自閉症キッズの食べ物のこだわりを解消!食事を食べない子どもに効く秘策

自閉症スペクトラムっ子は食べ物へのこだわりがいっぱい。ママが一生懸命作ってもご飯を食べないことにイライラしていませんか?発想の転換でイライラしない食事ができるようになりますよ。
 

【目次】

 
 

1.自閉症スペクトラムっ子がご飯を食べない!

 
 
自閉症スペクトラムっ子にこんなことはありませんか?
 
・うどんの太さや固さが違うと食べない
・おにぎりの海苔がフニャフニャだと食べない
・チャーハンのネギが青いと食べない
 
大人であれば、気にせず(もしくは、気にしたとしても)食べられるものでも、嫌がったり、癇癪やパニックになってしまう。
 
 
ママが一生懸命作ったのに!こんな姿にイライラしていませんか?
 
 
なぜ自閉症スペクトラム(ASD)の子どもには、このような偏食があるのでしょうか。
 
 
 
 
その理由は、感覚過敏こだわりです
 
例えば
 
 
・うどんの太さや固さが違う
「触感が変わって美味しくない」「口の中に違和感を感じる」
 
 
・おにぎりの海苔がフニャフニャ
「手や歯にくっついて気持ち悪い」「歯ざわりが悪い」
 
 
・チャーハンにある青ネギ
「見た目が気持ち悪い」「緑色の存在が何か分からず不安」
 
 
というように、他の人が気にならない感覚も敏感に感じ取りやすいのが感覚過敏です。
 
 
感覚過敏があることで、子どもにとって不快なものはどうしても避けようとする。避けるために、不都合がなかったものや好きなものに執着する、つまりこだわりが強くなるということが起きます。
 
 
こだわりは悪いものではなく、自分自身を落ち着かせるために有効なのです。
 
 
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2.ご飯を食べない息子に、怒りをぶつけた日々

 
 
食べない理由は感覚過敏があることで、嫌な感覚から自分を守るための「こだわり行動」だということが分かったとしても、何を出したら正解か分からないと、お母さんも参ってしまいますよね。
 
 
私も、しばらくは試行錯誤の毎日で、息子が何を食べるか分からないことが凄くストレスでした。
 
 
絶対食べる!という食材がなく、そのときの気分によっても左右されるので、毎食何を出したらいいのか考えることが苦痛でした。
 
 
「これだったら食べるかな?」
 
「これだったらチャレンジできるかな?」
 
「外食で食べていたから、家でも食べるかな?」
 
 
息子が食べることを楽しみにして、一生懸命作っていました。
 
 
 
 
しかし、どれだけ努力をしても報われません。息子は食事のたびに泣き叫び、食べるときが奇跡というくらい、食べないことの方が当たり前になっていました。
 
 
我慢の限界になった私は「美味しくない!」という息子に「じゃあ、自分で作ったら!」と言葉を投げ捨て、残した料理が盛られたままの食器をシンクに投げ捨てて、寝室に逃げこんだこともあります。
 
 
息子が泣き疲れて寝たあと、私は「なんで上手くいかないんだろう」「もっと料理上手だったら…」「怖がらせてゴメンね」とボロボロ泣きながら割れた食器を片づけていました。
 
 
何を食べるか分からないと、作り直したり味の調整をしたりと追加で作業が多くなるので、どうしても自分の食事は後回しになりがちでした。
 
 
食べたいときに食べられない、何度も食卓から離れないといけないことも、私にとってはフラストレーションが溜まる原因でした。
 
 
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3.新ルール「遊びながら食べよう!」

 
 

脳の発達にはワクワクが欠かせません。ヤル気を引き出すには、内発的動機付けと外発的動機付けという2種類があります。

 
 
内発的動機付けは、ワクワクするような「好奇心」など内側から湧き出るヤル気です。
 
 
外発的動機付け「褒める」「ご褒美」など外側からのアプローチによるヤル気です。
 
 
食べない息子は、元々食事に対しての興味が薄いので、ヤル気を引き出す会話が必要だと感じました。
 
 
そこで、息子の「楽しいこと」「面白いこと」って何だろう?私がイライラしないためには、何ができるだろうか?と考え、レストランごっこをすることに決めました。
 
 
 
 
息子は何かになりきることが大好きでした。
 
 
ごっこ遊びは、別人になりきるので、なりきった人の気持ちも相手の気持ちも考えやすくなります。
 
 
息子が食卓の近くにきたら「いらっしゃいませ!お客様は何名様ですか?」と聞き「おひとり様ですね。こちらにどうぞ。」と、椅子を下げて座ってもらう。
 
 
メニューはないので「今日のオススメは〇〇と△△です。どちらにしますか?」と、子どもに選んでもらい、料理を運びます。
 
 
最後に「困ったときには”店員さん!”と呼んでくださいね。」と伝え、私も一緒に食事をしました。
 
 
私が店員になりきると、自然と息子はお客様になりきります。「ポテトはありますか?」「ジュースは何がありますか?」息子の目はキラキラ輝いていました。
 
 
私は息子をお客様として接し、息子は私を母親として接するのではなく、店員として接するので、異空間の食事時間になりました。
 
 

4.非常識な食べ方で、イライラを手放せます

 
 
遊びのように食事をしていると、私も息子もギスギスした食事時間から、食事を楽しめるようになったことに気が付きました。
 
 

◆イライラしなくなった

 
 
私のイライラの原因は、いつ息子に呼ばれるか分からないこと、自分のことを後回しにして、いつでも息子の相手をしないといけないということでした。
 
 
呼ばれたら店員さんになりきる!と決めたことで「呼ばれることがある」「断っても大丈夫」という心構えができ、嫌な気持ちなく息子と接することができるようになりました。
 
 
また、息子は空腹なのに希望のものが出てこなかった!となると怒りがちでしたが、レストランにいるように自分が選ぶようにしたところ、最後まで落ち着いて食事ができました。
 
 
 
 

◆怒らずに待てた

 
 
息子の要望を、いつでもすぐに叶えられるわけではありません。
 
 
待つ時間が長いと「まだ?」「遅い!早くして!」「いつまで待たせるの!」などと状況をお構いなしに、文句を言ってばかりいましたが、私を急かすことなく待つことができていました。
 
 
我が家では、普段の食事から息子が何かを選択する場面がありますが、普段とレストランごっこをしての食事との違いは、シチュエーションです。
 
 
行事やイベントでの家族との食事は、子どもが食事を楽しいと思う理由の1つです。(論文「家庭の食事時間の楽しさが児童・生徒の自尊感情に及ぼす影響」)
 
 
「いつもと違う」ということが、息子には楽しい食事になりました。
 
 
何かになりきるのは毎日は大変かもしれませんが、息抜きにしてみると案外楽しいですよ。
 
 
食事の誘い方も楽しくできます▼
 
 
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執筆者:渡辺 ひろみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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