発達障害があり、季節感のない服装をしてしまうお子さんはいませんか?こだわりも大切にしてあげつつ、気温や季節など、何を基準に服を選べば良いのか、小学生のうちから少しずつ身につけていくためのヒントをお伝えします! |
【目次】
1.季節感のない服装が気になることはありませんか?
2.なぜ発達障害の子どもは適切な洋服選びが難しいのでしょうか?
◆①気温差を感知して服装を変えることが苦手
◆②自立神経の発達が未熟
◆③気温や季節よりも、こだわりやいつもと同じ安心感を優先してしまう
3.一定のルールを数字で見える化!気温に合った服装を自分で選べるように
4.将来に向けて、活用できる情報とは?
1.季節感のない服装が気になることはありませんか?
発達障害・自閉症スペクトラムのお子さんの洋服選び、お母さんはどんなふうに関わっているでしょうか。
真冬はあったかい洋服、真夏はTシャツ、そんなふうに洋服選びが単純な季節はいいけれど、気温が変動する季節の変わり目にはチクハグな洋服を選んでしまうことってありませんか?
小学生にもなると、自分の服装は自分で選ぶと思います。
子どもが着た後で「それは今日の気温には合っていないから、やめた方がいいよ。」と否定的な言葉をかけても、子どもは素直に「そうだね、着替えるね!」なんてなかなか言ってくれませんよね。
自分はなんとなくやれているから子どももなんとなく経験の中で覚えていくだろうと思うかもしれません。
しかし気温の感覚と服装選びが結びつかないと、いつまでも「なんかおかしい?」を抜け出せなくなってしまいます。
季節感のない服装の子どもにいつも口うるさくなってしまう気がする、と感じている今がチャンスです!うまくいかない理由と対策を知り、今後に生かしてみませんか?
2.なぜ発達障害の子どもは適切な洋服選びが難しいのでしょうか?
◆①気温差を感知して服装を変えることが苦手
普段、私たちはなんとなくの肌感覚や季節感、周りの人の服装、テレビなどの情報などからその日に着る洋服の生地の厚さや上着などの調整をしていると思います。
見えない情報を察知して理解する力が弱い自閉症スペクトラムの特性を持つ子どもは、このなんとなく…が苦手です。
◆②自律神経の発達が未熟
自閉症スペクトラムの子どもには、自律神経の発達が未熟な場合があります。自律神経には体温調節の働きがあり、常に体温が一定になるようにコントロールされています。
それがうまく機能していないと気温が高いと体温が上がりやすかったり、気温が低いと低くなってしまったりすることがあります。
そんな状況があるようでしたら、体を冷やす、衣服で保温などの環境調整が必要かもしれません。
◆③気温や季節よりも、こだわりやいつもと同じ安心感を優先してしまう
感覚過敏があり、服の素材やフィット感の方の優先順位が高い場合もあります。また、いつもと同じという安心感が強い場合もあります。
ストレスが強いとさらに過敏になることもあり、その感覚は優先してあげたいところです。
3.一定のルールを数字で見える化!季節に合った服装を自分で選べるように
まず、①と②の理由が強いと感じる子どもへの支援をお伝えしたいと思います。
自閉症スペクトラムの子どもは、なんとなく察知することが苦手だけれど、一定のルールには強く、律儀に守ろうとする真面目さも持ち合わせています。
そんな特性を活かすには、気温と服装選びにおける一定のルールを分かりやすい数字とともに見える化してみるのがオススメです!
実は、気温別の服装の目安というものがあります。
26℃以上――夏の服装、半袖のシャツ
23〜25℃――長袖だと若干暑さを感じる
20〜23℃――半袖、長袖どちらでも良い
15〜20℃――秋の服装、半袖か長袖の上にカーディガンやパーカーなどの羽織るもの
12〜15℃――冬の服装、セーターや重ね着
7〜11℃――冬物コート
6℃以下――冬物コートに加えてマフラーや手袋が必要
23〜25℃――長袖だと若干暑さを感じる
20〜23℃――半袖、長袖どちらでも良い
15〜20℃――秋の服装、半袖か長袖の上にカーディガンやパーカーなどの羽織るもの
12〜15℃――冬の服装、セーターや重ね着
7〜11℃――冬物コート
6℃以下――冬物コートに加えてマフラーや手袋が必要
その日の天気予報の最高気温と照らし合わせて考えます。晴れや雨でも違いがありますが、大体の目安にはなると思います。
これを参考に、気温と服装のイラストを一覧表にしたら子どもにもわかりやすいですね。
朝の天気予報を見ながら、「今日はこれがいいかな」、と一緒に会話する時間が作れると、親子のコミュニケーションにもなります!
こういうコミュニケーションがとっても大事です。
自分の困り感に一緒に考えてくれる、寄り添ってくれる、とお子さんが感じられることは安心感にもつながります。
また、上下の服の組み合わせのチグハグの困り感は、あらかじめ上下をセットしてしまっておく、どんな組み合わせでもなんとかなるシンプルな洋服ばかりを揃えておく、などの工夫で乗り越えられますよ。
4.将来に向けて、活用できる情報とは?
今はお母さんと一緒に考えたり、自分でテレビの天気予報を見て選んだりする成功体験の積み重ねが大切です。
やっていく中で、どうしても難しい、面倒になってしまう、忙しい中で気にかけていられない、そんなときは便利な情報サイトを参考にするのも賢い選択です。
日本気象協会で提供している服装指数が参考になります。服装指数とは、0〜100の数字を使い予想気温に合った服装を参考にできるというものです。
今日は何を着たらいいだろうという時にチェックすると、全国各地それぞれの指数がわかるので、旅行のときなどにも便利です。
今は活用できる情報がたくさんあります。
子どもの能力不足を補う方法として能力を高める選択もありますが、このように今の能力でできるように環境調整やツールを活用することも大事です。
お子さんの状況に合いそうな方法があれば、ぜひ試してみてくださいね!
子どものライフスキルトレーニングについてはこちらもチェックしてくださいね!
▼▼学校で安心して過ごせる為にママができることが分かります!▼▼
執筆者:川本みかん
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)