発達障害の娘が服装にこだわりがあり過ぎて困っています。同じお気に入りの服ばかり何度も着たがり、汚れてボロボロになってもお気に入りの服がないと大騒ぎするので捨てるのも大変です。女の子なので汚い恰好はやめてほしいのですが、どうしたらいいでしょうか?
小1・女の子のママ
我が家の発達障害の娘も服装のこだわりがあり大変でした。お母さんとしては服装はTPOや季節に合わせて選んでもらいたいですよね。現在小学三年生になった娘はいまだこだわりがありますが、以前のように困るほどではなくなってきています。これまでの経験をお伝えしますね!
発達科学コミュニケーショントレーナー 笹原みらい
【目次】
1.同じ服しか着ない発達障害の子ども
2.発達障害の子が服にこだわる理由
◆感覚過敏・鈍麻がある
◆いつもと同じが安心するから
3.子どもこだわりを変えない!ママの対応
4.自分で気がついた時が成長のチャンス!
1.同じ服しか着ない発達障害の子ども
相談者さん、こんにちは!
同じ服しか着ない発達障害のお子さんが服にこだわりが強くてお困りとのご相談ですね!
私にも同じように服装にこだわりが強い娘がいるのでお気持ち良くわかります。
我が家には小三の娘がいますが、とにかくこの子が服へのこだわりが強くて同じ服装しかしなかったり、お気に入りの服はボロボロになっても着たがるので私としては恥ずかしくてやめてほしいと思っていました。
たくさん服があるのに、その中から着る服はお気に入りの1つだけ。
そのうえ、一緒に買いに行って気に入って選んだ服でもなぜか着たがらない、ということも頻繁にありました。
また、冬なのに半袖を着たがったり、ミニスカートをはこうとしていたりというように、季節感がおかしい服を着ようとすることもありました。
さらに、娘の場合は、一日何度も頻繁に着替えるということもあり、なぜこんなに何回も着替えるのか不思議でしたし、山盛りの洗濯物をクローゼットにしまうのも大変でした。
ボロボロになった服を捨てようとしても、リサイクルに出そうと思って衣服をまとめて縛っておいた紐を切って開けてまた着ていたり、押し入れの奥深くに隠しても見つけてまた出してきたりと、とにかく大変でした。
こういった服装のこだわりは発達障害のお子さんをお持ちのお母さんから良く聞く話ですね。
どうして発達障害の子どもは服装にこだわりがあるのでしょうか?
2.発達障害の子どもが服にこだわりがある理由
発達障害の子どもが服にこだわる理由をお伝えしますね!
◆感覚過敏・鈍麻がある
発達障害の子どもには感覚過敏がある子が多いです。
触覚過敏がある子だと、
・布の肌触りが気になる
・タグやボタン、縫い目が当たることが不快
・ぴったりフィットする服が嫌
などの理由があります。
また、少し濡れただけでも本人は不快感を敏感に感じるために着替えたくなるということもあります。
発達障害の子どもは暑がりの子どもが良くいますね。
脳の発達に凸凹があるため温度を感じにくいことがあります。
そのため極端に暑がりで冬に半袖を着たがることがあるかもしれません。
◆いつもと同じが安心するから
発達障害の自閉症スペクトラム(ASD)の子は好きなことやものなどへの気持ちが強いです。
それはキャラクターへの愛だったり、同じ服装をすることだったり、こだわりとしてあらわれます。
こだわりはいつもと同じことが本人にとって安心するからなんです。
見通しが立ちにくいASDの子どもは同じ服装をすることでいつもと一緒の安心感を得ていることもあります。
我が子の場合は、感覚過敏が強く、タグなどちくちくするからと嫌がり、いつも切っています。
そのため、袖口にゴムが入っていたりタックが寄っているデザインや、ぴったり体にフィットするようなデザインも苦手なようです。
私が見て同じような服に見えますが、本人にとっては微妙なフィット感や着心地の良し悪しがあるのですよね。
ちょっと濡れることや、わずかな汗も気になって着替えたくなるようです。だから一日に何度も着替えるようなのです。
また、色も好きな色しか着ない、お気に入りのキャラクターが描いてあるものが好きなど、こだわりがあります。
お母さんとしては、いくら好きでも好きなキャラクターの服ばかりを着ることや同じ服装ばかりヘビロテされると世間体が悪いと考えてしまいますよね。
けれど、私はある時からこのように考えて楽になりました。
3.子どものこだわりを変えない!ママの対応
私が楽になった方法は、子どものこだわりを変えようとしない!ことです。子どもにはこんな服装をしてほしいという理想はおしゃれなお母さんならあるかもしれませんね。
前項で説明したように、そもそも、発達障害の子どもが服にこだわるのには理由があるのです。
感覚過敏が辛いし、慣れている服で安心したい。子どもはそんな気持ちかもしれません。
だからこそ、私自身の娘への服装へのこだわりは一旦捨てて、子どものこだわりを理解して認めることにしました。同じ服しか着ない発達障害の子どもをなんとかしようとするのを辞めたのです。
これで気持ちが楽になりました。
そのうえでの対応ですが、子どものこだわりの理由が何か、お母さんがお子さんを観察して、妥協できる案を考えるといいと思います。
娘の場合、気に入った服は色違いや複数買っておくこと。また、もう1サイズ大きいものも買っておくと慣れた服をしばらく着られます。
好きなキャラクターがあり、その絵が描いてあれば喜んで着ることもあります。
私自身はキャラクターものの服は好きではありませんが、子どもが着るなら良しとしました。
また、新品の服よりおさがりの服の方が何度も洗っているせいか柔らかい肌触りで娘が気に入ることが多かったです。
ユーズドの服を探したり、着る前に何度か洗うのもいいかもしれません。
子どもが着てくれるならOKとして、お母さんが「子どものこだわりにこだわらない」ようにすると、お母さんの気持ちが楽になります。
まずは子どもを変えようとするのを辞めてみましょう。子どもが機嫌良く、ママがイライラしないことが1番です。
そのような対応をしているうちに、あることがきっかけで、服装のこだわりが少しづつ和らいできたのです。
4.自分で気がついた時が成長のチャンス
入学して入学して一年生の二学期の頃です。
お友達に「また同じスカートはいているね。」と言われた、ちょっとしょんぼりして話してくれたことがありました。
その時は、「そうだね、お友達はそう思ったんだね。」「どうしたらいいかな?」と話をして終わりました。
その後、お気に入りの服を全部洗濯してしまい着られない日がありました。仕方なく、いままで着たことがない服を着て、怒って機嫌が悪くなりながら学校に行ったのですが…
学校から帰ってくると「〇〇ちゃんにこのスカートかわいいって言われた♪」とニコニコ嬉しそうに話してくれました。
そこで、「同じ服ばかりだから、たまには違うのを着てみたら?」というアドバイスをしたところ、耳を傾けられるようになってきました。
そのタイミングで
・新しい服を買ってお気に入りだった古い服を処分
・どうしても捨てられない服は「家の中限定で着る服にする」と約束
と、していくことができるようになりました。
小学生になると、周りの定型発達の女の子は友達のことも良く見えてきます。
そこで「同じ服装ばかり」と指摘をされたり、反対に「かわいい服だね」と褒められたりすることがあるのです。
この出来事をきっかけに、周りから褒められるのはうれしいから新しい服も着てみようと感じたようです。自分で気がついた時が成長のチャンスです!
親が一方的に「この服はおかしい!」「これを着なさい!」などと指摘したり命令するより、自分で気が付いてこうしようと思うことで行動が促されると感じました。
また、体育の時は着替えやすい服装にすることや、朝起きて今日の気温をスマートスピーカーに聞いて、寒くなりそうだから長袖がいいなど、成長とともに段々と自分で考えられるようになってきました。
だから、相談者さんのお子さんもきっと成長とともに自分で気が付くこともあるかもしれませんし、感覚過敏も和らいでくるかもしれません。
少し成長が見られた時期に親ではない他の人にお願いして、違う服を着た時に褒めてもらうようにするのもいいかもしれません。
相談者さんもお子さんの成長を信じてみてくださいね!
相談者さんの子育てが楽しいものになるように願っています!
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執筆者:笹原みらい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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