視覚優位を生かせ!小学1年生から始める勉強習慣の作り方

小学1年生のお子さんを持つお母さん、入学して半年たちましたが、お子さんの勉強は心配ありませんか?この先一生続く「学び」に楽しく取り組むために、今から始めたい習慣作りについてお伝えします。
 

【目次】

 

1.小学1年生、勉強の負担が急増中!

 
 
この記事では、小学1年生の発達障害のお子さんが、勉強の習慣をつけるために必要なことをお伝えしていきます。 
 
 
1年生のお母さん、小学校に入学して半年が経ちましたね。  
 
 
この半年間、お子さんが学校でうまくやっていけるか、心配したり、安心したり、落ち着かない日々を過ごされたことと思います。  
 
 
私も、今年の4月、発達障害・自閉症スペクトラムの息子が小学校に入学しました。  
 
 
年少のときに診断がおりた息子は、当初「支援級相当」だと言われながらも、幼稚園の3年間で大成長!現在、通常級で頑張っています。  
 
 
私もこの半年間、息子のことが心配で、喜んだり落ち込んだり、ジェットコースターのような精神状況の毎日を送りました。  
 
 
小学校に入学すると、心配なのが授業についていけるか?ですよね。  
 
 
のびのび系の幼稚園で3年間過ごした息子は、入学前に机に向かう習慣はゼロ。内心、勉強についてはとても心配していたんです。  
 
 
5月ごろまでは難なくこなしていたのですが、6月以降、宿題が急増。  
 
 
5月までは、音読と国語・算数のプリントだけでしたが、
 
6月に計算カードが加わり、
 
9月に漢字と絵日記が加わり…  
 
 
息子の負担も、息子に付き合う私の負担も一気に増えていきました。
 
 
 
 
 
まず、宿題に取り掛かるまでに一苦労。
 
宿題を始めても、すぐに集中力が切れる。
 
書く量が増えて、不器用な息子には負担が大きい。
 
不器用だから、消しゴムでうまく消せない。
 
それらがすべてグズグズや文句になって出てくる。
 
 
付き合う私は、息子のネガティブオーラをダイレクトに受けて、イライラがノンストップ状態でした。
 
 
 
 
当然、宿題を何とかこなすので精一杯!6月に入ってから通信教材は封を開ける余裕もありません。
 
 
今でさえこんな状態なのに、今後息子の勉強は大丈夫だろうか?と真っ暗な気分になっていました。
 
 
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2.最初が肝心!勉強でつまづいてほしくないワケ

 
 
こんな状況とは裏腹に、私は、息子に対してずっと「勉強でつまづいてほしくない!」と思っていました。
 
 
そう思う理由は、息子にいい成績を取ってほしいから、ではないんです。
 
 
小学校に入学すると、授業中心、勉強中心の生活になります。
 
 
勉強につまづいて授業が理解できなくなると、学校生活の大部分が楽しくなくなってしまいます。
 
 
子どもも大人も、「楽しい」という感情はとても重要です。
 
 
楽しいから自分からやりたくなる。チャレンジする。そして新しい経験を積み重ねる。つまらないことになんて誰もチャレンジしません。
 
 
「楽しい!」は人間の行動の原点なんです!
 
 
 
 
そして、脳は新しい経験を積み重ねることで発達が加速していきます。楽しい!は発達のもっとも大切なポイントなんです!
 
 
脳の発達に凸凹があったり、ゆっくりだったりする発達障害の子どもたち。彼らをぐんぐん伸ばすには脳が発達しなければなりません。
 
 
「楽しい!」をたくさん感じられる子は、その分行動する機会が多くなります。つまり新しい経験を積み重ねやすく、脳が発達するサイクルを作りやすくなっているんです!
 
 
学校が楽しい!と感じて子どもが積極的に行動して発達を加速させていく。
 
 
そのためには、学校生活の大部分を占めている授業、つまり勉強と切り離して考えることはできないのです。
 
 

3.勉強に集中できないのは発達特性のせい!?

 
 
息子の様子を見ていると、集中できない原因は「視覚優位」と言われる発達特性なのでは、と思うようになりました。
 
 
視覚優位とは、文字通り「見て」理解したり判断したりするのが得意な状態のこと。
 
 
息子の場合、帰宅すると、まずゲームに目がついて、ゲームをする。
 
 
宿題を始めたかと思えば、
 
 
・ふと壁にある時計が気になって見入ってしまう
 
・消しゴムのかすが気になってしょうがない
 
・文字のわずかなズレやはみだしも気になるから、全部書き直したくなる。
 
 
このように、
 
 
「何かが視界に入る」
 ↓
「気になって、今必要ない行動する」
 ↓
「宿題が進まない」
 
 
というループを繰り返していました。
 
 
もちろん私も「そこは気にしなくていいよ」と声をかけるのですが、聞くことよりも見ることが優位になっている息子には届きません。
 
 
 
 
ここで、私が「いい加減にしなさーい!」と怒ったところで、何の意味もありません。
 
 
これは子どものやる気の問題というより脳の特性の問題だからです。
 
 
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4.視覚優位を生かす!勉強が好きになる2つの習慣

 
 
お母さんにできるのは「集中しなさい!」注意することではありません。
 
 
子どもがなるべく集中できるように、脳の特性に配慮した勉強の環境を作ることです。
 
 
視覚優位で、目に入ったものに気を取られてしまう子への有効な手段としてよく言われているのが、
 
 
余計なものを隠して見えなくする
 
 
という方法です。
 
 
これも有効な手段ですが、実際問題、お部屋のレイアウトを変えるのは相当な労力が必要ですよね。「分かっちゃいるけど、そこまでできない」という方は多いのではないでしょうか。
 
 
私が提案したいのは、「気になるから隠す」という後ろ向きな対応ではなく、視覚優位を生かして、「目に入ることでやる気が出る」勉強習慣です。
 
 
ここでは2つご紹介しますね。
 
 

◆①プリントから視線を離させない工夫

 
 
宿題でも、通信教材でも、書き込めるものはどんどんコメントを書き込みました。
 
 
計算問題がずらーっと並んだプリントなんて、子どもも大人もうんざりですよね。
 
 
ですので、宿題に取り組む前に、プリントなどの空いているところに
 
 
「ファイト!」
「ここまで終わったらマル付け♪」
 
 
など、と書き込める範囲で書いてから、宿題をスタートさせます。
 
 
時には、息子が大好きなポケモンのスタンプを登場させることも。
 
 
こうすることで、息子の視線はプリントから外れることはなく、周囲に何を置いてあるかはあまり気にならなくなりました。
 
 
また、最後まで終わったら、
 
 
「よく頑張りました!」
「自分でできました!」
「早く終わりました!」
「ていねいに書けました!」
 
 
など、できていたポイントを書きこんで、褒めてあげます。
 
 
この「指示や褒めを文字として残す」のがポイント!
 
 
息子は学校で先生や友達にコメントを見せて、また褒めてもらったり、先生からさらにコメントをもらえたりして、褒めを2倍にも3倍にもすることができています。
 
 
今でも宿題に時間がかかるのは事実ですが、コメントをもらえるモチベーションがあるので、「勉強自体は楽しい、でも量が多い」という感じになってきました。
 
 
 
 

◆②家族一緒に勉強タイム

 
 
私のおすすめは、家族全員で勉強する環境を作ること。
 
 
わが家の場合、下の子はお絵描きやめいろ、間違い探しなどに取り組んだり、私と夫は本を読みながら息子の宿題に付き合ったりして、「家族みんなが机で何かしている」という状況を作っています。
 
 
ほかの家族が机に向かっている姿が目に入るので、本人もその時間になると違和感なく勉強に取り組むことができていますよ!
 
 
この方法については、クイズ番組「東大王」で注目されている鶴崎修巧さんも、テレビでこう語っていらっしゃいます。
 
 
 
(東大生のみなさんはどこで勉強していましたか?という質問に対して)
 
 
「(リビング学習は)母親も父親も何かしら勉強をしている前提で、別に勉強じゃなくていいんですよ。
 
自分のやりたいこととか趣味を極めるとかでもいいんですけど、自分が能力が上がることを子どもに見せていると、子どもも『あ、やろうかな』という気分になる」
 
 
2018年8月15日放送 「東大王SP」より
 
 
 
 
子どもの宿題に付き合ってあげるのももちろん大事ですが、「学ぶ姿勢を見せる」ことも、家族の習慣作り、子どもの意識づくりにはい欠かせないことだと思います。
 
 
小学1年生、これから長い勉強との付き合いが始まったばかりです。これから先、勉強は形を変えながら一生続きます。
 
 
この先、「勉強、キライ!」と思いながら過ごすのか、それとも「大変だけど知識が増えて楽しいよね!」と思いながら過ごすのか。
 
 
最初の環境づくりはとても重要です。
 
 
ぜひおうち全体で学びの習慣をつけることを検討してくださいね!
 
 
 
 
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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