「どんなときも子どもファースト」~発達障害・グレーゾーンの子どもの小学校生活をスムーズに送るための子育て軸~

発達障害・グレーゾーンの子育ては一筋縄ではいきません。お母さんも心配が尽きないですよね。お母さんが子育て軸を持つと問題が起こっても対応に迷いません。小学校入学を「子どもファースト」の子育て軸で乗り切ったお母さんにお話を伺いました。
 

【目次】

 

1.小学校生活を乗り切るための作戦とは?

 
 
発達科学ラボリサーチャー・森さんの息子さんは発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプ小学校1年生
 
 
もともと支援級を希望されていましたが、就学相談を経て通常級(通常学級・普通級)に入学されました。
 
 
今回、この1年を振り返って、就学相談や入学準備、入学後の先生との協力についてインタビューさせていただきました。全4回でお届けしています。
 
 
第1回は就学相談、第2回は入学後の行きしぶり、第3回は授業中の立ち歩きについてお話しいただきました。
 
 
 
 
 
 
今回は最終回。入学前から心配されていた立ち歩き問題が解決し、行きしぶりも解消した森さん。
 
 
今後の小学校生活や子育てについてお聞きしました。
 
 

――今後一番心配なことは何ですか?

 
 
「立ち歩き問題も行きしぶり問題も1学期で解決したのですが、長期休み明けや進級の際はまた再発するかもしれないなと心配しています。
 
また、息子のお友達から『〇〇くん変わってる』というようなことを言われることもあり、そういうことを気にするようにならないかな、というのが心配しているところです。
 
特に体力がなく、運動会の練習がきつかった、という思い出がインプットされてしまったので、来年以降も運動会の季節には悩みそうです。」
 
 
運動会が大きな課題だと判断された森さん。来年は運動会をどう乗り切るのか、作戦を教えていただきました。
 
 
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――来年の運動会を乗り切る作戦はありますか?

 
 
「大体ゴールデンウィーク明けから運動会の練習が始まるので、ゴールデンウィークの後半はゆっくり休ませようと思います。
 
また、その時期は宿題や習いごとはほどほどにして、無理そうなら休ませる『体力温存作戦』で行こうと思います。
 
運動会がネガティブなものになってしまったので、撮影したビデオを見せながら、『ダンス凄く頑張ったよね!』と声かけして、ポジティブなものにすり替えて行こうと思っています。
 
また、その時期はとにかく発達科学コミュニケーション(発コミュ)を頑張ろうと思います!」
 
 

――来年の運動会シーズンはスムーズに乗り切れそうですね!お友だちとの違いが気になってくる時期かと思いますが、どんなふうに対応しようと思っていますか?

 
 
「最近テレビの影響で、『みんな違ってみんないい』とよく口ずさんでいます。
 
本人がお友だちとの違いに気がつき始めたら、その言葉を使って、あなたにはこんないいところがあるじゃない、みんな違ってみんないいんだよ』と伝えていきたいです。
 
苦手なことは他に頼むけれど、他の人が苦手なところはあなたが手伝ってあげればいいんだよ、と本人に伝わればいいと思います。」
 
 
 
 
◆ポイント解説
 
「あなたにはこんないいところがある」と一番伝えてあげられるのはお母さんです。
 
 
苦手なところではなく、いいところを認めてどんどん伸ばす「発コミュ式」子育てを実践される森さん。
 
 
息子さんは得意な部分を生かして自信をつけ、他のお友だちを助けられる人に育つはずです!
 
 
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2.「子どもファースト」~発達障害・グレーゾーンの子育て軸とは~

 
 

――最後に、年長さんのママに、就学についてアドバイスをお願いします!

 
 
「学校生活がうまくいくための最大のポイントは『母親がオロオロしすぎない』ということに尽きるかなと思います。
 
私の場合、就学相談後の判定会議で通常級に進学することが決まって、ほっとしました。でも同時に『本当に大丈夫かな?』と急に焦りが出てきて…
 
そこでいろいろと検索して、吉野加容子先生と『発達科学コミュニケーション(発コミュ)』にたどり着いたんです。
 
もし判定会議で支援級に、となっていたら、発コミュには出会わなかったかもしれません。
 
入学後のいろいろなトラブルも、発コミュに出会っていなければうまく乗り切れなかったと思います。
 
今振り返ると、なんだか運命的ですよね!
 
小学校は、園の生活と全く違い、学校での情報があまり入ってこず心配は尽きないし、予想外の特性が目立ってきたり、子どもが疲れて行きしぶりや欠席したいと言ってきたりすることもあると思います。
 
こんなときは親も凹むんですが、そんなときこそ子どもの話をよく聞いて、しんどいときにはしっかり寄り添ってあげることが大切だと思いました。
 
自分のなかで『子どもファーストでいく』としっかり決めたら、それを貫く強さもお母さんに必要です。
 
できなかったら叱るのではなくて、『かっこいいじゃん!』と少しでもできたらほめる、成功体験を積ませてあげるのが大切だと思います。
 
小学校に入るというのは親にとっても子どもにとってもものすごく大きな壁です。でも子どもにとっては、昨日の自分とさほど変わっていないのに、いろんなことを求められるとものすごくしんどいです。
 
あれこれ求めず、子どもがやりやすいものから少しずつ頑張って、しっかりほめるのが大事かなと思います。
 
他の子どもと比べたくなるけど、お子さんの中での成長をしっかり観察してあげて、できていることを伸ばしてあげることが大事です。
 
そのためにはお母さんがしっかり『子どもファースト』という軸を持つこと、『まあ、これは今はできなくてもいっか』を言える心の余裕を持てるといいなと思います。」
 
 

――森さん、ありがとうございました!

 
 
◆ポイント解説
 
年長さんのお母さんは、これから就学に向けて本格的な準備が始まります。心配したり悩んだりされることもあると思います。
 
 
そんなときに子育て軸を持っていれば、その軸に従って判断することができます。
 
 
森さんがおっしゃった「子どもファースト」という軸で考えてみませんか?
 
 
「できること・できないこと」を他の子と比べたり、「もうすぐ小学生だから!」と子どもに求めたりするのではなく、今のありのままの子どもを認めてあげることが大切です。
 
 
ありのままの子どもを認めて、他の子と比べてではなく、子どものなかでの成長をほめて自信をつけてあげてください。
 
 
 
 
子どものありのままの認める声かけや対応について悩まれたら、発達科学コミュニケーション講座を受講するのも手です。
 
 
「子どもファースト」でありのままの子どもを認めて、しっかりと自信をつけて小学校入学を迎えましょう!
 
 
「子どもファースト」の対応について学べます

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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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