発達障害グレーゾーンの子どもの無口や会話の苦手さに悩んでいませんか?特に、アスペルガータイプの場合は、会話が続かないことが多いですよね。実は、コミュニケーションの発達に必要な「伝わる経験」と「要求」を意識した対応を行うことで会話がスムーズになるんです!
【目次】
1.発達障害・アスペルガーの子どもと会話が続かない
2.コミュニケーションの発達について
①言語発達の前から、コミュニケーションの発達が始まる
②言葉は「要求」から獲得される
3.会話量を増やす3ステップ
①「伝わった」という成功体験の蓄積
②オーバーリアクションで反応する
②子どもの「要求」を取っ掛かりにする
1.発達障害・アスペルガーの子どもと会話が続かない
我が家には、発達障害グレーゾーン・アスペルガー傾向の小学校6年生の息子がいます。
幼い頃から、繊細さは持ち合わせているものの、とてもひょうきんで明るく、どちらかというと育てやすい子でした。
しかし、言葉で自分の気持ちを伝えたり、状況を説明したりすることが、あまり上手ではありませんでした。
「男の子だから、こんなものなのかな」、「大きくなると話せるようになるかな」等と思って、様子をみていました。
しかし、小学校中学年、高学年になっても、会話は苦手で無口なままで、意思表示はあまりせず、自分から何かを伝えるということがありませんでした。
また、何か聞いても「分からない」「どっちでもいい」の返答が目立ち、会話が続かないのです。
親としては、学校であった楽しかった出来事や嫌だった出来事何でも良いので、沢山会話をしてコミュニケーションをとりたいですよね。
お友達とのやりとりを聞いていても、話を聞いていることが多く、お友達の問いかけに軽く返事をしたり、薄い反応ばかりでした。
意思表示もせず無口な子どもに、友達が物足りなさを感じているのでは?と心配でなりませんでした。
小学校高学年と言えば、人に合わせるだけでなく、自分の意思をきちんと持ち自己主張するようになる時期ですよね。
お友達は、あんなにもしっかりして意欲的にリーダーシップを発揮しているのに、我が子はどうして、こんなにも会話がスムーズにできず、意思表示もできないのだろうと悩み、焦りを感じていました。
親としてどのように関わったら、アスペルガー傾向の子どもの会話のコミュニケーション力を伸ばすことができるのでしょうか。
2.コミュニケーションの発達について
まず、「コミュニケーションの発達」に立ち戻って考えてみたいと思います。
◆① 言語発達の前から、コミュニケーションの発達が始まる
生後数か月の赤ちゃんは、話すことなんてできませんよね。
その為、お世話をしているママが、赤ちゃんの動作や表情をみて、気持ちを汲み取って行動してあげます。
例えば
・赤ちゃんが泣いている、気持ち悪そうな表情
→「あー、おむつね」と言って、オムツ交換をしてあげる。
・赤ちゃんが、あくびをしている
→「眠たいんだね」と言って、抱っこしてあげる。
・赤ちゃんが指しゃぶりをしている
→「お腹がすいたんだね」と言って、おっぱいをあげる。 等
この成長段階のことを「聞き手効果段階」といいます。
赤ちゃんは言葉で自分の気持ちを伝えることはできませんが、このようなやりとりを通して、「自分の気持ちを分かってもらえた」という経験を沢山積んでいきます。
これが、コミュニケーションの土台になり、この「伝わる」経験(成功体験)をすればするほど、相手に気持ちを伝えるようになったり、表情が豊かに変化していくのです。
さらに、もっと話したいという気持ちも芽生え、言語能力も発達していくのです。
◆② 言葉は要求から獲得される
1歳くらいになると、指さしや身振りなどをしたり、さらに「まんま」「ぶーぶー」等、意味のある言葉を発するようになりますよね。
これは、自分の興味のあるものや欲しいものを伝えようとしているのです。
つまり、言葉は「要求」から獲得されていくのです!
よって、小学生で無口な子どもの会話量を増やすためにも、まずは「聞き手効果段階」の対応に戻り、子どもの思いを汲み取った対応から「伝わった」という経験を多く積むことが効果絶大なんです。
コミュニケーションの楽しさを分からせてあげることからスタートしましょう!
そして、会話では、子どもの「要求」を取っ掛かりにすることを意識して、子どもの言葉が出てきやすくなるようにさせてあげましょう。
3.会話量をふやす3ステップ
そこで、我が家で実践した子どもの会話量を増やす取り組みをお話させていただきますね。
◆①「伝わった」という成功体験の蓄積
子どもは、語彙力もない為、自分の思いや気持ちを的確に伝えられないことが多くあり、親が理解に苦しむことがありますよね。
しかし、そのような時は、安易に字義通りに捉えるのではなく、本心を考えてあげるようにすると上手くいきますよ。
子ども:〇〇ちゃん達とゲームをして遊んでいたんだけど、つまらなくて早く帰ってきたんだ。
ママ :つまらなかったの?! だからって、一人で帰ってきたらダメでしょ!
→子どもは、自分の気持ちが置いてきぼりとなり、反発する。
:何か嫌なことあった? 〇
→子どもは、自分の気持ちと向き合う機会を与えられ穏やかに振り返ることができる。
子どもは、「下手って言われてさ。むかついたから帰ってきた。」等、本当の自分の気持ちを伝えてくれるようになるでしょう。
このように、ママが「つまらない」という言葉の裏にある本心は何かな?と考えてあげたり、子どもが本当に感じている気持ちを分かろうとする姿勢を持ちながら、「分かっているよー」と意思表示してあげることが大事なのですね。
また、「~ということかな?」と代弁してあげることも重要です。
子どもが自分で伝えることができなかった気持ちや状況を、ママが的確な言葉で表現してあげることで、子どもは言葉を学びます。
気持ちもスッキリし分かってもらえたことを嬉しく思い、もっと話したいという気持ちになりますよ!
◆②オーバーリアクションで反応する
そして、ママが女優になることもおススメです!
子どもから何か学校での楽しかったこと等を話してくれた時は、オーバーリアクションで共感し喜び、褒めたり感謝をしましょう。
・「わー、良かったね!」「ママも嬉しいな」
・「〇〇君の説明上手だね!よーく、分かったよ。」
・「教えてくれてありがとう!」 等。
すると、子どもは分かってもらえた、ママもあんなに喜んでくれた!と伝えることが楽しくなり、どんどん話してくれるようになります。
◆③子どもの「要求」を取っ掛かりにする
子どもがつまらない、興味がない話題で話をしようとしても、会話は盛り上がりません。
子どもの「要求」にあった話題を出しましょう!
・学校で何があったの?
・いつ勉強やるの?
・早くご飯食べてよ
→子どもの要求に合っていない。会話が続かない。
・今日お夕ご飯何食べたい?
・今日、何して遊ぶ?
・なんのゲームソフトが欲しいの?
→子どもの要求に合っている。会話が盛りあがる。
このように、子どもの「要求」にあった楽しい、興味のあることを取っ掛かりにすると、言葉が出てきやすくなり、親子で楽しい会話をすることができますよ。
我が子はもう小学校高学年ですが、このようなコミュニケーションの根本に立ち戻った対応をすることで、親子の会話量は増えました。友達との会話のキャッチボールもスムーズになってきましたよ!
もしも、会話があまり得意でないお子さんの対応にお困りのお母さんがいらっしゃたら、ぜひ試してみてください!
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執筆者:松あき子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)