長期休みに、お子さんの苦手に対処しようとしているママはいませんか?子どもが嫌々だといい結果は得られにくいです。不器用でリコーダーがうまく吹けないことに、苦手意識を持っている発達障害の息子と、わが家で取り組んでみた方法をお伝えします。
【目次】
1.長期休みにわが子の苦手さを克服しようとしていた過去
2.リコーダーが吹けない発達障害の不器用な子が苦手さを感じる理由
3.我が家で不器用な息子と一緒に取り組んでみたこと
①お母さんも一緒に吹いてみましょう
②補助のグッズを使ってみましょう
③曲選びをしましょう
1.長期休みにわが子の苦手さを克服しようとしていた過去
学期末が終わったこともあり、親子ともに開放的な気分になっている頃でしょうか?
1年間、子ども達は苦手さがあったとしても、色々なことにチャレンジして頑張ってきたと思いますので、好きなことをして楽しく過ごせたらいいですね。
子ども達とは違って、学年が上がることに不安を抱えているのはママたちのほうなのかもしれません。
春休みの間に、「〇〇はできるようにしておいた方がいいのかも」「次年度は△△が始まるから、少しでも予習させておこうかしら」など、心配される気持ちも分かります。
子どものためを思って、前もって準備しておくのも大切ですが、子ども自身が嫌々だったとしたら、ママの気持ちとは裏腹に、うまくいかずに終わる結果になるかもしれません。
この春、小学校を卒業した発達障害の息子は、3年生の初めてのリコーダーで、一生懸命にしているのにうまく音が出ないことで、だんだんやる気をなくし、練習もせずに過ごしていた時期があります。
長期休みなどに「練習しないとうまくなれないから、この休みの間にしてみよう!」と練習を促してみるものの、本人はかたくなに嫌がり、練習をする気持ちもない状態でした。
うまく吹けなかったとしても、リコーダーに対する苦手意識をどうにかしておきたいと思って、わが家で取り組んでみた方法をお伝えしたいと思います。
2.リコーダーが吹けない発達障害の不器用な子が苦手さを感じる理由
普段、リコーダーを吹くときには、
・楽譜を見る
・楽譜通りにリコーダーの穴を押さえる
・リコーダーを吹く
を繰り返しています。
発達障害のお子さんは脳の特性より、「見る力」が弱かったり、手先の不器用さや身体の動きにぎこちなさがあったりします。
ここでの「見る力」とは、視力が良い悪いではなく、見たものをきちんと理解する力のことです。
楽譜を見て、例えば、
・その音符が「ド」の音だと認識する。
・「ド」の音になるように、リコーダーの穴を押さえる。
・「ド」の音が出るように、吹く力を加減する。
と、このようになっています。
不器用さがあるとうまく指で穴を押さえるのが難しいですし、吹く力の加減ができないときれいな音が出ないことになります。
最初から上手に吹ける人はいませんが、本人はきちんとしているつもりなのに、うまくできないことが積み重なることで、吹くこと自体が嫌な記憶になっている可能性があります。
発達障害のお子さんは、嫌な記憶をずっと覚えているという特性もあるからです。
我が家の息子も、左手はわりとスムーズに使えていましたが、右手の方はぎこちなさがあり、うまく穴を押さえることも難しいようでした。
穴をうまく押さえられなくてきちんと音が出ていなかったり、強く吹いてしまうことできれいな音が出せなかったりしていました。
3.我が家で不器用な息子と一緒に取り組んでみたこと
大人になったときに、リコーダーがうまく吹けなくても問題はないのですが、小学生の今は学芸会などで吹く機会もあると思います。
少しでも苦手を克服してほしい!
短い曲でも吹けたら楽しいことを感じてほしい!
と思い、家でいろいろ取り組んでみました。
そのなかで効果があった方法をご紹介したいと思います。
◆①お母さんも一緒に吹いてみましょう
誰かに「練習してごらん」と言われても、自分に苦手意識があるものだと、「やってみよう」という気持ちなることは難しいと思います。
楽しさを感じてもらうには、誰かと一緒だといいのでは?と考えて、家で私も一緒にリコーダーを練習することにしてみました。
授業と違い家では家族だけしかいません。間違っても変な音が出たとしても大丈夫!
息子には
「○○君のリコーダー見たときに、小学校のときの自分を思い出して、また吹いてみたくなったよ。一緒に吹いてみない?」
と伝えて始めることにしました。
私自身が久しぶりに手にするので、「リコーダーのこと思い出すために、リコーダーのこと教えてくれる動画見てみるね。」と話をすると、息子も興味があったようで、一緒に説明動画をいくつか見ることになりました。
動画では吹き方のコツも丁寧に説明してあるので、息子も発見があったようでしたし、私の復習にもなりました。
◆②補助のグッズを使ってみましょう
息子は不器用さもあり、リコーダーの穴がうまく押さえられていないことがあります。これには、穴が押さえやすくなる補助のシールを貼って対応しました。
初めて使ったときに、今までうまく出なかった低いドがきれいに出て、二人で「すごい!きれいな音が出てる」と喜びました。
嬉しかったようで、息子は「この音どう?」と何回も吹いていました。シールのおかげで吹いてみてもいいかな、という気持ちになれたようでした。
◆③曲選びをしましょう
3年生からリコーダーが始まったので、まず当時の教科書から探してみました。
まずリコーダーで簡単でも1曲吹くことができるようになることを目標にしていたので、短めの曲を選んでみました。
始める前に「この曲一緒に練習してみない?」と息子へ確認。楽譜を読むのに時間がかかる息子のために、音名を書き加えてから練習をスタートです。
最初は1つの音符ずつ吹くところから始め、なれたら小節ごと、最後に通して、という形で少しずつ、本人のやる気がなくならない程度の時間と頻度で(1回5~10分ぐらい、週に1、2回ぐらい)ゆっくりと続けていきました。
同じ音の繰り返しもある短い曲だったので、練習を始めて数回で、初めて通して1曲吹き終えることができました。
二人で「1曲吹けたね!」とハイタッチしました。綺麗に音も出ていたし、一緒に吹くことで連帯感もうまれて、1曲吹けたという成功体験にすることができました。
それからも息子のペースで、違う曲も取り入れながら一緒に練習していき、少しずつできる曲も増えました。
コロナのため、リコーダーを吹く授業自体があまりなかったようですが、5年生になって、リコーダーを使った授業のときには、苦手意識を持たずに吹けたそうです。
リコーダーに苦手を感じているお子さんがいらっしゃる方は、ぜひ親子で挑戦しながら、楽しく練習できたらいいですね。
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執筆者:松尾歩
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)