自信を失いやすく「どうせ無理」が口癖の子の自信は自己肯定感がカギ!発達障害の子の自己肯定感を高めると、子どもの行動はガラッとっと変わります。今回は「窓ぎわのトットちゃん」をヒントに子どもの自己肯定感を高める秘訣を紹介します。 |
【目次】
1.「どうせ無理」が口癖!自己肯定感を高めれば、発達障害の子どもは大変身する!?
2.どうして発達障害の子どもは自己肯定感が低いの?
①叱られる機会が多く、自信が持てない
②ネガティブな記憶が残りやすい
3.たった1日で効果あり!発達障害の子の自己肯定感を高める方法
1.「どうせ無理」が口癖!自己肯定感を高めれば、発達障害の子どもは大変身する!?
自己肯定感が低い、とよく言われる日本の子どもたち。
・「どうせ僕なんて…」などとすぐ言う
・なかなか行動に移すことができない
こんな風に、自信のない様子は見られませんか?
自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」「自分は誰かに必要とされているんだ」と自分自身を肯定的に受け入れられる感情のことです。
自己肯定感が育っていると、
・失敗を恐れずに挑戦し、壁を乗り越えることができる
・自信を持って積極的に人と関わることができる
という、生きていく上で非常に大事なスキルを身につけることができます。
ところが苦手なことが多い発達障害の子どもは、人一倍自己肯定感が下がりやすい傾向があります。
自己肯定感が低いと、
自信が持てないので、行動することができない
↓
行動しないので、できるようにならない
↓
できないことで自信をなくす
といった負のスパイラルに陥りやすくなります。
こんな風に失敗経験を重ねていくことで、体の不調を訴える、引きこもりになる、反抗的な態度が増えるなどの二次障害が出てくることも少なくありません。
わが家の発達障害・グレーゾーンの子どもは負けず嫌いで失敗することを極端に避けようとします。
周りのお友だちがフラフープを上手に回している姿を見て、挑戦することすらありませんでした。
小学校では大縄跳びにうまく入れない、ドッジボールでボールを取れない…。
失敗を恐れて苦手なことに挑戦ができず、周りの子がどんどん上達していくことで「どうせ無理」という気持ちが大きくなっていきました。
お友だちとの差が開き、いつまでたっても上達しないことで自信が持てず、自己肯定感が育ちません。
このように自己肯定感が低いまま大人になると、 必要なスキルが身に付いていないので、
・解決策を見つけられずに同じミスを繰り返す
・自己主張ができず、自分の苦手な仕事を引き受けて失敗してしまう
などと、自信を失う機会はさらに増えてしまうのです。
発達障害の特性があると、様々な問題に直面したり、生きづらさを感じる場面はどうしても多くなります。
だからこそ、子どものうちからしっかりと自己肯定感を高めることで、二次障害を予防したり、挫折や失敗を乗り越える力をつけてあげることが大事なんです。
とは言っても、「発達障害の子どもにとって自己肯定感が大事なのは分かった。でもどう対応すればいいの?」と悩むお母さんもいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回は、「窓ぎわのトットちゃん」をヒントに、発達障害の子どもの自己肯定感を高める秘訣をお話しします。今日からできる、とっても簡単な方法を紹介しますよ!
2.どうして発達障害の子どもは自己肯定感が低いの?
ではなぜ、発達障害の子どもは自己肯定感が低い傾向があるのでしょうか?ここでは主な理由を2つ紹介します。
◆①叱られる機会が多く、自信が持てない
発達障害の子どもは様々な特性を持っていることから、できないことや苦手なことが多く、自信が持てないことがあります。
例えば注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもには
・じっとしているのが苦手(多動性)
・衝動的に行動してしまう(衝動性)
・集中することができない(不注意)
という様子がよく見られますよね。
さらにADHDタイプは大人になると、
・仕事の優先順位がつけられない
・時間が守れない
などと仕事や人間関係に支障が出るケースも多くあります。
これらの行動は全て、脳の特性が大きく関係しており、本人にもコントロールが難しいものです。
ですから普段から、
・「どうして自分だけできないんだろう」と周囲と比較して落ち込む
・「また同じ失敗をしてしまった…」と後悔する
などと子どもは自信が持てないでいます。
さらに集団生活の中では「困った行動はしつけ不足が原因」「性格の問題だ」などと誤解されることが多く、叱られる機会が増えがちです。
その結果、劣等感を抱くことが多くなり、自己肯定感が下がってしまうのです。
◆②ネガティブな記憶が残りやすい
ADHDタイプに限らず、発達障害の子どもは脳の発達が未熟であるために、ネガティブな記憶が残りやすい傾向があります。
つまり、楽しかった記憶よりも嫌な思い出の方が強く残ってしまうのです。
そのために、失敗したことや叱られたことをいつまでも覚えているんですね。
こんな風に、発達障害の子どもは普段から失敗経験が多く自信を失いやすい傾向があります。
だからこそ、おうちではしっかり成功体験を積み重ねて、自己肯定感を育ててあげてほしいんです。
3.たった1日で効果あり!発達障害の子の自己肯定感を高める方法
では、発達障害の子どもの自己肯定感を高めるために、お母さんにしてほしいこととはなんでしょうか?
ここでは「窓ぎわのトットちゃん」で有名な、女優の黒柳徹子さんのお話を紹介したいと思います。
黒柳さんは幼いころ、やんちゃな行動が目立つタイプだったそうです。 好奇心旺盛で落ち着きがなく、授業中はチンドン屋を呼び込むために、窓際に立っている…。
こんな調子だったので、小学1年生のときに1つ目の学校を退学になってしまいました。 しかし、そんなトットちゃんを大きく変えたのが、2つ目の学校の校長先生です。
初めて登校した日に校長先生は、「なんでも先生に話してごらん」と言い、なんと4時間もトットちゃんの話を一生懸命聞いてくれたそうです。
話をきちんと聞いてもらえたことで、自分のことを受け入れてもらえたと感じ安心したと黒柳さんは話しています。
話を聞いてあげることは、子どもの存在そのものを肯定してあげることになるんですね。
問題行動が原因で、最初の学校を退学になってしまったトットちゃんですが、翌日から変化が起きます。 授業中に全く窓際に立たなくなり、ちゃんと自分の席で勉強することができるようになったのです。
学校に行くことも楽しみになり、毎朝すすんで身支度をするようになりました。話をしっかり聞いてもらうことで自信がつき、自主的に行動ができるようになったのです。
大人が適切なコミュニケーションを取れば、子どもはこんなに変わるんですね。
「どうせ僕なんて、どうせ無理」が口癖の、発達障害の自己肯定感を高める簡単な方法とは、話を聞いてあげることです。
自己肯定感が高いというのは、いいところも悪いところも全部受け入れて、自分を信じることができる状態を言います。
ですからまずはお母さんが、
・できていない部分に注目して叱ることをやめる
・長所も短所も丸ごと認めてあげる
ことで、子どもと信頼関係をしっかり築いてください。
「子どもの短所を認めてあげる」と言うと難しいと思われるかもしれませんが、実は話を聞いてあげることは子どもを丸ごと受け止めてあげることと同じです。
さらに「お母さんに話をする」という活動には失敗をする危険もないため、自信が持てない子どもの自己肯定感を高める絶好のチャンスなんです!
ここで大事なことは、子どもに「自分は肯定されている」としっかり感じさせること!
①「へー、知らなかったよ!」と興味を示す
②「そうだよね!」と同意する
③ 子どもの発言を否定しない
ということに気をつけて話を聞きましょう。
子どもと接するときのポイントは「たくさん肯定してあげること」「どんなときも味方だよと伝えること」なんですよ。
こうやって話をしっかり聞いてあげることで、子どもは「自分は愛されているんだ」と実感することができます。
また、私たちの日々の行動は全て「過去の記憶」から作られています。
一度成功したことはまたやろうとしますし、反対に失敗したことは「もうやりたくない!」と思うのが普通ですよね。
ですからお母さんの対応や声かけで、いかに「ポジティブな記憶」を作り、子どもに「自分はできる!」と思わせて行動力を引き出すかが自己肯定感UPの鍵なんです。
普段から子どもの発言を肯定してあげることで「伝わった!」「褒められた!」という成功体験を増やしてくださいね。
お母さんの適切な対応で子どもの生きづらさを解消し、失敗を恐れずに挑戦する力を育ててあげましょう!
また、発達障害の子どもの自己肯定感を高めるコツについてはこちらの記事でもお話しています。合わせてチェックしてくださいね。
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)