行事が多く忙しい2学期のこの時期、発達障害の子どもは何かとストレスを抱えがちです。その悩みや不安、おうちでしっかり聞いてあげませんか?ここでは、お母さんが子どもの話を上手に聞く為の、話の聞き方とコツをご紹介したいと思います。 |
【目次】
1.学校での子どもの様子、ご存知ですか?
2.発達障害の子どもの悩みを解決したい!でもこんな対応はNGです!
3.しっかり話を聞くことの効果とは?
4.「聞き上手なお母さん」になるための話の聞き方のコツ3つ
◆「ながら聞き」はしない
◆「オウム返し」で聞く
◆「促す言葉」をはさむ
1.学校での子どもの様子、ご存知ですか?
2学期が始まり、お子さんの様子はいかがですか?運動会なども終わり、一旦はホッと一息つく頃でしょうか。
しかし、この夏休み明けも新型コロナの流行で、オンラインでの授業や分散登校など、普段とは違う生活スタイルに対応できず、子どもは常に不安だったかもしれません。
発達障害の子どもたちにとって、こうした環境の変化は大きなストレスになります。
それにも関わらず、未だマスクが必須だったり、感染への不安から先生や友だちと物質的にも距離があり、コミュニケーションがうまくとれず、
学校で自分が困っていても、なかなか相談できていない可能性もあります。
お母さんも、
「学校でトラブルなく過ごせているだろうか…」
「勉強はコロナ休校の影響で進みが早いと聞いているけれど、ついていけているだろうか」
と色々不安ですよね。
そこで、通常授業に戻り始めた今、改めて子どもの学校生活に目を向けてほしいと思います。
もしかしたら、お母さんも普段はお忙しくて、なかなか子どもの話を聞いてあげる時間が十分に取れないかもしれません。
でも今この時期だからこそ、お子さんの話をしっかり聞いてあげてほしいのです。
子どもの困りごとを把握して解決することができれば、これからの学校生活はスムーズに行くはずです。
この記事では、おうちでお母さんが子どもの話を聞くときのポイントについてお伝えします。
2.発達障害の子どもの悩みを解決したい!でもこんな対応はNGです!
最近子どもが、ちょっと元気がない様子。
どうしたんだろうと、子どもに声をかけたらネガティブな言葉ばかり…
発達障害の子どもたちは、環境の変化についていけず、不安で自信がなくなっているのかもしれません。
こんなときお母さんは、どんな対応をすればいいでしょうか。
話を聞いてみると、子どもの困りごとの内容によっては、
「どうしてそんなことで悩んでるの?」
「そんなこと悩んでも仕方ないじゃない」
と思ってしまうことかもしれません。
だからと言って、お母さんが 「そんなことで悩んでも時間の無駄!」 というような態度で接したら子どもはどう思うでしょうか?
ここで一旦、お母さんの立場で考えてみましょう。
子どものことで悩んでいて、お父さんに相談したとします。真剣に話しているのに、もしスルーされたら悲しくなりますよね。
「こんなに悩んでるのに、ちょっとくらい聞いてくれたっていいじゃない!」
「他人事だと思って!」
こんな風に感じませんか?
真剣な悩みを取り合ってもらえないと、信頼関係にヒビが入る恐れがあります。
困りごとの難しさや重要度は人それぞれ。たとえそれが大人にとっては、取るに足らないことでも、子どもにとっては夜も眠れないぐらい重要なことなのかもしれません。
お母さんが自分の感覚を押し付けると、子どもに 「お母さんには、どうせ分かってもらえない」 と不信感を抱かせてしまいます。
すると自分の殻に閉じこもり、話をしてもらえなくなるかもしれません。
3.しっかり話を聞くことの効果とは?
お母さん自身も、何かに悩んだとき誰かに愚痴を言ったご経験があると思います。
人間の脳は、容量オーバーになると情報を整理したくなります。
その整理方法の1つが「愚痴」。誰かに話すことでアウトプットしているのです。
愚痴を言ったら劇的な解決策がひらめいた!というわけではないと思います。
一方で、愚痴を言ったことで少し気分がスッキリした、というご経験はみなさんお持ちだと思います。
その時、自分の話を否定されたり、アドバイスばかりされると「スッキリ感」は得られませんよね。
子どもも同じです。お母さんが「自分の話をしっかりを聞いてくれた」と満足できたら、スッキリして気分が変わると気持ちに余裕ができて、悩みに対する考えが変わることもあります。これが重要です。
4.「聞き上手なお母さん」になるための話の聞き方のコツ3つ
では実際、子どもと話をするとき、お母さんはどんな事に気をつければいいのでしょうか?
◆「ながら聞き」はしない
まず一番大切なのは、スマホを見ながらや家事をしながらではなく、相手に体を向け、子どもの話を聞くことに集中することです。
お母さんは「真剣に聞いているよ」と態度で伝えましょう。
子どもも大人と同じで、まずはアドバイスが欲しいわけではなく、ただ否定されることなく、ありのまま自分の話を聞いて、共感して欲しいのです。
◆「オウム返し」で聞く
オウム返しで子どもの話を聞くと、子どもがお母さんが聞いてくれていると感じどんどん言葉が出てきます。
「隣の席の子がうるさくていやなんだ」
「そうなんだ、隣の席の子がうるさくていやなんだね。」
「僕はうるさいとイライラしてくるんだよ!」
「そうか~、うるさいとイライラしてくるんだね。」
とこんな調子です。
このように、テンポよく会話することで、コミュニケーションに大切な会話のキャッチボールをする練習にもなり、自分の気持ちに気が付くこともあるのです。
この時に気をつけたいのは、口を挟まないこと!
特に発達障害があり、言葉がゆっくりなタイプの子どもだと、話が上手に整理されず「つまりどういうこと?わからない」と、ついつい口をはさみたくなってしまいます。
話すこと自体が苦手だと、全部話せないうちに疲れてしまうこともあります。 反対に言葉がよく発達しているタイプだと、次から次へ話題が変わるかもしれません。
お母さんの方がついていけず、「ちょっと待って!」と中断させてしまいがちです。
ですが、そこは我慢です。
お母さんが言いたいことは後回し。 まずは最後まで話を聞きましょう。
◆「促す言葉」をはさむ
子どもの話に対して口をはさむのはNGですが、先を促す言葉をはさみ「全部吐き出させる」ことで、
子どもは心理的にも満足感を得られ、脳は整理されてスッキリします。
「そうなんだね、それから?」
「そうだったんだね、他には?」
「そう思ったんだね、それで?」
この時大切なのは、子どもが言いたいことがうまく言えず時間がかかったとしても、しっかり待って好きなだけ話させてあげることです。
そうすることで「お母さんが話を聞いてくれた」と安心し落ち着くことができ、子どもは気持ちに余裕が生まれます。
そうすれば悩みがすぐに解決されていなくてもOK!必要以上に悩んだり自信を失ったりすることは避けられます。
お母さんが、おうちでカウンセリングをする時は、子どもが自分の気持ちを整理して、気持ちの余裕を作ることを優先してあげてください。
この機会に、子どもの悩みにとことん向き合ってみませんか?
コミュニケーションが上手くいくと、親子の信頼関係も深まります。
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発達障害の子どもの長所を伸ばす対応をご紹介しています!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)