発達障害(アスペルガー傾向)のお子さんがトイレが怖くて入れないのはなぜ?とお悩みではありませんか?初めての場所だけでなく、よく使うトイレでも怖いと感じてしまう理由と対応法について実体験をもとに、お伝えしていきます。
【目次】
1.トイレが怖くて行きたいのに行けない!怖いからできない!
外出先で、明るくきれいなトイレなのに、お子さんが「このトイレ怖い!」とかたくなに入りたがらないということはありませんか?
我が家の発達障害グレーゾーンの娘は、外出先でトイレに行くことが苦手です。
暗くて汚いトイレなら怖いというのも理解できます。
しかし、よく行くショッピングモールのトイレやコンビニのトイレなど比較的綺麗で清潔な場所でも、以前は怖がってパニックのようになってしまい、本当に限られたトイレしか利用できませんでした。
発達障害についてまだ知らなかった時は、なんとか怖くないことを言い聞かせてみたり、
「怖いことないから!」と無理矢理連れて行ったりしてみました。
「なんで娘はトイレが怖いんだろう。」
「初めて使うわけでもないトイレのどこに恐怖を感じるポイントがあるんだろう。」
と、娘が怖がる理由を全く理解できていなかった私は、
「ほら!明るいしキレイだよ!」
「キレイなお花が飾ってあるよ!」
「いい香りがするね!」
など、私は怖くない理由を丁寧に説明していました。
それでも余計に泣き叫んでしまうだけで、結局トイレはできませんでした。
別の場所でトイレを探したり、家に戻るなどの対応が可能な場合はまだ良いのですが、近くにそのような場所が見当たらない場合には、「ここにしかトイレはないのにどうしたらいいの!」とママも困り果ててしまいますよね。
そこで、なぜトイレが怖いのか、またその際の対処方法についてお伝えしていきます。
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2.発達障害の子が「トイレが怖い」のはなぜ?
◆①特有のこだわりの強さがある
発達障害のアスペルガー傾向(現在は自閉症スペクトラム障害(ASD)に含まれる)の子どもの特性として、こだわりが強いという傾向があります。
日頃からお子さんの「こだわりの強さ」に悩んでいるということはありませんか?
ASDの子どもは、決まった道順や順番、手順にこだわったり、思っていたことと違ったり、急にスケジュールが変わるとパニックになったり、行動の切り替えが苦手だったりという事があります。
このこだわりの強さと、トイレが怖いと感じるポイントには、全く関連性がないように見えますよね?
実は、ASDの子どもからすると、最近のトイレはメーカーによって色々な装置が付いていて、予測できない動きをするものが多く、決まっているものや、予測通りのものでないとイヤ!
というこだわりの強い特性の為に、必要以上に恐怖を感じてしまっている場合があるのです。
こだわりは不安があると強くなるため、不安の原因はなるべく取り除いたり、やわらげたりしてあげると、入れるトイレが増えるかもしれません。
例えば、我が家の娘の例で言うと、外出先のトイレで娘が入れそうなトイレだった場合、必ず私を一緒に個室に入らせて、先に私を便座に座らせるというこだわりがあります。
この一緒に個室に入って、先に私が便座に座るという事をして見せると、「次私やってみる。」という行動につながることがあります。
この行動に、不安の原因を解明するヒントが隠れていました!
◆②見通しがつかないこと、感覚過敏からくる不安がある
では、何が不安の原因となっているのかというと、先ほどお伝えした通り、トイレ機能の動きが読めず見通しがつかないというのが原因になっています。
最近のトイレは、機種によっては近づいただけで便器内に水が流れたり、便座に座ると機械音がしたり、姿勢を変えると水が流れたりという機能があるため、ASDの子どもにとっては、予想できない動きが多く怖いと感じているのです。
その為、娘は先に私を便座に座らせることで、機械の音や動きをチェックし、何も起こらない事や水が流れるタイミングなどを確認していたのです。
また、感覚が独特なため、不安や恐怖を感じていることもあります。例えば、
・便座のフタに書かれている注意書きを見ると、警告されている感じがして怖い
・水の流れる音が大きくて怖い
・においが違う
など、私にしてみれば何とも思わないことを怖いと感じているのです。
また、ネガティブな記憶が強く残りすぎてしまう傾向もある為、一度怖いと感じてしまったトイレや、似たような場所には恐怖の感覚が記憶されてしまい、「このトイレは怖いから行きたくない!」となってしまうのです。
3.なぜトイレが怖いのか?に共感して対処法を探ろう!
子どもの発達について勉強していくうち、発達障害のアスペルガー傾向を持つ子どもに、怖いと感じている「感じ方」を、言葉で説明することで変えさせることはできないことを知りました。
怖いと感じている子どもに対して、「全然怖くないよ、大丈夫だよ」と声をかけたとしたら、子どもは自分の言うことを否定されているように感じてしまいます。
まずは怖いという気持ちを否定せず、受け止めることから始めましょう。
そこで、娘が落ち着いているタイミングを狙って、どのようなトイレなら怖くないのか、詳しく聞いてみることにしました。
娘の話をまとめると、このようなポイントが分かりました。
◆怖くないトイレのポイント!
・フタがない
・ウォシュレットなどの機能がついていない
・明るい
◆怖いトイレのポイント!
・便座のフタに注意書きが書かれている
・センサー感知でフタが自動開閉したり、音が流れたり、水が流れたりする高機能トイレ
・水を流す時どこを押すのかわかりにくい
この怖いと感じていたポイントを確認できたことで、こちらでフォローできることが見えてきました。
4.我が家はこれで対処!怖さを克服する具体的な対応
では具体的にどんな対応をしたのか、次に述べていきますね。
◆便座のフタに注意書きが書かれている場合
一緒に個室に入り、トイレットペーパーでフタに書かれた文字の部分を隠してあげることにしました。
こうすることで娘は落ち着くことができ、これでほとんどのトイレが利用できるようになりました。
◆センサーで自動的に操作される場合
座ると機械音がしたり、水が出たりする場合には、電源を切って動かないようにすることで、恐怖心が薄くなることもわかりました。
こちらのサポートがあれば格段に使えるトイレが増えました。
◆水を流すときどこを押すか分からない場合
水を流す場所についても、一緒に個室に入ることで、このタイプのトイレはここに流すボタンがあるね!など、フォローすることで、使ってから流せなかったらどうしようという不安は取り除くことができました。
発達障害、グレーゾーンのお子さんは、耳からの情報よりも目に見えることの方が情報として入りやすいことがあります。
言葉で説明しても落ち着けない、不安が取り除けない場合には、目で見て大丈夫なことが伝わる工夫が大切です。
我が子に行った対応が、解決のヒントになれば幸いです。
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成瀬まなみ
この記事を書いた人
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー
成瀬まなみ
元経営学大学院(ビジネススクール)勤務:企画・生徒支援
癇癪・行き渋り・不登校など、学校がつらい子に悩む小学生の保護者に向けて、
脳科学・発達科学にもとづく家庭での関わり方で、子どもが「自分で切り替え、選び、動ける状態」へ回復していくサポートを行っています。
これまでに個別相談400件以上、4年間の支援実績。
自身も、子どもの癇癪・登校しぶり・不登校を経験した母のひとりです。
当時は「学校に行かせなきゃ」と必死でした。ですが、ビジネススクール勤務で出会った、自分軸を持ったリーダーたちの姿から、本当に大事なのは、学校に行かせることより“自分で考え、選び、動ける力”だと思い直し、関わり方を見直しました。
すると約1ヶ月で回復のきっかけをつかみ、学校復帰へ。
その後は志望校に出会い中学受験に挑戦。夢に向かって頑張れる子へと成長していきました。
こうした経験をもとに、家庭のコミュニケーションを通して子どもの脳の発達を将来の「働く力」へつなげる「おうちキャリア教育」を発信しています。
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執筆者:成瀬まなみ
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)