発達障害・グレーゾーンの思春期のお子さんが学校や病院から知能検査を進められても、行きたくない!と拒否をすることはあると思います。それだけ自立してきて状況がわかっているんですよね。このような時にお母さんがどう対応するとよいかをお話します。
【目次】
1.発達障害の思春期の子どもが知能検査を拒否する
2.お子さんが検査を嫌がる原因
3.私の娘も検査を受けました
4.テストを受けるかどうかの考え方
1.発達障害の思春期の子どもが知能検査を拒否する
発達障害グレーゾーンの子どもが病院や学校から知能検査を受けるように言われているのに、
・検査を拒否している
・不安定さが増している
などの様子が見られたら、どうしたらよいのかわからなくなりますよね。
子どもが思春期にもなると、ネットで発達障害の情報を見ていて、子どもの方が過度に不安になっていることもあります。
検査で自分に障害名(病気名)が付くかもしれない、と思うと怖くなるのは当然です。
そんな時にお母さんも不安になり過ぎないように、どう対応するかの軸をもっておくことは大切です。
2.お子さんが知能検査を嫌がる原因
発達障害グレーゾーンの子どもは、集団生活で周りとうまくなじめなかったり、自分だけ劣っているように思っていたり、自信をなくしています。
「自分は周りとは違うのではないか」
そう思い続けてきています。
具体的には、勉強についていけない、友達関係がうまくいかないなどの困り事があるのですが、それは脳に未熟な部分があるのが原因です。
自分で努力しても克服するのは難しいことです。
ですので、お子さんは自信を失っていき、学校生活での困り事や登校しぶり、不登校に繋がっていくのです。
そんな時に「検査を受けに行くよ」と言っても、不安が増すばかりなんですよね。
3.私の娘も知能検査を受けました
小学校5年生の時に不登校になった娘は、不登校になった2ヶ月後にWISC-Ⅴの検査を受けました。
担任の先生に
「授業についていけていますか?」
「授業中の様子はどうですか?」
と質問したところ、
「教科によっては、みんなよりもゆっくりなペースで勉強した方がいいのかなと思うことがあります」
とお返事をいただいたので、検査を受けることで具体的なサポート法がわかると思ったからです。
WISCの検査では、4つの項目「言語理解」「知覚推理」「作業記憶(ワーキングメモリ)」「処理速度」の各IQを出します。
さらに4つの項目のIQの平均値が出ます。
この検査の目的は、得意なことはなにか、苦手があるならどの位の苦手さがあるか、を知ることです。
ここで、世間一般的には「苦手がどこか」に注目しがちですが、より注目するのは「得意なことはなにか」です。
苦手な度合いが大きければ、、具体的なサポート方法を考えられるので子どもが「困ったな、わからないな」と思う場面が減っていきます。
こんな風に前向きなテストなのです。
娘の場合は、視覚から入る情報よりも聴覚から入る情報を受け取る方が得意でした。
英語の教室に通っていますが、リスニングの成績が群を抜いて高いのです。
「だからなんだね~」
と伝えています。
こんな風に子どもと前向きな話ができるようにもなります。
【期間限定 10月末まで】
繊細ちゃんに折れない心が育つ!
正しい甘やかし方がわかります
↓↓↓
正しい甘やかし方がわかります
↓↓↓
4.知能検査を受けるかどうかの考え方
では、知能検査を子どもに受けさせるかどうか、子どもの様子も含めてどう判断すればいいのでしょうか?
◆ 子どもの意志が最優先です
まず、子どもが自分の意志で「受ける」と言うかどうかです。
嫌がっているのに無理やり受けさせるとメンタルに影響します。
それは検査にも影響が出ます。
無理に連れていくことで親子関係にヒビが入ってしまうのなら、3ヶ月ほどかけてお子さんの自信をつける声掛けを続けてみましょう。
◆自信をつける褒め言葉を使いましょう
自分に自信をなくしているお子さんが多いので、自信をつけることが先です。
お母さんがお家で自信をつける、脳に記憶される褒め言葉を使いましょう。
思春期のお子さんには、「できたね!」「すごいね!」なんて褒め言葉は、わざとらしいと思われることもあります
そんな時に効くのは、実況中継!
お子さんの見たままの行動を言葉にしてみてください。
「起きてきたんだね」
「顔、洗ったんだね」
「着替えたんだね」
思春期の子どもとは、どんどん会話が減ってくることってあると思います。
ですので、お母さんからかけるコミュニケーションは実況中継で褒めがオススメです。
◆検査について伝えること
お子さんに自信がついてきたな、と思ったら検査を受けることを聞いてみてください。
その時は、こんな点を伝えてあげてください。
・得意なことがわかる検査であること
・苦手なことがあったら具体的にサポートが考えられること
・正解はないので自分の思った通りに答えていい
・わからないと思ったら「わからない」と言っていい
そして、脳は得意なことや好きなことをしている時によく発達します。
お子さんの好きなこと、得意なことと、この検査結果が結びつくのであれば、もっときわめていくこともできます。
さらに、「こんなことが得意みたいだよ。だったら、こういうことやってみる?」と新たな挑戦を提案することができます。
もしかしたら、将来の仕事に繋がるかもしれませんね。
そう考えたらワクワクしませんか?
お子さんの将来に繋がる検査だと思って、まずはお母さんが怖がらずに前向きに捉えられるようになれば、お子さんにも伝わるはずですよ。
思春期や反抗期でも脳を伸ばせば怖くない!子育ての実話だから参考になる!
執筆者:北川明希子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)