発達障害・ADHDタイプのお子さんが、授業中に話を聞いていないなど集中力がないと悩まれているお母さんは多いです。「集中力がないのは特性だからしょうがない」と諦めているかもしれませんが、実は鍛えることができるのです!その方法をお伝えします! |
【目次】
1.発達障害・ADHDタイプの子の集中力がないのはしょうがない?
発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向ある子どもが
学校で先生の話が聞けていない
家でも宿題に集中できなくて時間内に終わらない
と悩まれているお母さんはとても多いです。
その反面、自分の好きなことにはものすごい集中力を発揮して、話しかけても耳に入らないということもあるかもしれないですね。
だから「勉強をなまけているだけでは?」といわれてしまったり、思われているお母さんもいらっしゃるかもしれません。
また、ADHDの特性の一つに「気がちりやすくて集中力が続かない」という不注意があるので、しょうがないものなのかもしれないと半分あきらめの気持ちを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性のうち、よく動く落ち着きがないなどの多動性や、すぐに手が出る、思わず動き出すといった衝動性は、小学4年生ぐらいになると収まってくるといわれています。
しかし、不注意の傾向は大人になっても残りやすいといわれています。大人でも気の散りやすさから人の話を聞いていてるようで上の空だったり、話が脱線しやすいことってありますね。
では、気が散りやすくて集中力が続かない不注意傾向は、あきらめないといけないのでしょうか。
いいえ、集中力は鍛えることができるのです。今回は、どのようにして集中力を鍛えたらいいのかお伝えします。
2.「集中しなさい!」はNG!今まで変わらなかった理由
そもそも発達障害・ADHDタイプのお子さんは、どうして学校の授業中や家の宿題のときに、気が散りやすく、いくら「集中しなさい!」「集中したらすぐに終わるよ!」といっても集中することが難しいのでしょうか。
発達障害・ADHDタイプのお子さんは、注意と不注意の間にいて、ちょうどよく集中するのが難しい傾向があります。
例えば、過集中といって、興味のあることには没頭して話しかけても聞こえないぐらいになって、やめるのが難しいことがある反面、興味のないことにはなかなか集中がしにくいのです。
学習場面は、どちらかというと興味のあることではないことが多いですね。
また、発達障害・ADHD傾向のお子さんは、パパっと見る傾向があって、じーっと見る「注視すること」が苦手な傾向があります。
例えば、教科書などを音読するときに、書いてある通りではなくて、パっと見て自分流の読み方をしてしまうことがあります。また先生をずっと見ていられなくて、隣の子に気がいってしまったりします。集中してないといわれてしまいがち場面ですね。
また聞くときも、じーっと聞くことや指示をもらさずに聞き取ったりすることが苦手なことが多くあります。
指示の最初の方の単語だけをサッと聞き取って、自分流に解釈して「こういうことでしょ」と勘違いして違うことを始めてしまうことがあります。
また、音への反応のしやすさから、校庭の子どもたちの声などの他の音に反応してそちらに注意が向いてしまうこともあるでしょう。このような様子も集中してないといわれてしまいがちですね。
このように、授業中や学習場面で、お子さんが集中していないようにみえるのは、お子さんがわがままだったり、怠けたりしているからではないのです。
子どもは自分の持っている力でその時を精一杯に過ごしているものです。
そこで「集中しなさい!」といわれても、どうしたらいのかわらないまま、怒られているように感じてしまい、やる気を失ったり、ふてくされたり、これじゃダメなんだと自信を失ったりしてしまうことになりがちです。
そこで次に注意がそれがちなADHD傾向の子どもの集中力を鍛える方法をお伝えします。
3.発達障害・ADHDの子の集中力を鍛える方法
注意がそれやすい発達障害・ADHDの子どもの集中力を鍛えるには、
まずはこちらの記事にもあるように、気が散りにくいように環境を整えてできていることに注目することからスタートします。
ADHD傾向がある子どもは、注意されることが多くなって、肯定される機会が少なくなりがちです。ぜひ少しでも課題に取り組んでいるときに「お!宿題やっているんだね」とただやっていることを実況中継するだけでいいので注目してあげてくださいね。
子どもは注目してもらえると嬉しくなって、もっとその行動をしようとしてくれるものです。注意がそれてしまっても、そのうち自分で「あ、そうだった」と戻ることができるようになってくるのです。
また、こちらの記事のようにしっかり肯定しながらの「ご褒美作戦」もADHD傾向のお子さんにはとても効果的です!
1週間後とか先のご褒美ではなくて、宿題が終わったらすぐに好きなアイスが食べられるなど、子どもにとってわかりやすい、なるべくすぐに得られる魅力的なご褒美でお子さんのやる気を引き出してあげましょう。
最初はご褒美につられていたとしても「集中できた!」という経験を積み重ねることで、どんどん集中する脳のネットワークを太く育てていくことができていくのです。
最後に、こちらの記事にある1日1分でできる「20まで数えるメンタルカウント」がおススメです!
メンタルカウントは、瞑想の子ども向けバージョンいえます。お母さんも瞑想をやってみるとわかると思いますが、頭に中ってかなり忙しくて、目を閉じて注意を呼吸や体に向けようとしてもいろいろな考えがフッと次から次へと浮かんでくるものです。
注意はそれるのが当たり前。注意って子犬みたいにフワフワと動いているものといわれています。
色々な考えが浮かんできても、横においてまた注意を呼吸に向けるということを続けていくのが瞑想です。注意を戻す練習をひたすら続けて、脳の集中力のネットワークを太くしていっているのです。
メンタルカウントでも、数えることに注意を向け続ける練習をしているのです。
お母さんと一緒に1から20心の中で数えることで、注意が数からそれても戻りやすくなりますね。20秒が楽勝になってきたら、だんだんと伸ばしていって2分ぐらいまでレベルアップしてもいいですね。
お母さんと一緒に楽しみながら、発達障害・ADHD傾向の子どもの集中力を鍛えてあげましょう!
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)