発達障害の傾向がある子どものことで学校や外部で支援を受けたいのですが、父親の理解がないため物事がなかなか進みません。どのように説得していけば良いでしょうか?
5歳・女の子のママ
どこのご家庭にもありがちなことかと思います。子どもの成長は待ったなしです。早めに動きたいところですよね。今回は、お父さんの理解を得られるように奮闘した我が家の実例をお伝えします。
発達科学コミュニケーションリサーチャー みずおち梨絵
【目次】
1.子どもの発達障害傾向を受け入れられない?
お子さんに発達障害の傾向があると、まずはご夫婦でお子さんの状況を共有しようとされるママも多いのではないでしょうか?
それもそのはずですよね。大切なお子さんの一番近くにいる母親と父親なわけですから!しかし、なかなか父親の理解がないと悩まれておられるお母様も多いのが現状です。
例えば、
・どんなに子どもの状況を説明しても聞いてくれない
・自分の子どものときと同じだから大丈夫という
・お母さんの気にしすぎだと責める
・自分の子どもを障害者にしようとしていると怒り出す
など、父親の理解がないことで、支援につなぎたくても足踏み状態のお母さんがおられます。
子どもの成長は待ったなし!父親の理解を得るために時間を使う間も、お子さんの成長は日々進んでいきます。
しかし、父親の理解がないこともわからないわけではありません。
学校や園と面談するのも参観する機会が多いのもお母さん。子どもとの過ごす時間が長いのも、同じ年齢の他のお子さんと接する機会が多いのも全てお母さん。
子どものちょっとした異変を感じる近さでいるのは圧倒的に母親なのですよね。
ですから、急に子どもに疑いをかけられた父親の理解が追いつかないのも仕方がないのかもしれません。
我が家もこのありがちな父親の理解がないという道を通ってきました。
父親の理解でお困りのお母さんに、今回は我が家の実例を挙げて父親対策をお伝えします。
もちろん、ご家庭により事情は様々かと思います。一つの例として参考にしていただけたら幸いです。
2.考えすぎ!気にしすぎ!に惑わされた私
ここで我が家の話をさせていただきます。
前項で、我が家も子どもの発達が気になったときに、父親の理解がない道を通った!とお伝えしました。
そうなんです!当初、理解がない状態だったので、私が子どもの発達の話をすると、途端に不機嫌になり、話を聞かなくなり、最後は夫婦で言い合いの喧嘩をしていました。
そして、決まって最後に言われる言葉が、「気にしすぎ!いつもそんなことを考えて育児しているの?〇〇(私)が子どもを見たらみんな障害者になるね!」でした。
当時の私は、初めての育児ということもありわからないことだらけ、ましてや発達に関して全く知識もありません。
しかし、明らかにこの子には何か気になるところがある!という直感的なものが強く働いていました。
その自分自身が感じていた直感的なものを説明する能力もなかったので、旦那さんの理解が得られないことの原因の一つであったと反省しています。
しかし、どんなに支援を受けようと相談しても、話し合いはいつも平行線のまま。私自身も夫の理解が得られないことで足踏みする状態が少しの期間続きました。
しかし、目の前の子どもは日々成長していきます。夫の理解がないけれど、この自分が感じていた直感は信じても良いはずだ!と常々思っていました。
そこで私はもう夫に理解を求めることを後回しにしたのです。その当時の私からしたら、大きな決断であったと感じています。
自分の直感が外れていたら超ラッキー!
もし当たっていたら適切な支援につなげることができる!
どちらに転んでも、夫の理解を求めることよりも大切だと感じました。
実際、後になって思うことは、自分の直感を信じて良かったですし、何より夫の理解を得る時間を優先しなくて良かったということです。
実際に私が行なった行動を次項で説明します。
3.理解がない父親にはこう動く
確かにご主人が理解してくれて、夫婦で一緒に対応していくことがベストです。
しかし、かたくななご主人を説得し理解してもらうことは本当に難しいです。時間もかかります…
そこに時間をかけているのは正直申し上げて勿体無い!
私がおこなったのは次の2つです。
◆①子どものことを第一に!事後報告で動く
急に子どもの発達の課題を突きつけられて、混乱しているご主人の理解を得るにはそれなりの時間がかかります。
ですので、発達相談も、療育探しもまずは自分で足を運び繋いでいきました。
その中で、情報収集しながら、我が子の発達の状況と照らし合わせて夫の理解を得るときの材料を集めました。
夫がお休みの日に子どもを連れていくこともあったので、公園・遊び場に行ってくると伝えていたと思います。
実際の行き先は支援センターでした!
また相談に行った先で、夫がなかなか理解してくれないことを伝えました。ありがちな内容ということもあり、共感していただき気持ちを理解してもらうことができました。
お母さんが一人で頑張っているので、自分の気持ちに共感してくれる人がいるだけで救われます。
そのような存在は一人でも多い方が良いですよ!
◆②自分の目で納得してもらう
学校や園の参観、習い事の付き添いなどママが中心となって動かれているご家庭も多いと思います。我が家もそうでした。
そこで、他の子どもとの違いを理解してもらうために、夫にお願いしてみました。
やはり、話で聞くだけよりも実際の場面を見てもらった方が納得する人は多いと思います。
また、発達検査の結果等があれば、数値化されていて、凸凹なども理解がしやすいかもしれません。
男性からしたら、もしかすると発達検査のように数値化されて論理的な見解が書かれているほうが理解をしやすいのかもしれませんね。
怒り出す人もいるかもしれませんが、その場合には、ドクターから子どもの状況と困りごとを伝えてもらうようお願いするのも方法の一つです!
我が家もそのような険悪な状況を経験しましたが、現在では夫も理解があり、療育や支援方法についても一緒に考えて進めていくようになりました。
今では子どものことを一番に考えてくれ、動いてくれるようにもなりました。
しかしながら、私自身が、自分で動くことがどうしても身についてしまっているようで、いまだに事後報告のことは多々ありますが…
どうであれ、全ては大切な子どものためです!それだけを忘れずに、お母さんもお父さんも同じ方向を向いて進めていけるといいですね。
今、悩まれているお母さんたちの心が晴れ、お子さんを適切な支援につなげることができるよう祈っています。
理解を得るのに大変なのはお父さんだけではありません。こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)