集団生活が苦手な繊細な子に、困っていませんか。原因は、環境が合わないから?実は、園や学校を取り替えるだけでは根本的な解決ができません。たった1つ習慣を変えただけで繊細な子の自信が育ち、集団で笑顔で過ごせるようになる方法をお伝えします。
【目次】
1.集団生活が苦手なのは環境のせい?
2.繊細な子が集団で力を発揮できない根本的な理由
3.繊細な息子が学校で笑顔になった「ハナマル習慣」
1.集団生活が苦手なのは環境のせい?
一学期、お子さんの集団生活はいかがでしたか?
繊細なお子さんを持つママは、次のような悩みを抱えていることが多いです。
・人見知りや場所見知りが強い
・集団活動に参加しづらい
・敏感すぎてストレスを感じやすい
・先生と合わない
・自己肯定感が低くなる
実は、繊細っ子の集団生活の苦手の原因は、園や学校の環境だけが原因ではありません!
過去の私も悩んでいるママの一人でした。
悩みに悩んで決めた園では、偏食のある息子が「給食を食べようとしません」「家でも食べさせてください」と言われました。
園の先生は一生懸命で「今、食べれなかったらずっと食べれませんから」「べって吐いてでも食べさせました!」と言って驚かされました。
給食だけでなく、絵本の時間に参加しない、トイレに行かないなど、集団生活のストレスが積み重なりました。
息子のことを理解されず、環境が合わないと感じたため、私は転園を決意しました。
転園先は私が園長を務めていたインターナショナルスクールです。
繊細な息子は1歳半検診で一切喋らず、心を開かないと言われました。
家では喋るのに外では喋らないという場面緘黙のような状態でした。
インターナショナルスクールは自由な雰囲気が合うと思ったのですが、英語はすぐに覚えたのに相変わらず自己表現はできません。
他の子に通用する指示が息子にはきかないため、給食を廊下で食べさせられたり、公園に連れて行ってもらえなかったりしました。
やればできるはずなのに、どうしてあげたらいいのか分からない…。
結局、転園しても根本的な解決にはなりませんでした。
この時はじめて、この子が力を発揮できないのは環境のせいではない!もっと根っこにある何かだ、と悟ったのです。
2.繊細な子が集団で力を発揮できない根本的な理由
息子のように繊細な子が、集団では持っている力を出し切れないことには理由があります。
◆①脳の特性
人見知りや場所見知り、恥ずかしがりは脳の特性です。
脳のタイプ、つまり性格のようなもので、生まれ持ったものが50%、育つ環境に影響されるものが50%と言われています。
繊細な子どもは、新しい人や場所・ことに対して強い不安を感じやすく、怖がりになりやすいです。
インプットが敏感なため、人の表情や空間の雰囲気、警戒心など、いろんな刺激を感じ取ります。
繊細な息子も耳からのインプットが強く、クラスのざわざわの中で先生の話に集中して聞き取り、理解して考え、行動・会話するという脳の処理のルートがスムーズではありませんでした。
話しかけられても黙ってしまったり、発言することや発表することが「はずかしい」となったり、行動の切り替えがスムーズではなかったりしました。
集団で頑張って1日過ごしただけで疲れ切ってしまい、力を活かしきれません。
息子のマイペースさは、脳の処理のルートが追いついていないからだったのです。
◆②育つ環境
脳の処理する力やアウトプットする力を育てなければ、集団で生きづらさを感じてしまいます。
この力を育てるには、親子のコミュニケーションが重要です。
育つ環境=親子の関わりです。
子どもが傷つかないように守り、困らないように先回りして指示することは良いママでありたいと思うからです。
しかし、これが子どもの脳の成長を妨げることがあります。
子どもの代わりにママが気づき、考え、行動を誘導してしまうと、子どもが自分で気づき、考え、行動する経験が減ります。
私は繊細な息子の良いママでありたいと願っていましたが、脳の仕組みを学んで、自分が代わりに全部やっていたことに気づきました。
ママの指示→言われるままに行動
ママの回避→行動(経験)しない
この結果、本人が気づき、考え、経験する脳のルートが育つステップをすっ飛ばしていたのです。
根本的な答えは、繊細な子には脳の特性に合った対応が必要で、脳を育てる環境はママの関わりにあるということだったのです。
3.繊細な息子が学校で笑顔になった「ハナマル習慣」
小学校に入る前にこのことを知っていたら、と思うことは何度もありましたが、気づいた今が最大のチャンスです。
「できるかも」という心の状態を作ってあげれば、繊細な子は行動できます。
反対に、できないことを何とかしようと注意したり、誘導しても、子どもは自分で考えて行動できるようにはならず、脳は成長しません。
優しく寄り添っていたつもりでも、できないことに注目している限りは同じです。
そこでやったことはたった1つ。
できないことに注目する赤ペンを一切やめ、できていることを探してハナマルをあげることを徹底しました。
息子が苦手だった字を書くことについても、乱れた字がたくさんあったとしても、一生懸命書いている字を見つけ、その隣に小さなハナマルを書きました。
99個のできていないことよりも、たった1個のできていることに注目して、
「この『あ』の形がいいね!」
「ここのはらい、きれいだね!」
と、毎日何十個ものハナマルを学校のノートに書き、息子に「あなたは大丈夫」というメッセージを送り続けました。
このシンプルな習慣を徹底することで、息子は自信を持ち、堂々とした字を書くようになりました。
このハナマル習慣には、次のようなトリプル効果があります。
◆①子どもの頑張りを肯定する
「全てあってるね」という大きなマルよりも、「頑張ってるね」と頑張り自体を肯定します。
どうしても「できた」成果を褒めていませんか?できなかった時はどうなるのでしょうか?
やろうとした頑張りにこそ注目してあげたいのです。
この関わり方で、子どもが「できるかも!」「大丈夫かも!」と未来の自分に自信が持てるようになります。
◆②お母さんの思考から関わりを変える
できていないことに目がいってしまい、思わず口に出して注意・確認・指示してしまうことは、私たちの思考パターンになっています。
間違いを正すための赤ペンを捨てて、頑張っているところにハナマルを書くことで、できていないことを上手にスルーし、ママができているところに注目する目を養います。
人の脳は8割が視覚からの情報で判断します。
ハナマルを貰えると子どもが嬉しそうにしてくれるので、赤ペンを入れるよりも、ハナマルの方がわが子の自信とやる気が育つんだ!とママも実感できるのです。
◆③担任の先生の見る目や対応を変える
当時、厳しかった担任の先生は、息子を見る目がガラリと変わりました。
先生は、どうにかしてあげようと思うがゆえにできないところばかり注目していたため、息子は心を開きませんでした。
そこで私は、先生にこう伝えました。
「この子は、間違いを指摘する赤ペンでは自信もやる気もなくして挑戦しなくなります」
「小さなハナマルをたくさんあげることで自信とやる気を育てれば『やってみよう』と挑戦できるようになる子です!」
言葉で何度も伝えるだけでなく、毎日のハナマル習慣で伝え続け、そして息子の書く字の変化と自信とやる気の変化を通してそのことを証明しました。
すると先生が「良いところを見てみようと思います」と仰ったのです。
そして、息子の反応が変わりました。
自分から先生に話しかけるようになり、「先生に怒られた」と言わなくなりました。安心と信頼の関係性が築けたのです。
先生は「他の子が思いつかないような面白い発想と発言をするんですよ」「リーダーシップを発揮してくれます」と、成長した息子の強みについて語ってくれるまでに変わりました。
息子は、学校で私の知らない一面まで力を発揮できるようになっていました!
いかがでしたか?
小さなハナマル習慣ひとつで、繊細な子どもに本物の自信が育ち、集団生活がとってもラクになります。
ママの関わりで、繊細な子どもたちが笑顔で集団生活を送れるよう、願っています!
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執筆者:むらかみりりか
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)