お友達に抱きつく発達障害・ADHDっ子の友達トラブルを防ぐママの対応

お友達に抱きつく発達障害・ADHDの子どもに困っていませんか?一方的で空気が読めない行動が目立ち、お子さんの友達トラブルに繋がることも。このような行動は脳の発達に関係があります。ここでは、友達トラブルを防ぐママの対応をお伝えします!

 

【目次】

 

1.お友達に抱きつく発達障害・ADHDの息子に悩んでました

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもはコミュニケーションが苦手な傾向があります。
 
 
・思ったことをすぐに口に出す
 
・会話が一方的
 
・場違いな行動を取る
 
・嫌がっているお友達に抱きつく
 
 
こんな風に、子どもの一方的で気が読めない様子に悩んでいませんか?
 
 
空気が読めないとお友達トラブルが頻発したり、1人浮いてしまったり…お母さんとしては「なんとかしないと!」と焦ってしまいますよね。
 
 
我が家の息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ、発達障害グレーゾーンの小学3年生です。
 
 
実は幼稚園の頃、
 
 
・お友達にすぐに抱きつく
 
・ゲーム中にルールを無視して台無しにしてしまう
 
 
など一方的で空気が読めない行動が多いことに悩んでいました。
 
 
そこで当時の私が取った行動は「とにかくルールを教えること」
 
 
私がお友達役になり
 
 
「朝会ったらまずは『おはよう』だね」
 
「抱きつくんじゃなくて、『大好きだよ』って言葉で伝えようね」
 
 
とロープレをしたり、
 
 
「ゲームが台無しになったらみんな悲しいよね?だから決まりを守ってやろうね」
 
 
などと息子に正解を叩き込んだり、人の気持ちを理解させたりすることに力を入れていました。
 
 
ところが、どれだけルールを伝えても息子のコミュニケーション能力は上がらず、私はイライラするばかり…
 
 
 
 
実は発達障害の一方的な行動や空気の読めなさには、お母さんのしつけや育て方が原因ではなく、脳の特性が大きく影響しています。
 
 
ルールを教えてもうまくいかなかったのは、私の対応法が息子の脳の特性に合っていなかったからだったんです。
 
 
一方的で空気が読めない行動が多いと、周りからは「自分勝手」「怠けている」など誤解されがち。
 
 
また「相手と仲良くなりたい!」と言う気持ちから、すぐに抱きついてしまう子もいますが、他人に必要以上に接触することは、幼児期は許されても年齢が上がると不快に思われてしまうことが増えますよね。
 
 
子どもが
 
 
「友達ともっと仲良くなりたい!」
 
「いろんな人とコミュニケーションを取りたい!」
 
 
と思えるのは素敵なこと。
 
 
しかしながら、発達障害の子どもはちょっかい行動へと発展したり距離感を縮めすぎて、相手に嫌な思いをさせてしまうこともあります。
 
 
本人には悪気がなくても周りから叱られ続けることで自信をなくし、人とコミュニケーションを取ることを避けるようになったり、不登校や引きこもりなどの二次障害を起こす…
 
 
これはとてももったいないですよね。
 
 
ですから、年齢に合わせてお家で適切なコミュニケーションの取り方を習得させてあげる必要があるんです。
 
 
そこで今回は、お友達に抱きつく発達障害・ADHDの息子に効果のあった友達トラブルを防ぐ親子のコミュニケーション術をお伝えします。
 
 
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2.一方的な行動をしてしまう理由

 
 
発達障害の子どもの一方的な行動や空気が読めない行動をしてしまうのには、様々な脳の特性が関係しています。ここでは1つずつお話ししていきます。
 
 

◆コミュニケーションが苦手

 
 
1つ目はコミュニケーションの苦手さです。発達障害の子どもは
 
 
・目に見えないものを想像したりすることが苦手
 
・抽象的な表現を理解することができない
 
 
と言う特性を持つタイプが多く、特に自閉症スペクトラム(ASD)によく見られます。
 
 
コミュニケーションが苦手なタイプのつまずきポイントはズバリ、「どうすればいいのか本人が分かっていない」ことです。
 
 
例えば、
 
 
・思ったことを口に出してしまう
→「こういうことを言うと相手は嫌な気持ちになる」と言うことが分かっていない
 
 
・一方的に話してしまう
→自分が話していい状況かどうかの判断ができない
 
 
・お友達が嫌がっているのに抱きつく
→相手の表情から気持ちを読み取ることができない/抱きつく以外のコミュニケーション方法が分からない
 
 
と言うメカニズムで「空気が読めない」ように見えてしまうのです。
 
 
コミュニケーションが苦手なタイプの場合は、ソーシャルスキルトレーニングなどを活用して「こう言うときはこうする」とルールを教えることが必要です。
 
 
特に一定のルールを守ることが得意なASDタイプには有効です。
 
 
お友達に抱きついてしまうケースであれば、頭ごなしに「ダメ!」と言うのではなく
 
 
「お友達がびっくりしちゃうよ」と相手や周りの人の気持ちを教える
 
「遊ぼう、って言えばいいんだよ」などと別のコミュニケーション手段を習得させる
 
 
と言う方法があります。
 
 
 
 

◆こだわりが強い

 
 
2つ目はこだわりが強いことです。
 
 
発達障害の子どもは
 
 
・興味や活動の範囲が狭く、他人に対する関心も薄い
 
・マイルールが多い
 
・状況に合わせて臨機応変に対応できない
 
・同じ行動を何度も繰り返す
 
 
などマイペースに見えることも多いですよね。
 
 
こだわりが強いタイプのつまずきポイントは「自分のペースを最優先してしまう」ことです。
 
 
実はこだわりが強い子どもは、安心を得るために自分のペースを優先しようとしている傾向があります。
 
 
ですから、ルールを教えるだけでは空気の読めなさが改善できない場合があるんです。
 
 

◆衝動性が強い

 
 
3つ目は、ADHDタイプによく見られる、衝動性の強さです。
 
 
実はこのタイプの「空気が読めない」には少し注意が必要です。
 
 
なぜなら状況は理解しているけれど、衝動性が強いために「分かっているのにやめられない」と言う場合がよくあるからです。
 
 
例えば
 
 
・思ったことを口に出してしまう/一方的に話してしまう
→思いついたことを話さずにはいられない
 
 
・お友達が嫌がっているのに抱きつく
→「この人と遊びたい!」と言う衝動を抑えることができない
 
 
と言う様に、「自分の欲求が抑えられない」ことで相手の気持ちを汲み取って行動できなくなっているのです。
 
 
これは先ほどお話しした「こだわりが強い」タイプにも同じようなことが言えます。
 
 
こだわりや衝動性が強いタイプは、「自分でコントロールできない」ことが一方的で、空気が読めない原因になっているのです。
 
 
実は我が家の息子は衝動性が強いADHDタイプです。さらに不注意傾向もあるため忘れっぽい面もあります。
 
 
ですから、どれだけルールを教えたりロープレをしても、なかなか友達トラブルが解消されなかったのです。
 
 
もちろん、ソーシャルスキルを身に付けさせたり、他人の気持ちを想像させることはどんな子どもにも必要なことです。
 
 
しかし、こだわりや衝動性が強いタイプの子どもは、「正解を教える」だけでは足りないのです。
 
 
そこで、お友達に抱きつく発達障害・ADHDの息子の友達トラブルをなくすために私も息子に合わせたコミュニケーションを実践しました。
 
 
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3.発達障害・ADHDっ子の友達トラブルを防ぐママの声かけ

 
 
急に友達に抱きつくことがあった発達障害・ADHDの息子の友達トラブルを防ぐために行った私のコミュにケーション術とは、
 
「周りの状況に合わせて行動できている瞬間を見逃さずに褒める」
 
という声かけです。
 
 
我が家の場合は、幼稚園へお迎えに行ったときに
 
 
「〇〇くんにちゃんとバイバイって言葉で言えたね!」
 
「お友達にぶつからないようにゆっくり階段を降りれたね!」
 
 
家であれば
 
 
「手伝ってくれるんだね!気づいてくれてありがとう!」
 
「お母さんのお話を聞いてくれてありがとう!」
 
 
などと褒めることで「ちゃんと正しく行動できているよ!」と成功体験をどんどん積ませていきました。
 
 
すると息子の家での様子に変化が現れました。
 
 
・「聞きたいことがあるから手が空いたら教えてね」と相手の都合を優先して話しかける
 
・私がネットスーパーの支払いをしている間に、玄関からキッチンへ届いた物を運んでくれる
 
 
など相手の状況を考えたり、人の役に立とうと積極的に行動することが増えたのです。
 
 
さらに集団生活の中でも、遊びたいお友達がいたら抱きつくのではなく、「一緒に遊ぼう」ときちんと声がかけられるようになりました。
 
 
子どもが「自分の欲求のままに行動してしまう」というのは脳の発達が未熟なことが原因です。
 
 
しかし、衝動的な行動やこだわりは、脳が発達すると目立たなくなってくることが多くあります。
 
 
脳の発達に必要なのは行動させること。行動させるためには自信をつけることが必要です。
 
 
また、一方的で空気が読めないADHDやASDの子どもは普段から失敗を繰り返し、自信を失っていることが多くあります。これはコミュニケーションが苦手なタイプの子どもも同じです。
 
 
ですから、すぐに抱きつくなど、一方的で空気が読めない子どもにまずはやってほしいことは、お母さんの声かけで自信をつけてあげることなんです。
 
 
中でも我が子に効果的だったのが「周りの状況に合わせて行動できている瞬間を見逃さずに褒める」ことでした。
 
 
子どもは褒められると自信がつき、やる気を出します。その結果、自分で考えてどんどん行動するようになっていくんですよ。
 
 
 
 
いかがでしたか?
 
 
お友達に抱きつくなど、一方的で空気が読めない行動が多い発達障害ADHDやASDの子どもに必要なのは、状況に合わせて行動できているときにしっかり褒めることです。
 
 
子どもの自信を回復させて、コミュニケーション能力を伸ばしてあげてくださいね!
 
 
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また発達障害の子どもは「見る力」が弱いタイプが多く、適切な状況判断ができないために空気が読めない行動を取っていることも多くあります。
 
 
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執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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