保育園や幼稚園の参観日などで、集団行動が苦手なわが子にショックを受けたことはありませんか?みんな楽しんでいるのにうちの子だけどうしてなの?と悩んでいたときに私が参加をすすめられたのが、小人数でのグループ療育「すてっぷクラス」でした。 |
【目次】
1.うちの子だけ集団行動ができないのはなぜ?
2.集団行動が苦手な幼児の療育〜船橋市子ども発達相談センター「すてっぷクラス」~
3.変わらない息子にモヤモヤする日々
4.療育を受けて息子の長所に注目できるようになりました!
1.うちの子だけ集団行動ができないのはなぜ?
わが子の
・行事への参加を拒み、泣いている
・気持ちの切り替えができずに癇癪を起こしている
こんな姿にショックを受けたことはありませんか?
これ、当時3歳だった息子の姿です。心配になって保育園の担任の先生に相談しましたが、「大丈夫よ」と言われていました。
しかし、クラスで参加できていないのはうちの子だけ。
私は楽しそうに行事に参加している他の親子が羨ましくて仕方ありませんでした。
ある日、定期的に通っていた船橋市発達相談センターの心理士さんに相談したところ、小人数でのグループ療育への参加をすすめてくれました。
それが「すてっぷクラス」です。
今回は当時年中さんだった息子が通った「すてっぷクラス」の活動内容と、療育を受けてみての、私と息子の変化についてお伝えします。
2.集団行動が苦手な幼児の療育〜船橋市子ども発達相談センター「すてっぷクラス」~
「すてっぷクラス」は、船橋市子ども発達相談センターで行われている小人数でのグループ療育です。幼稚園・保育園よりずっと小さなグループで、ルールのある遊びをとおして集団参加の練習をします。
対象は幼稚園・保育園・幼児教室に通う集団行動が苦手な子どもです。月に2回、約3か月のあいだ、計8回通います。
(年間で前期・後期と2回の募集があり、参加は抽選で決まるそうです。詳しくは担当の心理士さんにお尋ねくださいね。)
活動は1回につき約50分。保護者は子どもの様子を教室の後ろで見学することができます。
子どもたち5~6人に対して保育士さん4~5人が中心となって、手遊びや製作、パネルシアター、身体を使った活動などを一緒に楽しみます。
私は最初、このすてっぷクラスにすごく期待していました。
なぜなら「療育さえ受ければ、この子は普通になる!」「集団行動できるようになる!」と勝手に思い込んでいたからです。
でも、その期待は早々に打ち砕かれました。
3.変わらない息子にモヤモヤする日々
すてっぷクラスが始まってしばらくの間、息子は保育士さんの指示にほとんど従えていませんでした。
勝手に立ち上がったり、言いたいことを言いたいタイミングで自由にしゃべったり、じっとしていません。活動の途中なのに私のところに何度も駆け寄ってきます。
正直、集団行動を身に着けるレベルではありませんでした。
そんな姿に毎回ショックを受ける日々。そしていちばんモヤモヤしたのは、クラスが終わった後、保育士さんから何もアドバイスがないことでした。
「立ち歩くのをやめさせる方法を教えてくれるのではないの?」
「困りごとが解消されないのに来ている意味があるのかな?」
と思いましたが、なかなか打ち明けることができませんでした。
こんな暗い気持ちを抱えながら通うこと1か月半。息子の様子はちっとも変わる気配がありません。
毎回マイペースすぎるわが子の姿を見ていた私は、とうとう耐えられなくなり心理士さんに泣きながら相談しました。
・療育を受けているのに指示が聞けるようにならないこと
・続けることに意味があるのかわからないこと…
心理士さんは私の話をじっと聞いていました。
そして、私がつらい気持ちになるのは良くわかると共感してくださった上で、そういう状況だからこそクラスに参加して欲しいことや、本人が楽しんでいること、できていることにも注目して欲しい、と伝えてくれました。
息子の様子は毎回メモに残して、活動内容とともに保育園に伝えていました。担任の先生からは、
「耳で聞くのは苦手みたいだから、カードで伝えるようにしてみます」
など、すてっぷクラスでの様子を踏まえた上で配慮できることを考えてくれました。
このときようやく、保育園の先生たちも試行錯誤で関わってくださっていたのがわかり、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
と同時に、息子を自分の思い通りに動かす方法ばかり知りたがっていた自分を恥ずかしく思いました。
4.療育を受けて息子の長所に注目できるようになりました!
それからは私もだんだんと「息子のいいところ」に注目できるようになりました。
・負けたら本気でくやしがり泣く姿
・勝ちにこだわって何度も挑戦する姿
など、今まで短所だと思っていたところは、長所でもあるのだと思えるようになりました。
そして今振り返って思うことは、すてっぷクラスの保育士さんたちがそんな息子の姿をこまめにほめてくださっていたということ。
息子の興味やこだわりをよく観察して、ちょっと頑張れば達成できる遊びや課題を設定してくれていました。
「ぼく、できた!」
「もっとやりたい!」
という気持ちを引き出してくださっていたと思います。
息子も自分を肯定してくれる先生たちが好きだったのでしょう。クラスに行くことを嫌がる日は一度もありませんでした。
そんなすてっぷクラス最終日…その日の活動は息子のあまり好きではないゲームでした。
いつも「えー!やらないよ!」と大きな声を出すので、私はまた騒ぐだろうな…と思っていました。
しかし息子は「ぼくは応援する係ね」と自分から言ったのです。
これには先生も私もびっくり。
「よく教えてくれたね!じゃあ、応援よろしくね」
とゲームを見学することを認めてくれました。
クラスの最後に、
「この3か月で良く待てるようになり、お話しが聞けるようになりました」
と褒めてもらい、メダルをもらって嬉しそうにしている姿は今でも忘れられません。
いかがでしたか?この3か月間では、息子に劇的な変化はみられませんでした。
しかし、一緒に療育に参加することで、息子の得意や苦手、長所に気がつくと同時に、関わり方についてのヒントをたくさん見つけることができました。
発達凸凹キッズを育てていると、どうしても困った行動ばかりが目につくので、わが子の良さに気がついてあげられないことがあります。
でも、療育などのサポートを受けていると、いろいろな立場の人に様々な角度から子どもを見てもらえます。
ですから自分では気がつかなかったわが子のキラリ!を発見してもらうことができるというメリットもありますよ。
息子が、船橋市子ども発達相談センターで支援を受けるまでの経緯をまとめた記事はこちらです。
子育ては一人ではできません。発達凸凹育児ならなおさらです!サポートを上手に利用しながら、楽しく子育てができるようにしていきましょう。
わが子の「困った!」を「できた!」に変えるコミュニケーションの方法について発信しています。
※こちらの記事の情報は2016年〜2018年頃までの情報です。相談の際には必ず最新の情報を確認してください。
執筆者:宮本蒔子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)