小学校高学年から女の子はグループ行動が増えてきます。 お友達関係が複雑化して、発達障害の思春期の女の子は友達トラブルを抱えることが多くなります。なんだか様子が変だな、と思った時の親子の会話についてヒントになればと思います。
【目次】
1.発達障害グレーゾーンの女の子はグループで浮いてしまいやすい
2.コミュニケーションが苦手な娘
3.なんでコミュニケーションが苦手になるの?
4.母と娘のコミュ力UPレッスン
1.発達障害グレーゾーンの女の子はグループで浮いてしまいやすい
女の子って小学校の高学年くらいから友達関係で悩むことが増えてきます。
自分のことだけしか考えていなかった低学年から成長して、自分も含めた人間関係を広い範囲で見れるようになってくるのです。
つまり、物事を冷静に判断できるようになるわけですが、同時に自分と周りを比較して評価するようにもなります。
さらに、女子は言葉の発達が早いので、言葉のいじめが広がりやすいのです。
「話しかけないで」
「いつも変なことばかりするよね」
「(服が)ダッサ~い」
「あの子の秘密知ってる?」
「本当に笑える」
こんなことをヒソヒソ言われたりしたら傷つきますよね。
では、発達に特性のある子で女の子だった場合、どんな困り事がどういう原因で発生するのかみていきましょう。
2.コミュニケーションが苦手な娘
発達障害グレーゾーンの子どもは、なぜ友達トラブルに巻き込まれやすいのでしょうか。
それは、コミュニケーションが苦手な特性を持った子が多いからです。
具体的には、相手の立場にたって発言したり、行動したりすることが難しいのです。
そのため、「なんでそんなことするの?」とか「変な子」と思われてしまうことがあります。
ここで私の娘のことをお話しますね。
私の娘は小学校6年生。
5年生の時に友達トラブルがきっかけで不登校になりました。
娘は、行動や思考のパターンに自閉症の傾向があります。
娘も友達とのコミュニケーションでうまくいかないことが度々ありました。
いわゆる空気が読めない発言をしてしまうようで、その場がシーンとしてしまうことや、遊びの約束をして待ち合わせをしても、自分の気持ち優先で勝手に帰ってきてしまったことがあります。
これでは、お友達も嫌な思いになりますよね。
こんなことが度々あり、私もこのままでは何かトラブルが起こりそう、と心配はしていました。
ですが、学校の友達のことにまで親が介入するわけにもいかず、ヤキモキしていただけでした。
そして5年生の時にはいじられキャラになって、一方的に友達に傷つくことを言われ続けました。
その結果、娘は心が折れてしまい、学校へいかなくなったのです。
3.なんでコミュニケーションが苦手になるの?
では、発達の特性って一体何なのでしょう?
それって実は、脳の未熟な部分があることが原因なんです。
そのために、コミュニケーションがうまく取れないことが出てきます。
つまり、本人の努力不足だったり、配慮がないということではないので、本人には治しようがないのです。
だから、お友達から、からかいやいじめの対象になっても、なぜ自分がそうしてしまうのか本人にはわからなくて苦しいのです。
とても切なくなりますよね。
でも大丈夫です。
脳の未熟な部分は他に伸びるところを発達させていけば、困り事は目立たなくなります。
そしてそれは、特別な療育に通ったり、病院でカウンセリングを受けたりしなくても、お家でお母さんのコミュニケーションを変えるだけで、可能になるのです。
4.母と娘のコミュ力UPレッスン
では、実際にどうやったらお家でのコミュニケーションが脳の発達に効くのでしょうか?
それは、発達に特性がある子のコミュニケーション力は、集団で伸ばすのではなく、まずは1対1の関係から育てます。
そうです、お家でお母さんとの1対1のことです。
まずはお母さんとの信頼関係をしっかり築き、自信をつけます。
会話のキャッチボールができるようになり、相手の気持ちを考えた行動や発言ができるようになるのは、その次のステップになります。
具体的にどんな風に実践するかはこうです。
◆①脳に記憶されるような褒め言葉を使う
思春期ともなると、「すごいね!」「できたね!」など具体的に褒めても素直に受け取ってくれなくなります。
そんな時はこんな褒め方がおススメです。
見たままの行動を実況中継します。
「ゲームやってるんだね」
「お風呂入ったんだね~」
「起きてきたんだね~」
このテクニックは何も考えず、子どもの感情も気にせず、ただ見たままを言えばいいので対応が難しい思春期女子でも簡単に褒められます。
ゲームやYouTubeをダラダラとやっていても、行動をそのまま褒める、ということを意識してください。
いつもなら「いつまでゲームやってんの!」と怒りたくなることも「見たまま、見たまま」と意識することで、感情を抑えることができますよ。
◆②女子特有の対応!「共感」で娘さんの心をつかむ
また女子は「共感」を重視したコミュニケーションを好みます。
だから、お母さんも共感を意識した言葉を使って、声掛けをしてみてください。
具体的には
・娘さんが嬉しい気持ちのとき 「いいね」「わかる~!」
・娘さんが悲しい気持ちのとき 「大丈夫?」「つらかったね」「大変だったね」
このような一言が娘さんにはズキュンときます。
この記事を読んでくださっているお母さんも、女性ならこのような言葉にキュンときませんか?
「わたしもそれ好き」
「いいよね~」
「わたしと一緒だわ」
「似てるよね、わたしたち」
そうです、女子は「わたしと一緒」「わたしの気持ち、わかってくれる」に大きく信頼を寄せるのです。
このような女子特有の肯定のテクをうまく使って、娘さんとの信頼関係を高めてください。
自信がついた娘さんの脳は発達して、やがて集団でもなじんでやっていけるようになります。
一生もののコミュニケーション力は「お母さんが」「おうちで」授けられるんですよ!
思春期や反抗期でも脳を伸ばせば怖くない!子育ての実話だから参考になる!
執筆者:北川明希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)