ADHD中学生の思春期のイライラの原因のひとつはセロトニン不足。セロトニンを増やして思春期の不安やストレスを落ち着かせることができます。この記事では、親がセロトニンを増やす関わりをすることで思春期のイライラを落ち着かせる方法をご紹介します。
【目次】
1.ADHD攻撃的な中学生はいつもイライラしがち!
2.ADHD中学生は不安になりやすい
①環境の変化による対応の苦手さ
②感情表現の苦手さ
3.セロトニンがADHDっ子の不安を和らげる理由
4.セロトニン効果で攻撃的な態度を和らげる親の対処法
①穏やかなコミュニケーション
②食事や運動のサポート
1.ADHD攻撃的な中学生はいつもイライラしがち!
注意欠陥多動性障害(ADHD)思春期男子は何かとイライラして暴言を吐く事も多くなりますよね。
こんなADHD思春期の子どもの攻撃的な態度は、親がセロトニンを増やす関わりをすることで攻撃的な行動を減らすことができます。
思春期の子どもがイライラする原因は、心身ともに成長の時期となり心と身体のバランスが崩れやすくなるためです。
そのため理由もなくイライラすることも多くなります。
また小学生から中学生になることで環境の変化や人間関係の変化からストレスを感じるようになり、「中1ギャップ」と呼ばれる心身の問題を抱えます。
その結果、メンタルが不安定になることも多くなります。
このような理由から思春期の子どもはメンタル的に常に不安定な状況になりやすいのです。
我が家のADHD傾向の中学生の息子には、中学生になった頃から高校を見据えて「家庭教師をつけた方がいい、部活は入った方がいい」と私がアレコレやることに指示出しをしていました。
最初は文句を言いながらも家庭教師の先生と勉強したり宿題をしていました。部活にも入り休むこともありながらも何とか頑張っている様子でした。
しかし次第に宿題もしなくなり、部活にも行かなくなってしまいました。
そんな状況を見た私は子どもを叱りつけ強引に宿題をやらせたり、部活に行かせようとしました。
しかし息子は無視するようになり、ついには「うるさい!ババァ黙っとけ」と暴言を吐き攻撃的な態度をとるようになってしまいました。
そしてついには何を話しかけても、イライラした口調で逆ギレされ常に攻撃的な態度をとるようになりました。
そんな息子を見て、私はどう対応すればいいのかわからなくなってしまいました。
こんなADHD攻撃的な息子でしたが、不安やストレスを和らげる対応をしたことで息子と散歩に行けるまで親子関係が良くなりました。
この記事では、攻撃的な息子と会話や散歩が楽しめるようになった方法をお伝えします。
2.ADHD中学生は不安になりやすい
なぜADHD中学生は不安になりやすいのでしょうか?
それは、環境の変化による対応の苦手さと感情表現の苦手さといったADHDの特性があるためです。
ADHDの特性である「環境の変化による対応の苦手さ」と「感情表現の苦手さ」があると、どうして不安になり攻撃的な態度をとりやすいかもう少し詳しく説明しますね。
◆①環境の変化による対応の苦手さ
ADHDの脳の特性として、計画を立てたり優先順位を決めて行動するという機能が未発達な場合があります。
小学校から中学校という新しい環境に変わった場合、新しい環境にあった行動を予測し柔軟に対応しなければなりません。
しかしADHDの子は、その機能が未発達なことにより環境の変化になかなか順応できず、柔軟に環境にあった行動をとることが難しくなります。
その結果、勉強への不安さや学校に馴染むことの難しさを感じ不安な気持ちを持ちやすくなります。
◆②感情表現の苦手さ
ADHDのもうひとつの脳の特性として、相手の気持ちや自分の気持ちを感じ言葉で表現するという機能が未熟なことがあります。
新しい環境の中で相手の気持ちを読み取れなかったり、自分の気持ちをうまく表現できないことで友達関係をうまく築くことができず不安を抱えてしまう、という事になってしまいます。
また周りはそれほど気にしていないことも「自分は嫌われてるんじゃないか」と本人が勘違いしていることで、新しい友達関係を築くことが出来ず不安を抱えてしまうということがあります。
このように思春期の子どもがイライラする原因は、心身ともに成長の時期となり心と身体のバランスが崩れやすくなるためです。
そのため理由もなくイライラすることも多くなります。
心身ともに不安定な状況にも関わらず、親があれこれ口出しすると子どもの気持ちはさらに不安定となり、イライラや攻撃的な態度として出てしまいがちです。
3.セロトニンとADHD攻撃性との関係安を和らげる理由
では、その不安やイライラを和らげるにはどうすればいいでしょうか?
ADHD中学生の攻撃的な態度を和らげるには、セロトニンが効果的です。
その理由は、セロトニンが精神面に重要な影響を与える神経伝達物質のひとつで不安やイライラが多くなってもセロトニンがたくさんあることでそれを抑える働きをしてくれるからです。
もともとADHDの子どもはこのセロトニンの分泌や働きが低い傾向にあるため、イライラしたり不安が強くなりがちで攻撃的になりやすいのです。
不安な状態が長く続くと、『自分の気持ちをわかってもらえない=わかって欲しい』という思考が強まります。
その結果、攻撃的な態度をとることで相手の注意を引こうとする行動が習慣化する場合があります。
これは脳の扁桃体(恐怖や不安を感じる部分)が過剰に働くことで起こりやすく、感情を上手くコントロールする力が弱くなり感情的な行動や言葉を吐いてしまいます。
このように扁桃体の過剰な働きを抑えるセロトニンをより多くすることで、ADHDっ子の不安やイライラを落ち着かせることができます。
またセロトニンは、冷静な判断を行う前頭前野の働きをサポートする役割もあるため暴走した感情を抑制するためにも重要な役割をもっています。
つまりセロトニンがより多くあることでADHDっ子の攻撃性や不安が和らぎ、暴れていた感情を落ち着かせることができるのです。
だからこそ親はセロトニンを増やすような対応をすることが大切になります。
次ではそのセロトニンを増やす具体的な親の対処法についてご紹介します。
4.セロトニンを増やして攻撃的な態度を和らげる親の対処法
セロトニンを増やすために親ができることは、穏やかなコミュニケーションと食事や運動のサポートの2つです。
ここでは、実際に息子の不安やイライラを和らげるのに効果的だった方法を具体的にご紹介しますね。
◆①穏やかなコミュニケーション
穏やかなコミュニケーションは、声のトーンや態度、共感することで可能になります。
セロトニンは実は会話をするだけでも増えることがわかっています。
例えば、子どもとケンカになった時にイライラ口調で「なに?」と強い口調で言わず「どうしてこうなったの?」と冷静にありのままの状況を聞きます。
そして「そっかぁ。それは大変だったね」と共感し落ち着いたトーンで話すことで脳がリラックスしセロトニンの分泌を助けてくれます。
また思春期でなかなか会話ができなくても、「おはよう!」「おかえり」「お風呂入ったね」と明るく声をかけ続けることでもセロトニンの分泌を助けてくれます。
子どもからの返事がなくてもOK。
親自身が常に明るく接することで、子どもも安心することができますし、何より穏やかな会話からセロトニンが増やすことができます!
◆②食事や運動のサポート
食事面ではセロトニンを作るために必要なトリプトファンを含む食事をし、運動面では太陽を浴びて適度な運動をすることがセロトニンを増やのに効果的です。
セロトニンを作るために必要なトリプトファンと呼ばれる成分は体内で作られる物質ではないため食事から摂る必要があります。
トリプトファンが多く含まれる白米、乳製品、魚介類、肉類、バナナなどを積極的にとる事でセロトニンが作られやすくなります。
また朝起きてすぐに朝日を浴びたり、散歩やウォーキングなど一定の運動をすることでもセロトニンを活性化させることができます。
そのため親は朝食をトリプトファンを多く含むメニューにしたり、朝の散歩やウォーキングに一緒に出掛けるなどして積極的にセロトニンを分泌させるようにサポートをしていくことが大切です。
我が家の息子の場合は、私の息子への口出しが息子の不安を強め、その結果セロトニンの分泌を妨げてしまっていると気付きました。
そこから息子への余計な口出しやめ、息子が怒っている時も「怒っている理由は何かな?」の視点で聞くことで、自分自身も怒ることはなくなり息子の怒りも早く落ち着いていくようになりました。
また食事についてもトリプトファンを多く含むバナナやヨーグルトを朝食やおやつとして積極的に出すように心掛けました。
息子の気分が乗れば、たまにお散歩を兼ねてパンやジュースを買いに行き太陽の光を浴びる機会を増やし軽い運動も取り入れるようにしました。
これを続けていくことで息子は、今まで怒りがおさまらず暴走していた感情を少しずつ早く落ち着かせることができるようになりました。
ADHD攻撃的な中学生であっても、セロトニンをより多く分泌できる関わりをすることで子どもの攻撃的な態度は必ず落ち着きます。
皆さんもぜひセロトニンを増やす関わりをして、親子ともに幸せホルモンいっぱいの毎日を過ごしてくださいね!
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♡小冊子のご感想
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執筆者:平野可奈子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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