九九がなかなか覚えられない発達障害・グレーゾーンの子どもに困っている困っているお母さんはいませんか?算数の基礎である計算、その基礎である九九は学習の重要ポイントです。子どもが楽しく九九を覚えられる方法をご紹介します。 |
【目次】
1.九九が覚えられない!発達障害・グレーゾーンの子どもたちが「九九」でつまづくワケ
小学校2年生の算数で学習するかけ算の九九。1段につき9個の数式、全部で81個の数式とその答えを覚えます。これが計算の基礎になります。
お子さんはスムーズに覚えられましたか?実は、なかなか九九が覚えられないという子どもが増えているんです。
子どもが九九につまづいてしまう理由はたくさんあります。
九九は「聴く力」と「記憶力」をフルに活用しなければならない分野です。単に「暗記が苦手」と片づけることはできません。九九を覚えるときに「聴く力」がどうしてポイントになるか考えてみましょう。
数字には聞き分けにくい音があります。4(し)と7(しち)や1(いち)と7(しち)ですね。しっかり聞き分けられていますか?
九九を聞いたとき、自分で暗唱するとき、該当する数字が1つ1つ頭に浮かんでいるでしょうか?とにかく九九を覚えなきゃ!とひたすら暗唱している子どもは、数字として認識していない子もいるのです。
また、九九は1つの数字をいろいろな表現で唱えます。一番難しいのは8です。
例えば
はちいちが8
さんぱ24
しわ32
しちは56
はちいちが8
さんぱ24
しわ32
しちは56
はち、ぱ、わ、は、すべて8のことですよね。でも、九九を覚える前まで子どもたちは8=「はち」という認識しかないはずです。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちは聴くことよりも見ることが得意!という子が多いです。また、ルールに忠実なタイプだと、数字のさまざまな読み方をなかなか受け入れられないかもしれません。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちがなかなか九九を覚えられない原因は、単に暗記が苦手というだけでなく、このような理由もあるのです。
2.九九の言いまわしを変えると覚えやすくなる
うちの子、もしかして九九を覚えらないかも!?と思ったとき、お母さんはおうちでどんなサポートをしたらいいでしょうか?
多くのご家庭では、かけ算のポスターを貼って、暗記をサポートする方法をとるのではないでしょうか?九九に触れる機会を増やすという点ではこれも必要なサポートです。でもこれだけでは十分ではありません。
お母さんが貼ったポスター、お子さんはしっかり見ていますか?あまり見ていない…という子が多いのではないでしょうか。
特に発達障害やグレーゾーンの子どもたちは好きなことと苦手なことの差が大きいですよね。自分が好きでないもの、興味がないものは完全スルーでもおかしくありません。
おうちで九九をもっと分かりやすく、子どもが楽しんで覚える方法を考える必要があります。
まずは、九九を聞いたとき暗唱したときに、数字が思い浮かぶようにすることが大切です。さきほどもお伝えした通り子どもが九九につまづく原因の1つはその独特な表現、言いまわしにあります。
そもそも独特の言いまわしをするようになったのは、その方がリズムよく覚えられるからだと思います。ただ、
8=はち、ぱ、わ、はとさっと出てこないタイプの子には、この九九の言いまわしで覚えること自体が大変です。では、どうすればいいか?言いまわしを変えればいいのです!
はちいちが8→このままでOK!
さんぱ24→さんはち24
しわ32→しはち32、もしくはよんはち32
しちは56→しちはち56、もしくはななはち56
さんぱ24→さんはち24
しわ32→しはち32、もしくはよんはち32
しちは56→しちはち56、もしくはななはち56
このように、子どもが今まで使ってきた数字の表現で九九を覚える方が、分かりやすいこともあります。
もしくは、九九の暗唱をひとまずお休みして、先に8=はち、ぱ、わ、は と覚えるようにしましょう。お子さんの様子を見ながら、どちらを先にするか検討してくださいね。
ただお母さんが繰り返し質問するだけでは子どもは面白くありませんよね。面白くないということは子どもはイヤイヤやることになります。これではお母さんも子どももストレス!
数字と読み方それぞれでカードを作ってかるたの要領で覚えたり、数字と読み方で点つなぎしてみたり、楽しくゲーム感覚で覚えられるように工夫してみてくださいね。
3.覚えられない子への奥の手!九九をゲーム感覚で楽しく覚える方法
さて、お母さんはどうやって九九を覚えましたか?ひたすら暗唱しました!という方、多いのではないでしょうか。楽しかった!という方は少ないと思います。
この「楽しい」という感覚は勉強において大切なポイントになります。
どうしてこんなにたくさん覚えなきゃいけないの?
勉強なんてめんどくさい!
こんなことやるよりゲームしたい!
勉強なんてめんどくさい!
こんなことやるよりゲームしたい!
勉強に対してこんな風に思っている子どもも、少なくないと思います。
脳はいやなことをしなければならないとき、とても大きなエネルギーが必要です。だから宿題や勉強をやらなきゃいけないと分かっていても、なかなか行動に移せません。
一方、子どもたちがゲームやおやつに対してすぐに行動するのは、それが好きなこと、楽しいことだから。ですから、勉強にも子どもが楽しいと思える要素を少し入れてあげるだけで、サクサク進む可能性があるのです!
九九を覚えられない発達障害・グレーゾーンの子どもにとって、九九をひたすら暗唱するのはやはり楽しくありません。もっとゲーム感覚で覚えられる方法を考えましょう。
アナログですが、お母さんも一緒に参加して競争しながら覚える方法として有効なのは「かるた」です。
かるたは、さきほど数字と読み方の覚え方でもご紹介しましたが、九九そのものの暗記にも効果があります。
お母さんが数式を書いたカードを読みあげて、子どもが答えを書いたカードを探す。慣れてきたら、答えを読みあげて数式を探すという方法も試して、暗記を強化するがオススメです。
また、トランプの神経衰弱の要領で、数式と答えを一致させるゲームもお父さん・お母さんと一緒に楽しく競い合いながら、暗記を強化できる方法です。
かるた形式でもトランプ形式でも、最初からすべての段をやろうとすると時間もかかりますし、子どもも途中で飽きてしまいます。まずは1の段だけ、2の段だけなどから始めましょう。
アナログなゲームではなかなかうまくいかなかったり、お忙しくてそんな余裕がない!というお母さん、安心してください。
最近は、九九を覚えるための無料ゲームや無料アプリがたくさんあります。まずはお母さんがいくつか試してみて、お子さんに勧めてみましょう。
これは「ゲーム感覚」ではなくゲームそのもので覚える方法です。どんなお子さんも楽しく覚えられるはずです。
ひたすら暗唱して覚えるよりも、家族でかるたやトランプのように遊んだり、ゲームをしたりしながら楽しく取り組んだ方が、子どもが自分から進んでやるので、早く暗記できるかもしれません!
お子さんに合った、楽しい方法を見つけて試してくださいね。
九九の覚え方に関してはこちらもぜひチェックしてくださいね!
この記事の内容を動画でもっと詳しく解説しています。
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)