不登校ブログを運営するお母さんが考える『不登校の親ができること』〜元不登校の大学生のお母さんインタビュー〜前編〜

 

小・中学校を不登校で成長した大学生のお母さんに、学校ありきな固定概念を捨てた経緯や、不登校の子どもと過ごす上で親ができることを教えていただきました。『ありのままの子ども』の素晴らしさに気付けるお話を聞くことができました!

【目次】

 

1.不登校経験の先輩お母さんに聞く!

 
 
不登校の子どもがいると学校のような既定のレールがないので将来について心配になることが多いですよね。
 
 
我が家の小学6年生の息子も学校へ行かない選択をして2年程たちます。
 
 
学校に通っている子が学校の先輩から情報を聞くように、不登校の親子にとって不登校の先輩から話を聞くと、とても参考になることが多いんです。私は、息子に似た元不登校の人はいないかなと、情報を探していました。
 
 
そんなときに目に止まったブログがあります。
 
 
 
 
元不登校の大学生のお母さんが、息子さんの小学校、中学校の不登校時代から現在に至るまでの出来事や想いを発信されています。
 
 
息子さんのK君は、小・中学校時代に不登校を経験し、大学受験を突破して楽しい大学生ライフを謳歌しています。
 
 
以前パステル総研で行った、K君のインタビューはこちらです。
 
 
 
 
今回は、K君を一番そばで支え続けてきたお母さんにインタビューをさせていただきました。生き生きとした元不登校の息子さんを育てたお母さんは、はじめから不登校を明るく捉えていたのでしょうか。
 
 

―――Tさんよろしくお願いします。まずは、ブログを始めたきっかけを教えてもらえますか?

 
 
「最初のブログは息子が高校3年の頃に始めました。息子が不登校になってからの記録ですね。
 
学校教育について不満を感じたこと、お母さん達の不登校の子どもを復学させようと一生懸命になるところ疑問を感じたこと、もっと長いスパンでみていけばいいんじゃないかなという思い、それを記録したかったんです。
 
息子が大学に入って1年くらいブログを休んでいたんですけど、息子のことを客観的に見れるようになって、不登校の小中学生や親御さんがこの先どうなるのかと心配があると思って、我が家のことを包み隠さず見てもらえたら、反面教師でもいいので参考になるのではないかなと思って再開しました。」
 
 

―――不登校のお子さんの体験はとても貴重な情報だと思います。息子さんは、ブログでも、インタビューでもとても自分の意見をしっかり持っている青年だなと感じたのですが、幼い頃はどんなお子さんでしたか?

 
 
「すごく明るい人見知りしない子でしたね。特に大人から可愛がられていましたし、同年代のお友達もすぐできるタイプで、入院先の病院でも、幼稚園でも人気者でした。
 
毎日楽しく過ごすことに一所懸命で、たくさん活動した後はバタンと寝てしまう程エネルギーがあったように思います。
 
あと、子どものときからちょっと大人びた表現をするようなところがありましたね。」
 
 

ーーー弁がたつから言い合いになったりしませんでしたか?

 
 
「息子はぶつかるのを避けるタイプで、親や周りの大人が何か怒るとスルーして避けていましたね。」
 
 

―――息子さんが、学校へ行かない頻度が増えていったとき、どう思いましたか?

 
 
「初めは、すぐ行けるようになるだろうと軽い気持ちでいたんですが、段々長引くにつれて、『どうしようか?』とは思いました。
 
次第に、息子の中に過去の私、子どもの頃から我慢していた私を見たんですよね。
 
私も学校が好きじゃなくて、父親の小脇に抱えられて連れて行かれたことがありました。だから気持ちがわかる部分はあって。
 
ただ、余裕もなくて、私の反省点でもあるんですけど。息子本人のことよりも、自分がどう思われるかを気にしてしまったんですね。
 
学校に行けないことで、両親からとやかく言われることが嫌だったり、不登校を理由に距離を取るようなママ友だったり、私自身が周りの目を気にしてなんとか通わせようとしていたところがありましたね。
 
当時は無意識の行動だったんですけど、今振り返れば、自分を守る行為だったと思います。
 
 
 
 
不登校の親子に対してフィルターをかけて見てしまう方が多いし、そのような見方をしてしまう環境で育ててしまったのも問題点であったとも思います。」
 
 

ーーー

 
 
6歳になったらランンドセルを背負って小学校に入学して、6年後は中学校に入学する。
 
 
これが、今の日本の大多数の家庭で当たり前に考えられている子どもの教育ですよね。私達親世代もその流れで育ってきたので、学校という場しか知らないのです。
 
 
そのルートから外れたとき、とても怖くなり、不安になるのは当然だなと思います。
 
 
子どもの辛い状況を目にしていても、学校へ通わないということが社会でどんな目に映るのか気になる…Tさんのような気持ちに私もとても共感します。
 
 
周りの目を気にして余裕のなかったTさんは、この後どのように息子さんの不登校を受け入れることができるようになったのでしょうか。
 
 
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2.不登校を認めたきっかけは先生の言動だった

 
 

―――学校に行かなくてもいいかなと受け入れたのはいつ頃ですか?

 
 
「小学3年生のときの担任の先生の対応を見てからですね。
 
息子が友達に蹴られたことがあり、そのことを先生に訴えたとき、『後でね』と言われたそうなんですね。 息子は待っていたのにすっかり忘れられちゃって、『ずるいんだよ先生。』と家で私に言ってきたんです。
 
時間を置いてまた訴えても、またスルーされたと。
 
息子の話を聞いて、学校に電話をしたところ、その後の態度が急変して。
 
『トラブルの芽は摘んだので、安心して登校してください』
 
と対処の速いこと、速いこと…
 
先生の、「あ、やばい!」と思って対処したのが見え見えで、自分はこれだけ一所懸命やっています、というポーズにうんざりしたんですよね。
 
『自分は忙しい!』という空気感を親に見せていた先生でした。
 
しまいには、私だけではなく、主人にも話を聞きたいと主人を学校に呼び寄せたのも、私としては『なんで???』でした。
 
ちなみに、主人は昭和な人間で、入学式にも卒業式にも参観日にもこない人間です。息子の学校に行ったのはこの1回のみでした。
 
息子自身が先生のことが嫌いだったし、子どもの心ではなく、自分にベクトルが向いている教師に我が子を任せることもどうかと思い、積極的不登校になりました。
 
『ごめんね』という一言でもあればいいですけどね、それもなかったんですよ。子どもを子どもと思っちゃいけないですね。子どもの感性って鋭いですからね。
 
自分の立場が悪くならないようにという意向が見え見えで、子どもを守ろうという意思が見られない態度だったんですよね。
 
『先生、見えていますよ』という感じがしました。
 
これは私にとってはとても良い経験でしたね。
 
先生の嫌な部分を見ることで、学校信仰からも離れられたし、「学校教育ってここがおかしい!」と観る視点を持つことができたのは、この事件が最初のきっかけだったと、振り返るとそう思います。」
 
 
 
 

ーーー

 
 
不登校になるお子さんの中で、先生の言動が原因で不登校になった子は、とても賢い子どもが多いなという印象があります。
 
 
息子さんは自分の困りごとを真剣に先生に訴えたのに、はぐらかされてしまったと、とても悲しい想いをしたでしょう。
 
 
学校の先生は、学校の業務をたくさん抱え忙しいと思います。しかし、忙しさを言い訳に子ども達の教育、特に心の育ちを犠牲にするような言動は気をつけてほしいですね。
 
 
子ども達は周りの大人を見て、大人になることを学んでいきます。
 
 
私自身、自分の子ども達に「ちょっと待っててね」と声をかけておいて忘れてしまい、「お母さん、早く〜」と言われて気付くということがあります…
 
 
子どもが訴えたいことが、とても重要なことだったら…忘れてしまうことで子どもの人生に大きく影響するかもしれないとするならば、気をつけなければいけないなと強く思います。
 
 

3.不登校が気付かせてくれた子どもの長所

 
 

―――色々と葛藤がありつつ息子さんの不登校を受け入れられたと思うんですが、お母さんお一人でサポートしていったのでしょうか?誰か、支えてくれる人はいらっしゃいましたか?

 
 
「私が人との接触を避けたので、この時期のお付き合いは本当に表面的なもののみでした。
 
私のことをよく知る人や、旧い友人などは、むしろ学校のことには一切触れずに普通に今までと変わらずに接してくれていました。
 
支えてくれていたというより、黙って見守ってくれたという言葉の方がふさわしいかもしれないです。
 
息子が小2からボーリングをしていたので、その仲間のところに連れて行って、そこでもみんな学校のことに触れずに接してくれていましたね。
 
ただ、主人から『学校に行っていないのにそんなところに遊びに出たらダメだ』と、禁止令が出てしまって。行けなくなってしまったんですね。小学校の一番楽しめる時期なのに。
 
その後、中学校1年の時に再開したんですけどね。主人の気持ちもわからなくはない、バランスが難しいですよね。」
 
 

―――中1で再開したときは、ご主人も理解してくれたんですか?

 
 
もう学校無理だなとわかって、それで『できることからやっていけばいいね』という風に変わっていったかなと思います。
 
 

―――ご主人の理解を促すために、お母さんが何か働きかけたりしたことはありましたか?

 
 
「特にはないんですけど、息子が高校生の頃までは関係性は良くなかったです。仕方なく受け入れたという感じでした。ずっと、息子が学校行っていないというのは誰にも話してなかったと思います。大学に入ってから雲が晴れたという感じですね。」
 
 

―――息子さんにとって、お母さんの次に心療内科の先生や家庭教師さんとがキーパーソンなのだなと思いますが、心療内科に行くきっかけはありましたか?

 
 
「地方紙に、オープンしたての不登校対応をしてくれる心療内科クリニックが載っていて、私の母に教えてもらって、行ってみようかということで行ったんですね。」
 
 

―――息子さんと心療内科の先生は、最初から良い信頼関係を作れたんですか?それとも通院する中で先生が息子さんのことを深くわかってきてという感ですか?

 
 
「そうですね、先生が理解しようと努めてくれましたね。うちの子は、本当に人に合わせるということをしないので(笑)それが強みでもありますけどね。
 
心療内科の先生には、『息子さんは小学校、中学校に行ってないから、変な洗脳をされていない、オリジナルな発想があるから生かした方がいいね』と言われて。
 
『そうだよなー』と思って。私自身、幼い頃から本心とは違う方向に育ってきちゃったなという気持ちもあって、息子の本当の良さを気づかせてもらってよかったなと思いました。
 
 
 
 
不登校じゃなかったら気付くこともできなかったですよね。」
 
 

―――息子さんをきっかけに、気付くことのできたお母さんも素晴らしいと思います。

 
 
「ありがとうございます。」
 
 

ーーーー

 
 
子どもが不登校になったとき、
 
 
「どうしてうちの子だけ、みんなと同じように普通に学校で過ごすことができないの?」
 
「普通に行って、普通に帰ってきてほしい。それだけなのに。」
 
 
と、自分の子どもだけがみんなと違うと、それが悲しくなったり、どうすればみんなと同じ生活ができるようになるだろうかと考えたりしてしまいませんか?
 
 
私達親に必要なのは、子どもをみんなに近づけることではなく、他の子どもにはない良いところに気づいて、それを伸ばしていこうと考えをチェンジすることなんですね。
 
 
お母さんが不登校を前向きに捉えていても、お父さんや祖父母などの理解が得られない場合、お母さんも子どもも、心から伸び伸びと不登校生活を送ることは難しいのかなと感じます。
 
 
昔よりも、両親が「学校に行かない」選択を受け入れることができる社会になりつつあるのかなと感じますが、皆さんはどうですか?
 
 
子どもに関わる人達全員が、「学校に行かなくても大丈夫だよ!」と理解してくれるのが一番だとは思いますが、どうしても難しい場合、お母さんだけでも「何がなんでもあなたの味方だよ!」というメッセージを送ってあげてほしいと思います。
 
 
周りの意見にお母さんも振り回されて、「本当に不登校でいいの?」と不安になってしまうと子どもも敏感に察知して「自分はこれでいいの?学校に行かない自分はダメな子なの?」と自信をなくしてしまいます。
 
 
子どもの心に傷がつくような環境だけは回避してあげてほしいと思います。
 
 
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4.子どもとの親子時間を乗り切るためにできること

 
 

―――息子さんがお家にいる時間が長かったと思うのですが、Tさんはお仕事などしていましたか?それともずっと息子さんと過ごしていましたか?

 
 
「私は、息子が生まれてからずっと一緒におり、仕事などで家を空けるということはありませんでした。
 
理由としては、喘息発作が起きるとあっという間に悪化するため病院に直行する必要があったこと、息子を心配しながら仕事をするよりも、家にいる方が私の精神は安定すること。
 
あと、スピリチュアル的な言い方をすれば、息子の不登校という出来事は、これが私の向き合うべき課題と受け止めようとしたことですね。」
 
 

―――長い間一緒に過ごす間、息子さんとはどんなことをしていましたか?

 
 
 「ガンダムのプラモデルとか、手先が結構細かいことが好きなので、折り紙とかしていましたね。
 
 普通の折り紙じゃなくて、創作折り紙っていうのがあるんですけど、見えますか?これ。
 
 
 
 

―――すごい!大傑作ですね。

 
 
 龍なんですけど、折り紙だとサイズがなくて、フロス、壁紙で作っていました。これは小学生のときの作品です。
 
 創作折り紙の本があって、自分で一つ一つ確認しながらやっていました。
 
 あと、TSUTAYAから漫画を借りてきて読んでいましたね。漫画10冊を1〜2時間で読むんですよ。そのとき、息子の読むスピードが速いという才能に気づきました。
 
 あとは、学校に行ったときは必ず友達を連れてきて一緒にゲームしたりしていました。」
 
 

―――日中、学校行っていない間、時間を持て余して暇だなという感じはなかったですか?

 
 
「当時は思っていたのかもしれないですけど、結構楽しそうに過ごしていたかな。みんなが帰ってきそうな時間に、外に出ていましたね。やっぱり日中は外に出づらかったですね。今なら堂々と連れて回りますけどね!」
 
 

ーーー

 
 
 不登校をしている他の子は家で勉強しているの?と気になるお母さんもいるでしょう。以前、息子さんのK君もインタビューで答えてくれましたが、学校に行かずに家で勉強するというのはモチベーションも上がらないし、なかなか難しいかもしれません。
 
 
 それならば、子どもの好きな遊びを全力で応援してあげるのがいいですよ!
 
 
 『みんなが勉強している間に遊んで…』と不安になるかもしれませんが、遊びにとことん熱中することで成長する力はたくさんあります。
 
 
 K君のように折り紙創作を真剣にやっているときには集中力がついたでしょう。
 
 
 見本を見て、実際に組み立てることで、注意して見る力がついたでしょう。
 
 
 できあがりをお母さんに見せて説明することで、出来事や気持ちを伝達する力がついたでしょう。
 
 
 たくさんの紙を折ることで手先の器用さも上手になったでしょう。
 
 
 たかが遊び、されど遊びです!
 
 
 子どもが目標を見つけて、勉強を頑張りたいと思ったときや、社会に出ていくときに必ず役立ちます!
 
 
 不登校でのお家時間は、子どもの成長のチャンスと捉えて、好きなことを好きなだけ遊べる環境を作ってあげられるといいですね。
 
 
後編では、Tさんの考える『不登校の母親がやるべきこと』について教えていただきます!もうクヨクヨなんてしていられませんよ!是非ご覧ください。
 
 
不登校の子どもの家での過ごし方については、こちらの記事もご覧ください!
 
 
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執筆者:すずき 真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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