勝ちたいという気持ちは大切ですが、発達障害・グレーゾーンの子どもが負けると癇癪を起こすことに困っていませんか?勝ち負けへのこだわりを改善して、勝敗がある遊びもお友達と楽しく遊べるようになる!!お家でできる対応方法をご紹介します。
【目次】
1.勝ち負けのこだわりが強すぎるのは大問題!!
2.発達障害・グレーゾーンの子ども、負けると癇癪を起こすのはなぜ?
3.勝敗がついても楽しく遊べるようになる3つのポイント
①負けても楽しそうな姿をみせる
②飽きるまで勝たせる
③どんなときも共感
勝ち負けのこだわりが強すぎるのは大問題!!
発達障害・グレーゾーンの子どもが「勝敗がつく遊びを好まない」「負けると癇癪を起こす」そんなお悩みはありませんか?
我が家の発達障害・グレーゾーンの二男も、4歳、5歳の頃に勝つことや一番になることへのこだわりが強く、とても困った経験があります。
家では、勝敗が決まるトランプやすごろくを家族でやろうと盛り上がっても、
「僕はやらない」
「僕はお兄ちゃんと同じチームで一緒にやる」
など、負けたくないからと一人では参加すらしませんでした。
たまに参加したときも、勝てそうなときはテンションが高く楽しそうなのに、負けそうになると途端に「もう止める」とトランプやカルタなどを放り投げて逃げてしまいます。
そして、最後までやることができても負けてしまったときは、「やらないって言ったのに無理やりやらせるから」「もう絶対やらない!!」など、癇癪を起こしていました。
一旦、癇癪が始まるとなかなか機嫌が直らず、なだめるのに一苦労で、「いいかげんにしてよ」と私のほうが怒鳴ってしまうこともありました。
私はいつも、息子と勝敗がつく遊びをするとき「何で参加しないの?」とイライラしたり「怒り出したらどうしよう…」と、不安でハラハラしたりしていました。
通っている幼稚園では、
「一番になれないと教室の隅でプンプン怒って、もうやりたくない。と拗ねていることがあります」
「勝敗がつく遊びに参加してくれません」
など、先生から困っていますと言われることも多々ありました。
子どもの成長にとって、勝ち負けにこだわるのは悪いことではありません。
でも、度が過ぎるのは、周りの人にとって大問題です。
2.発達障害・グレーゾーンの子ども、負けると癇癪を起こすのはなぜ?
勝ちたい、負けたくないという気持ちはどの子にもあると思います。
ただ、そのせいで遊びに参加しなかったり、負けると癇癪を起こしたり、そんなことが続くと心配ですよね。
発達障害・グレーゾーンの子どもは、どうして勝ち負けへのこだわりが強く、負けると癇癪を起こすのでしょうか?
発達障害・グレーゾーンの子が負けると癇癪を起こす理由は3つです。
1つ目は、不安が強いこと。
発達障害・グレーゾーンの子どもは、ネガティブな記憶が残りやすい傾向にあります。
負けて悔しい思いをした記憶が残っていて、同じ思いは二度としたくないと思ってしまいます。
そのため、勝敗のある遊びから逃げてしまうということがあるんです。
2つ目は、先を見通すことが苦手なこと。
勝敗がつく遊びは、勝ったときの嬉しい気持ちが大きいため、またその気持ちを味わいたいと思うんです。
先を見通す力が弱いと、勝ったときの嬉しい自分しか予想することができず、いざ負けそうになったとき、負けたときは、パニックになってしまうことがあります。
3つ目は、気持ちの切り替えが苦手なこと。
いざ負けてしまったときは、負けて悔しいという気持ちからなかなか立ち直ることができません。
そのため、周りが困ってしまうくらい、大泣きしたり、怒ったりする状態が続いてしまうんです。
発達障害・グレーゾーンの子どもは、この3つの原因から、
✓そもそも遊びに参加しない
✓負けそうになったとき、負けたときはパニックになって癇癪を起こす
✓気持ちが立て直せないので、癇癪が続いてしまう
ということが起こります。
3.勝敗がついても楽しく遊べるようになる3つのポイント
今回、我が家の二男が勝敗のある遊びも楽しんで遊べるようになった対応3つのポイントについてご紹介します。
◆①負けても楽しそうな姿をみせる
家族でトランプやすごろくをやるときに意識していたことが2つあります。
まず、ゲームをしている最中、
✓勝っていたら思いっきり喜ぶ
✓負けそうになっていても悔しそうにしながらも大笑いしながら楽しむ
様子を見せことです。
負けてしまったときは、「悔しいけど楽しかったね」「負けて悔しいからもう一回やってもいい?」など、負けても大丈夫だし、負けても諦めないで挑戦する姿を見せたことです。
お子さんがゲームに参加していなくても、近くで聞いていたり、見ていたりするので、お母さんがそういう姿をお手本として見せることで子どもも何か感じることがあるんです。
◆②飽きるまで勝たせる
一番、大切にしたことは、とことん勝たせることです。
最初はお母さんと2人から始め、手加減していることがバレないように、本気で考えているフリをしたり、負けそうになると本気で悔しがったりします。
子どもは、勝つことに飽きることで負けを受け入れるようになれるんです。
負けることへの練習として10回に1回くらいはお母さんが勝つようにしていました。
◆③どんなときも共感
10回に1回、お母さんが勝つようにしたときや、偶然勝ってしまったときは、やっぱり号泣して癇癪を起こすこともあります。
そんなときは、「悔しかったよね」「勝ちたかったよね」と気持ちに寄り添ってあげてください。
そうすることで、今、自分がどんな気持ちで、何に怒っているのかが分かるようになるので、少しずつ自分で気持ちを落ち着けるようになっていきます。
また、「ゲームに参加してくれて嬉しい」や「一緒にゲームができて楽しかった」と勝ち負け以外のことを伝えることもポイントです。
我が家の息子も、年長になった今では、「みんなで遊ぶことが楽しいし、負けてもいいからやりたい!!」という気持ちが育ち、少しずつ「負け」を受け入れられるようになっていきました。
「幼稚園で先生とオセロをするけど一度も勝てないから家で練習したい」と勝敗がある遊びも積極的に取り組んでいます。
勝ち負けへのこだわりが落ち着くまで時間がかかると思います。
でも、きっと負けても大丈夫!!楽しいからやりたい!!という気持ちが育つときは必ずやってきます。
お母さんも長い目で子どもに寄り添ってあげてくださいね。
子どもの笑顔が増やすお母さんの対応方法をご紹介しています。
執筆者:中井優
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)