迷ったときはいつも「お母さん、決めて」と意見を求めてくる子。いつまでも自分で決められなくて大丈夫?と心配になりませんか?自分で決めて自分で行動できるようになるために、まずはお母さんのコミュニケーションを変えることから始めましょう。
【目次】
1.自分で決められずにいつも不安そう、自立できるの?
2.困った時はいつも「お母さん、決めて~」
3.脳の意志決定のエリアをトレーニングしよう
4.子どもに自分で決める力がつくお母さんの対応
1.自分で決められずに不安そう、自立できるの?
お子さんが困ったことがあった時などに、自分で決められないからお母さんの言った通りにしようとすることはないでしょうか?
発達凸凹のあるお子さんは特性の影響で、集団生活でうまくいかないことがあったり、誤解をされて自信をなくしていたりすることが多いです。
その影響で、自分で自分の行動を決めることに自信が持てないのです。
お母さんとしては心配だし、お子さんが嫌な思いをしないように「こうしてみたら?」とアドバイスしたくなりますよね。
ですが、そのアドバイス、子どもの成長にストップをかける対応です。
なぜストップさせてしまうのか、どうしたら自信をつけて自分で決められるようになるのかご説明しますね。
2.困った時はいつも「お母さん、決めて~」
わたしの子どもは小学校6年生。5年生の時に不登校期間がありました。
不安が強く自信がないため、お友達関係がうまくいかない時もあり、「集団が苦手」と言っています。
空気を読まずに発言して場をシーンとさせたり、言いたいことが言えずに周囲に合わせることでストレスをためやすかったりするタイプです。
「私の推しの話は誰も聞いてくれない。だったら話さない方がいいよね?」
「学校に行く時は休み時間から行った方がいいのかな?」
こんな風に質問を繰り返して母である私に行動を決めてもらおうとするのです。
こんな時、以前の私は娘が確実に行動できるように具体的なアドバイスをしていました。
小1の時、男の子と友達トラブルの時があった時は、
「そういうことを言うのはかっこよくないって言ってみれば?」
「もう相手にしないほうがいいよ」
などです。
まだ1年生だったのもあり、自分でトラブルを回避できないだろうし、娘が困っているからラクにしてあげたい、という思いでした。
ですが、この私の対応は娘の自分で決める力を奪っていたのでした。
娘は私のアドバイス通りに動くようになり、困ったらお母さんの指示を聞けばいいと自分で考えることをしなくなっていったのです。
3.脳の意志決定のエリアをトレーニング
脳には自分で「こうしたい」と意思決定したり、質問されたことに「YES」「NO」と答えを出す意思を決めたりするエリアがあります。
頭の前側の部分「前頭葉」と言い、脳の中でも高度な役割をしています。
いわば司令塔です。
目や耳から入ってきた情報に対して整理をすることが役割なのですが、いつまでも自分で決められず、お母さんの指示通りに動いているのでは、この意思決定のエリアが鍛えられません。
お休み状態のこのエリアを活動させていきましょう。
ここは大人になってからも成長するエリアです。お子さんのまだ柔軟な脳なら伸びしろ沢山です!
先回りして子どもにアドバイスしていたお母さんも対応を変えれば、お子さんに自分で決める力を付けさせることができます。
では具体的にどんな対応に変えるのか、お伝えします。
4.子どもに自分で決める力がつくお母さんの対応
まず、お母さんは口数を減らす!これです。
良かれと思ってお子さんに具体的なアドバイスをしてしまうお母さんは、お子さんよりも話をしている時間が長いです。
話している時間は、お子さん「7」に対して、お母さんが「3」くらいに意識しましょう。
まずはお母さんが話す時間を減らし、お子さんが「どう思っているのか」「どうしたいのか」の気持ちを言葉にさせてあげましょう。
お母さんは自分の意見は言わず、質問をし続けます。
「〇〇ちゃんは、そう言われてどう思ったの?」
「これから、お友達とはどうしたい?」
「じゃあ、お友達にはなんて言ったらいいかなぁ?」
こんな風にお子さんの気持ちを引き出すアナウンサーになります。
お子さんは話しながら、自分はどうしたいのか自分の気持ちに向き合い、これからどう行動するといいのか考えて、意思決定できるようになります。
こうして自分で決める練習を積むことで、自分で決められたという自信をつけていくのです。
自分で決めたことを実行して、うまくいくこともいかないこともあるでしょう。
それでも大事なことは、自分で決めたということです。
うまくいかなかったら「じゃあどうしよう」と次につながるトレーニングを続ければいい、お母さんは質問をしつづければいいのです。
いかがでしたでしょうか?
お母さんの質問力も腕の見せ所ですよ。
きっとそのうち「こんなことがあったけど、こうしたらうまくいったんだ」とエピソードが聞けるようになるはずです。
不安が強い小学生女子の将来が心配になったら対応を学びましょう
執筆者:北川明希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)