9歳の壁×発達障害をトラブルなく乗り越えるには?自己肯定感を保つおうちカウンセリング

 

「9歳の壁」をご存じですか?発達障害グレーゾーンの子どもにどんな影響があるのか?友達トラブルにも発展しやすいデリケートなこの時期に、お母さんがお子さん専用の「お家カウンセラー」になる対応をご紹介します。
 

【目次】

 

1.「9歳の壁」ってなんだろう?

 
 
「9歳の壁」または「小3の壁」、「ギャングエイジ」この言葉を聞いたことがあるでしょうか?
 
 
または「10歳の壁」「小4の壁」とも表現されます。
 
 
子どもたちはこの年齢を境にして、対人・学習の両方で壁にぶつかりやすくなります。
 
 
ひとりの人間として心身ともに大きく成長する時期でもあり、難しいこの時期を乗り越えることで得られる成長の度合いが大きく「壁」と表現されます。
 
 

◆①対人面の変化

 
 
この時期の子どもたちは、自分自身を客観視できるようになってきて、親と自分を区別して捉えるようになります。
 
 
たくさんの人とかかわりながら、多様な価値観や様々な感情を自分の中に取り入れて成長します。
 
 
そして、価値観が近い友達同士でグループをつくり、ルールや暗黙の了解を自分たちで作っていくようになります。
 
 
幼児期のような気が合う友達を「なかよし」というのではなく、「なかよし」に条件が付くようになるのです。
 
 
例えば
 
 
・なかよしグループに入るためには共通の話題や趣味が必要
 
グループならではのルールが強い
 
・良心、道徳性の判断はそれぞれの個人の判断
 
 
こういった条件つきのお付き合いは、結束を強くもするし、一方であやふやな対人関係にもなりえます。
 
 
楽しくもあり、不安定でもあるこのコミュニケーションに重きを置き、親や先生よりも友だち同士の繋がりを優先するようになるんですね。
 
 
 

◆②学習面の変化

 
 
学習面でも抽象的概念が取り込まれてきて、難易度がぐんと上がります。
 
 
・算数 分数や小数点
 
・国語 作者の意図を読み取る
 
・理科 電流の大きさや流れる方向
 
 
など、実体として見えない物に対して、頭の中で並べ替え・整理をし、論理的に考える力を身につけることが求められます。
 
 
子どもにとって頭でイメージしにくい内容です。
 
 
  
 
 
それまで順調に学習についていけていた子でも、この抽象的概念につまづいてしまい、自信をなくしたり、勉強に苦手意識を持ってしまうことがあります。
 
 
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2.「9歳の壁」×発達障害ではどんな事が起こるのか?

 
 
では、9歳の壁を迎えた発達障害の子どもにはどんな影響があるのでしょう。
 
 
9歳ころになると、相手の言葉や表情から感情を読み取ったり、想像したりできるようになってきます。
 
 
 言葉や表情の多少の変化で「いま、なんだか変だと思われたかな」とか「わたしのこと嫌いなのかな?」など、推測から過剰に心配したり、人付き合いが「楽しい」というより「大変」と感じる子どもは多くいます。
 
 
例えば、グレーゾーンの9歳女子のこんな実話があります。
 
 
 ・グループで下校途中、交通ルールを守らない友達を注意したら、無視をされてひとり置いて行かれた
 
 
 ・クラスメイトの悪口を言っていた友達を注意したら、逆に自分が悪口を言われた
 
 
 これらの2つは、幼児期から親や先生に教えられている「やってはいけないこと」です。
 
 
ただ9歳ころになると、ルールに従って正しいことをすることは面倒だと捉えたり、いちいち指摘されることに暗黙の了解でスルーする、という態度になってきます。
 
 
そして、発達障害・グレーゾーンの子どもは、先の見通しを持ったり、相手の表情から気持ちを察することが苦手です。
 
 
 今、この発言をしたら、その場の空気がどうなるか。
 
 
そういった見通しを立てないまま発言や行動をするので、周囲とのミスコミュニケーション、いわゆる友達トラブルが起こりやすくなります。
 
 
 「悪いことは注意する」という判断は間違いではないですが、そういった言動は同世代のグループからは孤立しやすくなります
 
 
 さらに発達障害の子どもは、視覚から入った情報を処理するのが得意とする子が多いです。
 
 
これは逆に言えば、9歳ころから身についてくる学習面の抽象的な思考を持つのが難しい、ということになります。
 
 
見たことがないもの、目の前にないものについて考えることが苦手なので、友達から「こんなことも分からないの?」と言われて傷つく経験をするお子さんもいるのです。
 
 
 
 
 言われた言葉をストレートに解釈して傷つき、ネガティブな記憶も強く残ります。
 
 
 このように、自分を客観視できるようになったことで、他者の評価で「自分」をつくり上げていく9歳、10歳。
 
 
 さらに発達障害・グレーゾーンの特性によって否定をされる場面が増え、自尊心は傷つき、自己肯定感が下がりやすいのです。
 
 
 自己肯定感の低さは、思春期に入った後も引きずってしまうことが心配です。  
 
 
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3.子どもの自己肯定感を保つ「おうちカウンセリング」

 
 
ここまでで、発達障害・グレーゾーンの子どもが、9歳の壁で受ける影響がおわかりいただけたと思います。
 
 
では、学校での自分の評価や友達トラブルで大きく傷つくことなく、自己肯定感を保つために、できることはどんなことでしょうか?
 
 
それは、おうちで癒されること、つまりお母さんのフォローです。
 
 
お子さんの中に「お母さんは自分を理解してくれる」という親子の信頼関係があれば
 
 
・新しいチャレンジに向かう勇気や意欲が湧いてくる
 
・人生に必要な対人関係の基礎をつくることができる
 
 
という、9歳の壁を乗り越えるための底力を授けることができます。
 
 
 
 
では、おうちカウンセリングをするにはどんな手順を追っていけばよいのか?5つの手順で解説をします。
 
 
まず、学校から帰ってきたときのお子さんの様子を見て「何かあったな…」と感じるお母さんの直感ってありますよね。
 
 
そんなときには早速「おうちカウンセラー」になったつもりで、お子さんに接してあげてくださいね
 
 

◆①聞き出そうとはしない

 
 
お母さんは話し手ではなく、完全に聞き手です。
 
 
お子さんから見て「意見を否定されそうにない」雰囲気をつくることが大切です。
 
 
・笑顔で接する
 
・ことばの語調を柔らかくする
 
・声色を穏やかにする
 
 
などの具体的な方法を意識してくださいね。
 
 

◆②事実だけを受けとめる

 
 
お子さんが泣いていたり、辛いことを話してきた時には、事実だけを受けとめ 「どうにかしなくては」と思わなくても大丈夫です。
 
 
・「そんなことがあったんだね!」
 
・「それは嫌だったね」
 
・「つらかったね」
 
などの言葉でただ受け止めましょう。
 
 
お母さんの考えや感想は伝えません。
 
 
もしお子さんに「違う!」と反発されても、お母さんは「そっか、違うんだね」とだけ返せばよいですよ。
 
 
不安定な状態のお子さんの感情に巻き込まれないで受け流すことを意識します。
 
 

◆③理解の姿勢を見せる

 
特に自閉症スペクトラムタイプのお子さんは、自分の気持ちを言語化したり説明をすることが苦手です。
 
 
お母さんに「それはどういうこと?」「わかるように言って」と言われると、お子さんはますます混乱します。
 
 
お母さんが理解しようする姿勢を見せてあげれば、お子さんも落ち着いてきますよ。
 
 
冷静ではないお子さんが話すことは支離滅裂で理解がしにくいこともあると思います。
 
 
そんな時は、「聞いてもいい?」と子どものOKをもらってから「今、話していたのは 〇〇君があなたに△△って言ったってことで合ってる?」など、YESかNOかで答えられるくらい具体的な質問にしてください。
 
 
 
 
 

◆④共感で終わる

 
 
お子さんが自分の気持ちを分かってもらえた!と思うには、お母さんが共感を示すことが重要です。
 
 
・「なるほどね~」
 
・「そっか~」
 
 
などの共感を示す言葉を使ってください。
 
 
親としては、子どもが良い方向にいくようにアドバイスをしがちですが、反発心を招くことがあるので避けましょう。
 
 

◆⑤切り替え上手になれる「ミラクルワード」

 
 
共感を示した、それでも、お子さんからは延々と文句が出てくる…という場合もあります。
 
 
そんなときは、お子さんの不満を吐き出しきって次の行動に促すことができるミラクルワードを使いましょう。
 
 
それは「ほかには?」という言葉です。
 
 
文字だけで見ると冷たく聞こえてしまいますが、そんなことはありませんよ!
 
 
「ほかには?」の質問を繰り返し・繰り返しすることによって、お子さんの不満がどんどん出てくるミラクルな質問なんです。
 
 
聞きながらでも怒りながらでも、不満を出しきったお子さんは自分から次の行動に移ろうとするでしょう。
 
 
お母さんが「おやつ食べよっか!」の言葉で次の行動に誘っても良いですね!
 
 
 
おうちカウンセリングで接してみても、慣れないうちは気持ちの切り替えに時間がかかるかもしれません。
 
 
でも繰り返していくたびに気持ちの切り替えは早くなり、次第に自分の力だけで切り替えることができるようになっていきます。
 
 
9歳ごろになると、お母さんが「教える子育て」は終わりに近づき、お子さんは「自分で考えながら」成長をし始めます。
 
 
お子さんに「お母さんが見守ってくれている」安心感を与えて、9歳の壁を乗り越えていけるようにサポートをしてあげてくださいね。
 
 
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執筆者:あらいまい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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