然、息子の脳は拒否反応を示し、先生の声は届かなくなります。

そうすると、子どものやる気はすーっと失せて、その日の授業が無駄になってしまうのです。

◆話を聞いてくれる

勉強の時間なのにスマホゲームばかりやっていて、なかなか切り替えができない。そんなときにお子さんにどのような声かけをしていますか?

ガミガミ時代の私は
「いつまでスマホやってるの!」
「何分ゲームやってると思ってるの!」
「早く勉強しなさい!」
と、こんな声かけをしていました。

何度も勉強をするように繰り返して言い続けているのですから、なかなか行動に移さない子どもについ腹が立って声を荒げてしまいますよね。

ところが!家庭教師の先生は、息子がゲームの話を始めるとしばし耳を傾けてくれます

息子「今日、ゲームで○○まで進んだんだ!」
先生「へー、そうなんだ。先生のほかの生徒さんもそのゲームの話をしてたよ!」
と言った感じです。

この、「へー、そうなんだ。」が、実はポイントなのです。

子どもがやっていること、好きなこと、興味をもっていることに、大人が興味を示すだけで立派な「肯定」になるのです!

肯定された子どもは前向きな気分になるので、脳が次の指示を受け入れやすくなります。

その「前向き」になったタイミングで家庭教師の先生は、「よし!じゃ、この問題からやっちゃおうか!」と明るく伝え、勉強をスタートさせています。

◆突っ込み上手

家庭教師の先生の授業中に問題を解く息子と、隣で宿題のマル付けをする先生。

先生がふと気づくと、集中力の続かない息子の思考はどこか遠い世界に行ってしまっています…。

そんなとき、少し前の私は、
「ちょっと(怒)! 何ぼーっとしてるのよ!」
「早く次をやりなさい(怒)!」
と言ってヒートアップしてしまうお決まりパターンでした。

ところが、先生の対応はひと味ちがいます。
『笑顔で』
『隣で楽しい空気感をまといつつ』
うまーく息子に突っ込みを入れてくれます。

たとえば
「はい!今、どっか行っちゃってるよー!」
「あれ?まさか眠いかしら?」
などです。

すると息子もついうっかり「いや!寝てないっす!」と返しながら、こちらの世界に戻ってきちゃうわけです。

視覚的にポジティブな情報を伝えるためにも、「笑顔」「優しい雰囲気」はとても大切になります。

◆ 褒め上手

「褒め」と聞いて拒否反応がでてしまうお母さんの気持ち、とーってもよく分かります。

「褒めろと言われても褒めるところがないんです!」
「褒めるところがあるくらいならこんなに悩んでいません!」

これがお母さんの本音ではないでしょうか?

では、家庭教師の先生はどう対応していたかというと

・苦手をゴリゴリやらせない!

息子は文章の読解が苦手です。数学と理科はそこそこ好きだけど、そんな科目でも計算問題はいいけれどやっぱり文章問題は苦手。

学習障害の子によくある凸凹感です。

だから先生は数学の宿題は、計算問題オンリーにアレンジしてくれます。

得意ジャンルだけなので、宿題の答え合わせをするとそこそこマルがつくんですね。そしてそれを褒めてくれます

・できているところだけに注目

好きな数学で、なおかつ得意な計算だけにフォーカスしたプリントでも、間違えることがあります。

そうするとついつい「ここ間違ってるよ!」と、できていないところを指摘したくなりますが、先生は違います!

できていないところはさわやかにスルーして、「ここ、できてるね」と解けている問題を1つずつ確認していきます。

宿題のプリント全体の点数に注目すると点数が良くても1回しか褒められないですが、1問ずつ「できてるね」を重ねていくと、解けた問題の数だけ肯定チャンスをゲットできることになるのです!

思春期男子を相手にしているのでそんなにオーバーな褒めはしませんが、

「ここ、できてるね」
「ここ、イイね」

この積み重ねが、息子には心地良いのだと思います。

そうやって肯定してもらった後なら、できなかった問題の解きなおしも、とってもスムーズ

できていた問題を指しながら「これと同じ解き方をするんだよ」と言われれば、子どももやれちゃう気になりますよね。

発達の特性がある子の場合は、その子に合った学び方を考えてあげることが必要です。

そして、勉強の教え方に関しても、大切なのはやっぱりコミュニケーション

ご家庭でお子さんに勉強を教える時にも、ぜひ我が家の家庭教師の先生の教え方のポイントを参考にしてみてください。

やる気を引き出すことができれば、行動につながり、それがその子の自信になります‼

執筆者:清水畑 亜希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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