お風呂上がりに着替えないADHA傾向の年長息子が“自分から動き出した”関わり方

ADHD傾向の年長の子どもがなかなか着替えないことで悩んでいませんか?それはやる気ではなく、動き出しの難しさや環境が影響しているかもしれません。関わり方と環境を整えることで、自分から動き出すようになった実例をご紹介します。

ADHD傾向の年長息子がお風呂上がりに着替えない…毎日イライラしていた私

注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向のある息子は、お風呂上がりになると、なかなか着替えずにそのまま遊び始めてしまうのが日常でした。

「風邪ひくから早く着替えて」

何度声をかけても一向に動かず、結局は私が服を選び、遊んでいる息子に無理やり着せることに…。

やっと着替え始めたと思えば、今度は妹と引き出しの取り合いでケンカに発展。

同じ棚に洋服を入れていたため、開けたい場所がかぶり、お互いに譲れず衝突してしまうのです。

「なんでそんなにすぐ着替えないの?」

そう思いながら、イライラをぶつけてしまう毎日でした。

さらに、毎日のように同じやりとりを繰り返しているうちに、

「また今日もか…」

と、お風呂上がりの時間が憂うつに感じるようになっていきました。

本当は穏やかに過ごしたいはずの時間なのに、気づけば怒ってばかりの自分に、どこか虚しさも感じていました。

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「着替えない」のはなぜ?ADHDの子どもが動き出せない理由

発達科学コミュニケーションを学んで気づいたのは、息子は「やらない子」ではなく、「やりにくい状態」にいたということでした。

ADHD傾向の子どもは、

・やることの切り替えが苦手
・最初の一歩(動き出し)が難しい
・複数の情報を同時に処理するのが苦手

という特性があります。

つまり、「着替えて」という一言は、

・遊びをやめる
・服を選ぶ
・順番に着る

という複数の行動を一気に求められている状態。

大人にとっては簡単でも、子どもにとっては “何から始めればいいかわからない指示”になっていたのです。

さらに、兄妹で同じ棚を使っていたことで、「取り出す」という最初の一歩すらスムーズにいかない環境でした。

加えて、「早くして」と急かされるほど、子どもの脳はプレッシャーを感じ、余計に動き出しにくくなることもあります。

やる気の問題ではなく、脳の処理の仕組みとして“動けなくなっている”状態だったのです。

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年長の今こそ危ない?「言われないと動けない子」になる前に

この状態をそのままにしていると、

・言われないと動けない
・やらされることに慣れてしまう
・「できない自分」のイメージが積み重なる

という悪循環につながっていきます。

特に年長のこの時期は、「自分でできた」という経験を積み重ねていく大切なタイミング。

ここで主体的に動く経験が少ないままだと、小学校に入ってからも 「言われないと動けない」 「やる前からあきらめる」という状態につながりやすくなってしまいます。

だからこそ、 “やらせる”ではなく“動き出せる環境と関わり”に変えることが大切だと気づきました。

さらにこの時期は、成功体験がそのまま「自分はできる」という感覚につながる時期でもあります。

逆に、できなかった経験が積み重なると、自信のなさとして残りやすい時期だからこそ、関わり方を見直す意味があると感じました。

お風呂上がりに「着替えなさい!」をやめたら自分から動き出した関わり方

私がまず変えたのは、環境でした。

兄妹で一緒に使っていた棚を分け、 息子が一人でスムーズに服を取り出せるようにしました。

それだけで、「取り出す」という最初のハードルがぐっと下がったのです。

次に意識したのは、 “動き出した瞬間を見逃さないこと”

息子が引き出しに手をかけたその瞬間に、「洋服選ぼうとしてるんだね!」と声をかけ、小さな一歩を言葉にしました。

そして、

「洋服選べたね」
「下着履けたね」
「ズボン履けたね」

と、できたことだけを一つひとつ具体的に認めていきました。

①環境を整えて「やりやすくする」
②動き出しの瞬間を言語化する
③できたことだけを具体的に認める

この3つを続けていくうちに、少しずつ息子が自分から動くように変化していきました。

最初はほんの小さな変化で、「今日は一つできた」くらいの日もありました。

それでも、その一歩を積み重ねていくことで、息子の中に「自分でできる」という感覚が少しずつ育っていったのだと思います。

今では、お風呂上がりに「着替えて」と言わなくても、 自分で洋服を選び、スムーズに着替えられるように。

「もう着替えたの?!」と驚いて伝えると、息子は嬉しそうな表情を見せてくれます。

関わり方を変えただけで、子どもはこんなにも変わる。

その変化は、行動だけでなく、表情や自信にもあらわれていました。

執筆者:西野まこ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーションアンバサダー)

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