1.元気のない子どもと何を話したらいいのかわかりません
先日高校球児のママさんから以下のようなご相談がありました。
「息子が試合に負けてきました。
悔しそうにしていますが『いい試合だったよ』とか、『惜しかったね』では余計に空気が悪くなっています。
こんな時どうしたらいいのでしょう?何を話したらいいのか?沈黙が続いてどうしていいかわかりません。」
お子さんがスポーツをしていると、こういう状況ありますよね?
その気持ちとてもよくわかります!!!
また、「学校やお友だちのことで何かがあったのかな?元気がないな」というようなときもありますよね。
そんなとき、何を話したらいいか、どうしてあげたらいいか、迷うと思います。
でも実は、無理に話そうとしなくていいんです!というお話をします。
2.何も言わないこともコミュニケーション
わが家も、ご質問と同じような状況がありました。
試合に負けてきた当日は、話しかけるのはグッと堪えようと覚悟を決めていました。
案の定元気のない状態だったので、できるだけおいしい息子の好物の夕飯を作り、食後にお茶でも飲む?といつものお茶に誘いました。
その時に注意したことは
・眉間にシワ寄っていないか
・困った顔していないか
・心配そうな声のトーンになっていないか
など非言語情報を意識して気をつけました。
非言語情報は言葉のコミュニケーションよりも影響力が大きい!からです。
表情や声のトーン、話す速度など言葉ではない非言語情報。
実は人とのコミュニケーションは、この非言語情報が90%以上の割合で受け取る側に影響を与えているんですよ。
こうして、何も聞かずに1日たった長男は自分からいろいろ話し始めてくれました。
その話を聞きながら、ここでやっと
「そうだよね…頑張って練習してきていたから余計に悔しかったよね」と話をしたら
「うん!」
と気持ちや本音を話し出してくれました。
本人の気持ちの整理がついたら、気持ちが落ち着いて(脳が落ち着いて)さらに素直に話してくれます。
先日こんなこともありました。
テストがあるという話はなにも聞いていませんでしたが、自分から「古典が○点!」などと話し出してくれてびっくりしたことがあります。
自分からうまくいかなかったことを話したり、テストの点数(決して良くない点数なのですが)も自分から教えてくれる。
このような親子関係だったら、安心、安全でお子さんが本音を話しやすくなりますね。
3.本音を話したくなるお母さんのコミュニケーション
高校生や思春期・反抗期など、もう大きなお子さんが元気がないときは特に、良かれと思って口にしたことが、逆に私たち母が墓穴を掘って雰囲気を悪くしてしまうことってあるんです。
お母さんは、話したいんだけど…
沈黙も嫌なんだけど…
ここはぐっと堪えて見守る”沈黙”も1つのコミュニケーションだと思って待ってください。
言い返されたとか、空気が悪くなったとか、そんなときは子どもが話したいことを話せるタイミングまでは、何も言わないこと!
何も言わずに待つことが大切なときもあるんですよね。
ですが、この沈黙して待つ時にとても大切な重要なこと。
それはお母さんの醸し出す空気感がとても重要になります。
「ご飯できたよ♪」
「お茶一緒に飲まない?」
とものを置いたりする時に、怒っていたり、荒々しい雰囲気を感じさせないように音を大きく立てない。
言葉の語尾や声のトーン=穏やかですか?
この辺りを気持ち良い、心地よい雰囲気にしてください。
表情=笑顔で、眉間にシワが寄っていたり困った顔をしていませんか?
早口にならない、ゆっくりと間をとって話す(日常のことでもなんでも)雰囲気や声のトーン、表情、言葉尻など気をつけましょう!
お母さんも、自分が元気がないときに「あれやこれや」言われる・相手が怒っているような雰囲気だったら本音話したくないですよね。
このようにしてもらったら、本音を話しやすいなという状況を考えてみてください。
何も言わないコミュニケーションで本音がいいやすい親子関係になりませんか。
執筆者:遠藤有里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)