発達障害・自閉症スペクトラムの子どもが、薄着へのこだわりを克服したママの声かけとは?

冬でも短パン!発達障害や自閉症スペクトラム、アスペルガーの子どもに多いですね。 ママとしては「風邪ひかないかな」など心配です。 彼らはなぜ薄着にこだわるのでしょうか? どのように対応したらいいのでしょうか? ママの声かけのコツを伝授します!
 

【目次】

 

1.自閉症スペクトラムの娘のこだわり「冬でも短パン!」

 
 
私の娘は自閉症スペクトラム(以下、自閉っ子と呼びます。)で、現在9歳です。支援学級に通う小学3年生です。知的障害もあります。
 
 
年長さんの時は、驚くほど薄着で、保育園からは「寒そうなのでちゃんとズボンを履かせてください」と言われたこともあります。
 
 
当時私は「自閉っ子で感覚過敏で本人履けないのだから仕方ないじゃないか!」 と思っていました。
 
 
 
 
とはいえ、先生に言われるとプレッシャー…
 
 
「先生が履いてって言っているから!」と一生懸命言い聞かせても、娘の好きな「ピンク」を用意しても、感覚過敏対策で柔らかい生地のズボンを買っても、全く履いてくれませんでした。
 
 

2. 発達障害や自閉症、アスペルガーの子どもたちに多い薄着。なぜなの?

 
 
短パンに限らず、薄着にこだわる子どもたち。なぜなのでしょうか? 大きな理由を3つお話しします。
 
 

◆①寒さや暑さを感じる脳が育っていないから

 
 
脳の特性上、本人たちは、本当に寒さに鈍感なのです。平気で真冬でも短パンを履きます。周りに何を言われても本人は寒くないのであっけらかんとしていることがよくあります。
 
 
脳の成長とともに寒さを感じる脳も育ってきますので、大人からは寒そうに見えても本人が寒がっていないのであれば、無理して履かせようとしなくて大丈夫です。
 
 

◆②感覚過敏で長ズボンが履けないから

 
 
感覚過敏とは、発達障害や自閉っ子の特性の一つで、触覚・聴覚などの感覚刺激を人よりも敏感に感じることです。
 
 
小さな洋服のタグがチクチクして痛い!
掃除機の音が不快な音に聞こえる!
 
など本人は苦痛となることがあります。
 
 
長ズボンの布の触感が痛く感じるなど、感覚過敏で履けないお子さんには、無理して履かせなくて大丈夫です。
 
 
感覚過敏のある子は、あくまで本人は痛いなどと感じているので「痛くないよ!」とか「寒い時は長袖!」という声かけは通じません。
 
 
こういった声かけをすると、「わかってくれない!」とパニックになったり、本人のこだわりをさらに強くしてしまったりして逆効果です。環境を調整したり不安にさせないことが大事です。
 
 

◆③こだわりにこだわるから

 
 
発達障害や自閉っ子の特性で、こだわりが強いということがあります。
 
 
例えば、「幼稚園には短パン!」と本人が決めてこだわっていて、周りに言われてもパターンを変えられず冬でも短パンを履きたがるというお子さんが一定数います。
 
 
中には、長ズボンを「痛い痛い!」というので、感覚過敏だし仕方ないと思っていたら、着られる日もあるといったケースもあります。
 
 
このタイプのお子さんにも「(昨日履けたし)今日も寒いから履こう!」と説得しても履いてくれず、逆にパニックやかんしゃくが起きてしまうことも多くあります。
 
 
 
 
このように、発達障害や自閉症、アスペルガーの子どもたちが薄着にこだわるのは、彼らの特性が関係しているのです。
 
 
では、ママはどのように対応したらよいのでしょうか?
 
 

3.ママの声かけのコツ。否定しない!褒める!

 
 
私が実践してうまくいった声かけは2つ。「否定しない!褒める!」の2つだけです!
 
 
まず、こだわりを否定しない! とにかく、こだわりを否定しないことです。
 
 
ママが笑顔で「長ズボン嫌なんだね。」と否定せず肯定していきます。
 
 
本人が「履きたくない!」などと言うのであれば
 
「履きたくないんだね。」
「そう感じるんだね!」
「痛いんだね。」
 
共感してください。
 
 
本人が説明できない場合は、ママが代弁してあげて「履きたくないんだね。」「嫌って思うんだね。」と声をかけます。
 
 
「今日は寒いでしょう!」「風邪ひいちゃうでしょう!」と大人の意見を言うのは一旦止めてくださいね。
 
 
思い切って、寒そうな格好でもお出かけしちゃいましょう。外にでて「寒い!着る!」と言うようであれば、「そうだね!」とさらりと着せてあげればOKです。
 
 
ここで「だから言ったでしょう!?」となるとお互い感情に巻き込まれてきますので、グッと言いたくなるのをこらえて、「履けたね!」と褒めてくださいね。
 
 
褒められると、自閉っ子の脳にも成功体験になったり、これっていいことなんだという記憶が結びつきやすくなります。着られた時には褒めるようにしましょう。
 
 
最初の1ヶ月はとにかくこだわりを否定しない!共感し肯定する。これをベースに過ごし、もし着られたら全力で褒める、これでOKです。
 
 
 
 
次に、笑顔で伝えて褒める!
 
 
こだわりを否定されないと、1ヶ月ほどで子どもが自信や素直さがでて、ママの言うことを聞き入れやすくなっていると感じると思います。
 
 
もしまだ聞き入れてくれないなぁと思うようであれば、肯定的な関わりができているかチェックしてください。
 
 
まだこだわりに対して否定的になってしまっていると感じるようであれば、こだわってしまう場面も笑顔で受け止めて、「否定しないで肯定する」を続けてください。
 
 
前よりも聞いてくれるなぁと思ったら、指示を入れてみましょう。笑顔で「今日はこのズボン履こう!」とお子さんと伝えてみてください。
 
 
「履かないよ」と言うであれば、「OK!」といつもの服を着せて、その場は終了してください。
 
 
もし「いいよ!」と言ったならば「かっこいいね!」「嬉しいな!」と満面の笑みで褒め言葉をかけ、一緒に履いたり、近くで履くのを見届けてさらに褒めてくださいね。
 
 
このように、「否定しない!褒める!」という声かけを積み重ねていくことで、親子の会話がスムーズになり、娘は私の提案や言うことを徐々に聞き入れてくれるようになりました。
 
 
そして、長ズボンも履くようになったのです!ついに冬の短パンを卒業です!
 
 
セーターやジャンパーも自ら着られるようになり、こだわりを克服することができました! さらに、薄着問題だけでなく、自ら手を洗うようになったり、とっても素直になりました。
 
 
素直になると、ますます親子のコミュニケーションがスムーズになっていき、自分で出来ることが どんどん増えていきました!
 
 
季節は春ですが、まだまだ気候が不安定で寒い日もあります。薄着問題で悩んでいるママさん。声かけのコツ、「否定しない!褒める!」をぜひやってみてください。
 
 
 
 
最後に。 しばらくしたあとで判明したことがあります。
 
 
あれほど短パンにこだわっていた娘ですが、いつからかは分からないですが、保育園では長ズボンを履いたというのです(笑)!
 
 
家では絶対履かないというのは、本人の中で「家では履かない」「ママとは履かない」と言うこだわりだったのです! 「なんだよ~!」「そうだったのか!」と笑えました!
 
 
自閉っこの子育ては、おもしろいですね!
 
 
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執筆者:今川ホルン
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
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