遅延性エコラリアとは?悩んだママが変わった理由とポジティブ対応

遅延性エコラリアとはある台詞を時間をおいて繰り返すことで、発達障害・自閉症スペクトラム症に多い特性です。常に繰り返される同じ言葉に心配やイライラがつのるママも多いと思います。息子のエコラリアを何とかしようとしていた私が変わった理由とポジティブ対応をお伝えします。
 

【目次】

 

1.「遅延性エコラリア」とは?

 
 
遅延性エコラリアとはある台詞を時間をおいて繰り返す様子のことを言います。健常児にも見られる事がありますが、2~3歳の言葉の獲得の成長過程に起こる現象で、自然となくなっていくと言われています。
 
 
この遅延性エコラリアは発達障害・自閉症スペクトラム症の特性の1つといわれています。
 
 
現在10歳の息子は4歳の時に自閉症スペクトラムと診断されました。言葉を覚えた頃から、エコラリアが日々繰り返されていました。
 
 
どのような様子だったかというと…
 
・アニメを2~3回見ればセリフもナレーションもすべてを完コピ
・覚えたトーマスの台詞をラレールを転がしながらペラペラしゃべるのが日課
・口調や音の高さまで完全に再現
 
 
当時の私は発達障害という言葉も知らず、わが子ながらよく覚えられるものだな…と感心し、「この子は本当に天才だ!」と思っていたんです。
 
 
しかし、幼稚園に通い始めてすぐに、園長先生から「もしよかったら、発達の病院に診てもらっては?」と発達の遅れを指摘されたのです。
 
 
園長先生はこれまでに何人もの発達障害のお子さんを保育してきた方。ご自身の息子さんもグレーゾーンで療育に通っていた経験をお持ちでした。
 
 
そんな園長先生から、このセリフの完コピは「アニメや絵本のセリフを関係ない場面で繰り返す」、遅延性エコラリアという発達障害の特性の1つだと教えてもらったのです。
 
 
これまで「天才だ!」と思っていた完コピが、まさか発達障害の特性だったなんて…私は大きなショックを受けました。
 
 
とにかくやめさせなければ!と思った私は、その日からテレビを禁止にしてアニメを見せないようにしました。
 
 
テレビを見せなければエコラリアもやめるだろうと思っていましたが…甘かった!
 
 
今度は読み聞かせの絵本を完コピ。遊びながら、ご飯を食べながら、そして私の問いかけに対する返事として、ありとあらゆる場面で突如エコラリアが始まるようになっていきました。
 
 
 
 
この記事では、遅延性エコラリアへの正しい対応について詳しくまとめました。エコラリアに悩んだ私とエコラリア全開だった息子がどう変化したのか?ぜひ続きをお読みください。
 
 
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2.即時エコラリアと遅延性エコラリア

 
 
エコラリアとは、テレビのアニメの台詞や絵本の読み聞かせで聞いた内容など聞いた言葉をそのまま繰り返し発語することを言います。反響言語やオウム返しとも言われます。
 
 
エコラリアは2種類に分けられます。
 
 
1つは即時エコラリア。耳にしたことをすぐに同じように発語することです。これは定型発達のお子さんでも見られます。
 
 
もう1つが遅延性エコラリア。過去に聞いた情報を関係ない場面でセリフのように繰り返すものです。
 
 
息子の場合、テレビ、読み聞かせ、電車のアナウンス、言葉として認識できるものは日本語でも英語でも中国語でもなんでもインプットしてエコラリア。
 
 
エコラリア中の息子は本当に楽しそうだったのですが、何とかやめさせないと!と思っていた私は、
 
「もう分かったから!」
「静かにして!」
「それ何回目?」
 
と否定的な対応をとっていました。
 
 
私に怒られた息子は一瞬静かになるのですが、3分もたたないうちにまたエコラリア再開!
 
 
私が息子に話しかけてもこんな調子でしたし、私の質問にもエコラリアで返ってきます。 そのうち息子と話すといえば、「ご飯だよ」「お風呂入ってね」と言った指示ばかりになっていました。
 
 
 
 

3.変えなくて良い!悩みからポジティブ思考に変わった理由

 
 
毎日息子のエコラリアを聞かされていた私は、とにかく何とかしなければ!という思いでいっぱいでした。発達相談も申し込みましたが、納得できる対応を示してくれるところはありませんでした。
 
 
そんなときに出会ったのが発達科学コミュニケーション(発コミュ)です。 初めての個別相談のとき、発コミュの創始者・吉野加容子さんに泣きつきました。
 
 
「うちの子、遅延性エコラリアがひどくて…口を開けばエコラリアばっかりなんです。どうやったら止めさせられますか?」
 
 
こう相談した私に、吉野さんが言ったのは…
 
 
「エコラリア自体は別に悪いことじゃないけどね~」
 
 
ええー!?エコラリアって悪くないの?目からうろこの指摘でした。その日から、エコラリアの何がダメなんだろう?と自分で考えるようになったのです。
 
 
考えていくと、私がエコラリアを何とかしなければ、と思っていた理由は2つだということに気づきました。
 
 
1つは、自閉症スペクトラムの特性だから、「あ~また特性出てる…」と私の気分が落ち込むから。
 
 
2つ目は、コミュニケーションが成立しにくいから。家族であればスルーしておけばいいのですが、当時の息子は周囲の人にもあいさつ代わりにエコラリアで話しかけていました。
 
 
私は息子を何とか引き離して「すみません!」と謝る日々を送っていたのです。
 
 
発コミュを学ぶにつれて、特性をどうにかするのは難しいと知りました。だとすれば、息子と周囲の人とのコミュニケーションが成立すれば、「エコラリアをどうにかしないと!」と躍起になる必要はないのかもしれない…と思うようになったのです。
 
 
 
 
こんな風に思えるようになって、改めてエコラリア全開の息子に対して、
 
 
・こんなに覚えられるなんて、すごいな!
・この記憶力を何とか生かしたい!
・記憶力がいいから、何かルールを作ったらうまくいくんじゃないかな…
 
 
とポジティブな思いも出てきました。
 
 
この思いがエコラリアをコミュニケーションに変えることができたのです。次に、私がどのように息子と会話をしていったのかお伝えします。
 
 
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4.エコラリアからコミュニケーションへ変える3つのポイント

 
 
息子を変えようしなくてもと良い!不安や焦りがなくなり、ポジティブになった私は、エコラリア全開の息子に3つのことを実践していきました。
 
 

◆①情報に意味付けする

 
 
息子は聴覚記憶に優れていて、数回聞いただけで大体のことは完コピすることができました。一方で、インプットした情報は、言葉である認識はあっても、どういう意味なのかまでは分かっていませんでした。
 
 
意味を理解する前に覚えてしまい、また別の情報をインプットしていく状態でした。
 
 
そこで、私は覚えた情報に意味付けしていくようにしました。
 
 
息子のエコラリアが落ち着いたタイミングで、
 
「ねぇねぇ、息子君。○○って言ってたけど、どういうことか知ってる?」
 
と質問するようにしました。
 
 
当然息子は分かりません。そこで私が意味を教えたり、絵ことば辞典を引いたりして意味付けしていきました。
 
 
ただし、分からないことばかり質問していると、質問に答えるのも嫌になってしまいます。
 
 
そこで、知っていることの方をたくさん質問!答えられた息子を褒めたり、年齢不相応な言葉や外国語はあえてスルーしたりしました。
 
 
情報の意味が分かってくると、息子もどんな場面で使うのかを少しずつ理解するようになりましたが、今度は別の問題が発生!
 
 
「こんなこと知ってる僕、すごいでしょ!聞いて聞いて!」と言わんばかりに、周囲の人にエコラリアで話しかけるのが加速していきました。
 
 

◆②エコラリアの前に前置きを言う練習をする

 
 
エコラリアで話しかけるのも、例えば「僕、昨日こんなのテレビで見たんだ!」など、前置きさえあれば周囲の人も理解でき、コミュニケーションは成立します。
 
 
そこで、一言でいいから今から何を話すのか伝える練習を始めました。
 
 
エコラリアの序盤に話の全体像について触れたら、すかさず 「うんうん、今から○○のお話だね」と注目して聞き、終わったら、「○○のお話だったね。最初に教えてくれたからよく分かったよ!」と伝えるようにしました。
 
 
 
 

◆③エコラリアに注目してリアクションをする

 
 
前置きを言う練習をしていた段階で、エコラリア中はスルーするのではなく、なるべく注目するようにしていました。
 
 
エコラリアをスルーすれば息子の独り言ですが、注目してリアクションし、コミュニケーションに発展するように意識しました。
 
 
「ふんふん、なるほど~」
「へぇ~、よく知ってるね!」
「ほうほう、それから?」
 
 
このように簡単でもポジティブなリアクションを続けていると、エコラリア中も私の反応をうかがうようになり、そこから会話がスタートするようになっていきました。
 
 
今では、エコラリアの序盤でも私がした質問には的確に答え、そこから会話に発展するようになりました!
 
 
これを実践し始めて、つくづく実感したこと。結局のところ、息子は「面白い!」と思う方に食いつく、ということです。
 
 
私との会話が楽しいときは会話が続く。
だけどその会話がつまらないと、またエコラリアに戻っていく(笑)
 
 
私も息子が楽しいと思える話題や、話の流れを作るように日々試行錯誤しています。
 
 
いかがでしたか?
 
①情報に意味付けをする
②エコラリアの前に前置きを言う練習をする
③エコラリアに注目してリアクションする
 
この3つ意識してお子さんとコミュニケーションを取ってみてくださいね。
 
 
お子さんの遅延性エコラリアに悩んでいるお母さん、まずはこんなに覚えられるお子さんに自信を持ってください!そして、少しずつコミュニケーションに発展させていきましょう!
 
 
お母さんの語彙力・会話力も鍛えられるこの方法、ぜひお試しくださいね。
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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