1.「好きなことができるなら、そろそろ学校行けるんじゃない?」
息子は小学1年生から行き渋りがあり、小学2年生ではほぼ登校できていましたが、小学3年生の4月下旬から完全不登校になりました。
去年の7月に「発達科学コミュニケーション(発コミュ)」に出会い、少しずつ息子の変化を感じるようになりました。
学校には行っていなくても、仲良しの友だちや兄の同級生たちとフットサルで遊ぶことはできるようになっていったのです。
そんな姿を見ると私は、
「好きなことはできているんだから、そろそろ学校にも行けるんじゃない?」
と思っていました。
私の中では、いつの間にか「学校に行くこと」がゴールになっていたのです。
去年の夏休みが明ける前は、前日から親子で、
「明日は学校に行かなければ」
と思い、宿題や生活習慣など、心も体も無理矢理準備をしていました。
不安で緊張した息子が夜中に起きて、泣きながらうろうろ歩くなんてこともありました。

そして2学期、学校へ行けない日が続くたびに、
「今日も行かなかった」
「今日もできなかった」
と、できていないことばかりに注目していました…
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2.学校には出さないけど「夏休みの工作」を作りたい!おウチで『できた』を増やすチャンスにしよう
今年の夏休みは去年とは違いました。
夏祭り、従兄弟とのお泊まり会、花火、映画……
「学校」「勉強」をできるだけ意識せず、息子の「やりたい」を叶えることを大切にして過ごしました。
それは発コミュを学び、一緒に日々子育てを学ぶ仲間達が「学校を休んでもおウチで子どもの成長を引き出している」姿を身近で感じることができたからです。
私自身も、
「夏休み明けには学校へ行かせよう」と以前ほど考えなくなっていきました。
学校に行っているかどうかとは別に、息子がこの夏、たくさん成長していることに気づけるようになったからです。
「できていないこと」ではなく、
「もう、こんなにできていることがある」
と思えるようになっていました。
そんな夏休みの終わり、息子には一つだけ「やりたいこと」が残っていました。
夏休みの宿題はほとんどしていませんでしたが、「工作だけはやりたい」と言ったのです。
去年買ったまま使わなかった材料が残っていました。
私は最初、
「夏休みの工作=学校に提出するもの」だと思っていました。
けれど息子の目的は、まったく違いました。
「自分の部屋に掛ける時計がほしい」
「自分で作りたい」
「絵の具を使いたい」
息子にとってのゴールは学校への提出ではなく、「自分の部屋に飾る、自分の時計を作ること」だったのです。
目的が決まると、驚くほど早く、約1時間で一気にお気に入りの時計を完成させました!
私は、
今までのように「せっかく作ったんだから学校へ持って行こう」とは言いませんでした。
去年は「提出できなかった画材」だったものが、今年は「息子が自分で作ったお気に入りの掛け時計」になりました。
同じ材料なのに、目的が変わるだけで息子の行動はこんなにも変わる。
ここで私は、「この子は目的が分かって、自分でゴールを決めると動けるんだ」と気づきました。

私は、息子は今「学校に行かせる段階」なのではなく、自分の「やってみたい」を使って、おウチの中や外の世界で「できた」を増やしていく途中なのだと考えるようになりました。
それは、このあき子先生のYouTubeからも我が家に照らし合わせて理解することができました。
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3.今年も登校しなかった息子は『自分で考え自分で動く力』を持てるようになった!
今年休み明けも息子は学校へ行くことはありませんでした。けれども、本人が「やりたい」と思ったことを「学校に行くため」と意味づけせず、そのまま応援することにしました。
すると息子から「サッカーがしたい」という言葉が出てきました。
サイズアウトしていたトレーニングシューズと新しいサッカーボールを購入し、久しぶりに私と、お兄ちゃんと3人でフットサル場へ。
出発時間は本人と一緒に決めました。当日は、息子が予定を把握して主導する姿が見られました。
お兄ちゃんに、「早く準備してー!」「置いて行くよ!」と声をかけ、出発時間に間に合わせようと必死です。

到着直後は少しドキドキしていましたが、新しいボールとシューズを嬉しそうに使い、たくさん汗をかいてサッカーを楽しみました。
ずっと走り続けるのではなく、
「この時間まで休憩する」と、自分で休憩時間も決めて、楽しむことができていました。
そして帰宅後、息子が言いました。
「ボクはサッカーは、体力づくりのためにしているんだよ。上手くなりたいからじゃないよ」
私はそれまで、ランニングやサッカーを「学校に行くための体力づくり」と結びつけていました。
けれど息子には、息子なりの「何のためにするのか」がちゃんとあったのです。
大人が意味やゴールを決めなくても、本人は自分で目的を考えられる。
そして、自分で決めた目的だからこそ、自分で予定を把握する、準備する、時間を意識する、自分に合う方法へ調整する。
そんな行動につながっていることに気づきました。
さらにその日の夜。
翌日の父親とのサッカーを楽しみにしながら、突然息子が言いました。
「オレ、今日レベルアップしたんやで?」
「どんなー?」と聞くと、
「Fortnite(フォートナイト)の管理者イベントはしなかったよ」
とのこと。
やりたいゲームのイベントもあった。けれど今日は、自分でフットサルを選んだ。
そして何より驚いたのは、
「今日の自分はレベルアップした!」
と、本人自身が自分の成長を見つけていたことでした。
そしてその後の家庭訪問でも、『新しいサッカーボールを先生に見せることを目的にする!』と、自分から先生と会うことができました。
先生から学校の話を聞いたときには、分からないことを自分から質問する姿もありました。
「学校に行かせよう」「学校に慣れさせよう」と動かしたわけではありません。
けれど本人の「やりたい」「知りたい」を大切にしていたら、結果として少しずつ学校との接点も、本人自身で作り始めていました。
4.息子が「学校行きたい」と言ったときのために準備をしてあげたい
今年の夏休みの経験から私は、「目的は大人が決めなくてもいい」ということに気づきました。
何かをやるときに、その目的が自分の中で納得できているからこそ、「やってみたい」が「行動」に変わるのだと思います。
これからは、本人の行動を急いで学校復帰につなげるのではなく、
「何をしたい?」
「何のためにやりたい?」
「どうしたら自分ならできそう?」
を本人自身が決められることを大切にしていきたいです。
そしていつか、「学校で○○したい」「ちょっと行ってみようかな」
という本人自身の目的が生まれたときに、それを自分の力で行動につなげられるようにしたいと思っています。
「オレ、今日レベルアップしたんやで?」
そんな風に、本人が自分自身の「レベルアップ」を見つけられる経験を積み重ねていきたいです。
よくある質問(Q&A)
Q1.家で元気なら登校できるよう背中を押していいですか?
A.家で元気に過ごせていることと、学校へ行ける状態であることは同じとは限りません。好きなことができるようになった姿を見ると、「そろそろ学校にも行けるのでは?」と思うことがあります。けれど、まずは子どもが「やりたい」と思ったことを自分で選び、「できた」という経験を増やしていくことが大切です。学校復帰につなげようと急がず、今できていることや本人の目的を大切にしていきましょう。
Q2.学校復帰をゴールにしないと行けなくなるのではないですか?
A.学校復帰を大人がゴールとして決めなくても、子ども自身が目的を考え、行動する力を育てることはできます。本人の中に「学校で○○したい」「ちょっと行ってみようかな」という目的が生まれたときに、自分で行動につなげられる力を育てていくことが大切です。
Q3.子どもが家で自分で動けるようにするには?
A.大人目線で目的やゴールを決めるのではなく、子どもの「やりたい」をそのまま応援してみましょう。「何をしたい?」「何のためにやりたい?」「どうしたら自分ならできそう?」と、本人が目的や方法を決められるように関わります。自分で決めたことだからこそ、準備する、時間を意識する、自分に合う方法へ調整するといった行動につながりやすくなります。
「学校への復帰を焦らず、今できていることを見ていきたい」
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執筆者:福崎 かな
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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