ゲームとネット時間のコントロールが難しい子にしてあげられること、 それは自分の居場所探しかもしれません!

発達の凸凹があって、不登校だと、ゲームやネットにハマりやすくなります。リアルの世界でもネットの世界でも経験は積める時代、 それでも偏っていると心配になるのが親心ですよね?お子さんが「リアルが楽しい」と思える自分の居場所はありますか?

1.学校へ行かずに家でゲームやネット三昧?!

平日の日中に学校に行かないお子さんが家にいる、というお母さん。

学校へ行かない選択をようやく受け入れ、子どもの身体症状や感情に振り回されることが減ってくると少しホッとしますよね。

ただ、マイペースにゲームやネットばかりの1日だと、他の事はしなくて大丈夫?と不安になる気持ちはありませんか?

不登校の場合、家でのゲーム時間に癒される、そんな時期も、もちろんあると思います。

それでもお母さんがお子さんを自分の居場所に上手くつないであげられたなら、いつかスクリーンタイムが気にならなくなる日がくるかもしれません。

2.不登校×発達凸凹だからはまっちゃう?

発達凸凹の子ども達は、特性のない子どもと比較してインターネットに依存的な傾向があるといわれます。

たとえば注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性がある場合、刺激を求める傾向が強かったり、思いついたことをよく考えずに行動してしまう衝動性を持っています。

ADHDの子にとって、あちこちに情報がちりばめられていて、自分の操作や選択がすぐ結果につながるネットやゲームの世界は、まるで刺激的な沼のようなものかもしれません。

しかもオンラインゲームであれば通信を介して新しい要素がどんどん提供され欲求を満たし続けてくれます。時代の進化も止まりませんし、はまり込む要素や仕掛けが盛りだくさんなのです。

かつ不登校で自分の居場所がなければ、やる事が決まっていない時間も多いので、なおさらゲームにはまり込む傾向が強まると思われます。

発達凸凹✕不登校」は、ネットやゲームに依存してしまうリスクが高いのです。

3.いきなりゲーム時間が減った!そのワケとは?

わが家の小学5年生の息子は、3年生の時に学校に行けなくなり、小学校のクラスや別室教室へ自分のペースで登校してました。

くわしい経緯については、コチラの記事を併せてお読みください↓
不登校になったらどうする⁈子どもが動き出す順番とやる気の回復方法があります!

実は息子が不登校になって良かったことがあります。

それはお友だちとの外遊びや、色々やらせてくれる大人との交流の中で、息子自身が自分らしさを発揮できるようになった、という事です。

勉強以外の事で認めてもらい、自信を得られる経験がたくさんありました。緊張しない環境の中では、年齢を問わず会話を楽しんでいます。

学校内での教室外の活動や、放課後の近所の公園、自転車で行ける圏内に息子は自分の居場所をいくつも持つようになっていました。

日によって、学校を数時間で帰ってくることもあったので、そんな時は料理やおうち実験、テニス、キャッチボール、工作など、息子が興味を持ったことを一緒にしながら2年間を過ごしました。

今では「不登校になる前の僕は、本当の自分じゃなかった!」と熱く語っているくらい、抑えていた感情が解放されてどんどん表情豊かになりました。

大人があまり管理しすぎない時間を過ごすことにより、息子は以前の5、6倍元気になっています。

そんな息子ですが、できる事をだんだんやりつくしてしまい、家にいる時は手っ取り早く刺激が得られるゲームや、ゲーム実況動画に見入る時間が徐々に⾧くなっていったのです。

ただその様子を観察していると、息子の場合はゲームを上達したい気持ちや、夢中になっているというよりも、他にすることがないからやっているんだな、と感じる事が次第に多くなってきました。

以前のように学校でしんどかった思いをゲームで発散していたり、ゲーム解説動画をすごく楽しんで熱中して観ている、という風でもなかったのです。

家での毎日はまあまあ自由、学校に行かない日がある以外は普通の状態、エネルギーもたまり平日の日中は物足りなさも感じている。
それでも、教室での一斉授業に参加すると疲弊して帰ってくる、みんなと同じように頑張ってしまう、完全教室復帰は難しい…。
というような状態でした。

そんな様子を見ていて、不登校3年目にして息子にはそろそろ小学校に代わるような新しい自分の居場所が必要な時期だと自然に思えるようになりました。

そこで親子で話し合い、息子に合うと感じた全日制のフリースクール A 学校を見学し、体験入学の1か月後、本入学となりました。

息子は、今年度からこのA学校に入学したことで、平日のゲームやYouTube視聴時間は 15分~40分程度になり、切り替えに頭を悩ませていた日々が、あっけなく終わりをむかえたのです!

4.新たに自分の居場所になったA学校の特徴

徒歩3分の小学校に行くときは母親の付き添いが必要だったのに、電車で30分のA学校に今息子はひとりで通学しています。

親の目の届かないところで丸1日を過ごすようになった息子の頑張りを嬉しく感じています。

A 学校には、息子の意欲を高めてくれ、リアルが楽しいと感じさせてくれる授業の特徴があります。

長時間のスクリーンタイムを手放し、息子が平日1日家の外で活動出来るようになったA学校の授業の魅力をいくつかご紹介します!

◆対話中心、メリハリのきいた教科授業

課題は3分、5分と、短い時間で区切られ進行されています。そのため、集中が難しい息子でもあっという間に時間が過ぎる授業です。

学年も理解度も違うメンバーの中で、まずは隣同士、手に負えなければグループになって教えたり教えられたりします。

A学校の授業は小学校のように着席したままではなく、なんと皆、常に移動し、立ち歩いているスタイルです。

そして自分さえ解ければよいという考え方はなく、みんなが理解し、笑顔になってくれる説明を考えて、思いついた人がどんどんアウトプットしていきます。

先生が話すだけの時間はなるべく少なくなるように工夫されています。

息子が不登校になった要因の一つに書字の苦手さがありますが、A学校では黒板に書かれた内容をひたすらノートに写す時間も特にありません。

全集中で聞き、考える事が優先されているので、この環境ならば不得意な書字は頑張らずに目から耳から学べるのです!

勉強に対する息子の心の負担がだいぶ減りました。

 
◆誰かの役に立っていると実感、お仕事タイム

お仕事タイムが、A学校の時間割の中で一番のボリュームです。その子の能力や興味にあった仕事が任されます。

その一つに、「A学校グループの民間学童での見守り」という仕事があります。

低学年の子ども達を迎えに行く、宿題をみる、一緒に思いっきり遊ぶ、という内容です。

一緒に遊ぶ子どもが喜んでくれる上に、自分も楽しくなれるようです。

相手の期待をつかみ、自分のアイディアで人を喜ばす、その結果どんどん活力が沸いてくる、息子と相性が良い仕事です。

また他の仕事では、一つ年上の優しいリーダーに息子は憧れています。計画的なところ、みんなをまとめているところ、真似をしたいと家で話してくれます。
 
A学校に通い始めて、息子の外の世界が一気に広がった数か月でした。

自分の力で出来る事が急に増え、新しい友人や先生と仲良くなり、自分に合った学び方と出会い、真似をしたい憧れの先輩までいる家の外の世界。刺激的な時間を過ごしているようです。

1日が終わると、お家基地に帰ってくつろぐ毎日です。

新しい自分の居場所が一つ、また一つと増え、ゲームも好きだし楽しいけど、外の世界もメッチャ楽しい、というバロメーターがぐんぐん伸びているようです。

5.お子さんの居場所探しの前にクリアしておきたい事3つ‼

わが家の体験をご紹介しましたが、このように子どもがリアルの世界を楽しめるようになれば、スクリーンタイムは減っちゃいます!

お母さんがゲームに勝るような刺激をお子さんに与え続ける事は、どんなにアイディアマンでも無理です。お子さんと外の世界をつなぎ、自分の居場所を見つけてもらえるようにお母さんがサポートしたいですね。

その前準備は出来てますか?

◆ 不登校の段階の見極め

不登校初期の不安定な段階でお母さんがやみくもに居場所探しをすることはお勧めしません。まずはお子さんのエネルギーの回復が大切です。
充電期間はお子さんによってそれぞれですが、お子さんが「ひま」を感じているようであれば、もしかすると動き出せるタイミングかもしれません。

◆子どもの特性と好きなこと、苦手ではないことを理解した上での選択肢の用意

お子さんのことを理解していなければ、行動してもらえる選択肢が用意できません。親の都合や世間体を気にした選択肢ではなく、お子さんがワクワク出来る事が1番です。本人が好きなキーワードがあるところが選択肢になります。

◆お家基地の快適度が子どもにとって70点以上

リアルな世界へ久しぶりに出る時は緊張もするし疲れます。外が充実してきたとしても、失敗したり傷つく事もありますよね。そんな時に帰ってくるお家は、お子さんの安全基地でなければいけません
何度でも「行ってきます!」と挑戦できるように。

不登校のお子さんでも家の中では家族の目を気にせずのびのびしてますか?
お子さんがイライラする地雷を毎日踏んでいませんか?

出来ていないことを指摘するばかりでは、本当に伝えたい大切な事もお子さんには届かなくなります。

お子さんにとってもし今が、外の世界も家の中もどちらも快適でない状況ならば、まずはお家をお子さんの安心出来る自分の居場所にしてあげる事が必要です。

外に出るようになると家では補いきれなかった部分の自信がつきはじめます。

リアルな世界につなぎ続けるサポートを継続していけば、お子さんはひとりで、またはお友だちと一緒に、いつのまにか勝手に行動しはじめ、家で待っているお母さんを驚かせるかもしれません。

子どもは動き出す力をもともとちゃんと持っていると感じます。

ただしお子さんが外の世界に踏み出せなかったとしても、がっかりするのは早いです。

そんな時はお子さんに家の中で、自分が役に立っている、出来たと実感してもらえることがあれば大丈夫です。日常的なお手伝いは気分が乗らない お子さんでも、ちょっと珍しいお手伝いなら引き受けてくれるかもしれません。

家で得た自信はいずれ外へ向かいはじめます。

大小さまざまな舞台が、お子さんの自分の居場所になるといいですね。皆さんのお子さんがこれからたくさんの可能性と出会えますように!

執筆者:とくながともえ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)

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