【特集】不登校の子の進路選びは何から始める?わが子に合った進路を見つけるための準備と関わり方
外出しない不登校・登校しぶり

不安が強い子どもが外出できるようになる「大丈夫だった」体験のつくり方

不安が強い子どもが登校や外出前に体調不良を訴えるのは、行きたくないからとは限りません。子どもの状態を観察し、不安があっても「大丈夫だった」と感じられる経験を重ねることで、自分で考え動く力を育てる関わり方を、実際のストーリーからお伝えします。

1.登校や外出のたびに体調不良を訴える子

登校や外出の時間が近づくと、
「体調が悪い」と言ったり、
予定をドタキャンしたりする。

「またか……」と思いながらも
これが続けば外の世界からどんどん遠ざかってしまうのではないかと心配になりますよね。

でも、
不安が強い子どもが外出を嫌がったり、
体調不良を訴えたりするのは、
本当に「行きたくないから」だけなのでしょうか?

不安が強い子どもには、
「大丈夫だよ」
と言葉で安心させるだけでなく、
「大丈夫だった」
と実感できる経験を積み重ねること
が、次の行動につながることがあります。

「明日は行くと」って言ってたのに今日になると動けない…
▼それはストレスからの回復力がまだ育ってないだけでした


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2.不安が強い子どもは、なぜ動けなくなるの?

不安が強い子どもは、
まだ起きていない出来事を予測し、頭の中で何度も再生することがあります。

「もし失敗したら」
「もし嫌なことが起きたら」
「何か悪いことが起きそう」

こうした予測が繰り返されると、
不安やストレスが強まり
脳が危険を避けようとする防衛モードになりやすくなります。

不安が強い子どもが動けないのは、
やる気がないからではなく
不安によって脳に行動のブレーキがかかっていることがあるのです。

だから「大丈夫だよ」と言われても、
すぐに不安がなくなるとは限りません。

大切なのは、
不安をなくすことだけではなく、
「不安があっても大丈夫だった」という経験を重ねること。
その経験が、
少しずつ安心モードに戻り、
自分で考えて動くための土台になります
。

3.不安で外出を嫌がっていた子が自分で行動を選べるようになった

ここで、私の講座で一緒に学んでくださったSさんの実践ストーリーをご紹介します。

中学2年生のSくんは、
「今日は何か悪いことが起きそう」
と何度も言って、外出を嫌がっていました。

しかも、教室は怖い。
けれど、家にいる自分も嫌だ。

家にいても、
出かけようとしても、
心がずっとザワザワしている状態で
ママもどうしたらよいのか
分からない状態でした。

「外出したくない」のではなく、
不安が強くて動けないのかもしれない。
そう考えると、
まず必要なのは、
外出させることではなく、
今のお子さんの状態を見ていくことになります。

そこでSさんは、
「体調が悪いかも」
というお子さんの言葉を
否定することなく受け止めながらも、「本当に体調が悪いのか」を観察しました。

顔色はどうか
ご飯を食べる量はどうか
おでこに手を当てて体温を確認する
などです。

そしてSさんは、
お子さんの「感じ方」を否定せずに、
「そっか、そっか。そう感じるんだねー」
と受け止め、落ち着くのを待ちました。

その上で、
さりげなく別の事実も伝えました。
「そういえば!○○に出かけた時は平気に見えたけど、どう?」
「最近、同じように具合悪くなったことあったかな?ママ、思い出せないかも」

これは、
「あなたは大丈夫」
と説得することとは少し違います。

不安という「感じ方」と、
実際に起きた「事実」を
分けて見ていく関わりです。

そして大丈夫だったときに持っていたものや
やっていたことを再現しながら、
スモールステップで外出に挑戦しました。

もちろん、無理強いは禁止です。
まだ自己肯定感が低かったり、
荒れている状態が続いているなら、
そちらへの対応が先決です。

そして、最後に、
「案外、楽しかったね」
「やってみたら大丈夫だったね」
と、プラスの記憶を上書きして、
思考のクセを少しずつ変えていくというステップを踏んでくださいました。

そこから、
頑張れる日は教室へ。
しんどい日は別室へ。

自分の体調を見ながら、
「今日はどうしようかな」
と決めて動くことができるようになっています。

不安がなくなったから
動けるようになった
のではなく、
不安があっても
自分の状態を見ながら、
どうするかを選べるようになった
のです。

4.不安をなくすより「不安があっても動けた」を増やす

Sくんのように、不安が強い子どもにとって、外出できることだけがゴールではありません。

「今日はどうしようかな」
と自分の状態を見ながら考え、
選べたこと。

やってみたら
「案外、楽しかった」
と思えたこと。

そんな小さな
「大丈夫だった」が、
次の一歩につながっていきます。

だから子どもが「体調が悪い」
と言ったときも、
すぐに外へ出そうとするのではなく、

「この子は今、何を不安に感じているんだろう?」
と、一度立ち止まってみる。

不安をなくしてあげることより、
不安があっても
大丈夫だったという経験を、
一緒につくっていく。

その積み重ねが、
子どもが自分で考えて動く力につながっていくのかもしれません。

不安はなくさなくてもいい。
「不安があっても、やってみたら大丈夫だった」
そんな経験を今日ひとつ見つけてあげる。

それだけでも子どもの脳にとっては、
外の世界へ向かうための小さなウォーミングアップになるのです。

▼苦手・嫌なことは“やらない”ではなく“動けない…”
不登校の子に合う、次の一歩の育て方があります。

 

▼不安で外出できない子でもスモールステップで挑戦できるようになった事例を紹介しています。

執筆者:清水畑亜希子
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)

▼家の中から行動を少しずつ広げよう!そんなヒントをお伝えしています。