発達障害・グレーゾーンの中学生が全然勉強しない!と悩んでいるお母さん、中学生が勉強嫌いになってしまうのには理由があります。授業について行けないお子さんにこそ試してほしい、教科書を使わない勉強法でやる気アップさせる方法をお伝えします。 |
【目次】
1.勉強嫌いの中学生の実態に目をそらさないで!
2.勉強が嫌いになってしまう3つの理由
①情報・スケジュール管理が苦手
②定期テスト対策のやり方がわからない
③とにかく勉強が分からない
3.勉強嫌いな子の知的好奇心を呼び起こすスゴテク
1.勉強嫌いの中学生の実態に目をそらさないで!
中学生のお子さんをお持ちのお母さん、お子さんが勉強をしなくて困っていませんか?
中学生になると、
・定期テストで順位や偏差値が出る!
・高校受験のことが気になる
など、小学校時代よりも勉強に対して敏感になりますよね。
特に今の時期は、今年度はじめての中間テストを控えていたり、個人面談が実施されたりしている時期。
学習の理解度や進路について担任の先生から説明されて、頭を抱えているお母さんもいらっしゃることでしょう。
こんなお母さんの焦りとは裏腹に、
わが子は全く勉強しない…
それどころか、「勉強なんて大嫌い!」と言ってばかり…
「勉強しなさい!」というものの、思春期に入ってるわが子は完全無視するか、暴言が返ってくるか。
もうどうしたらいいの?
この子の将来、どうなるの?
とお母さんばかりがますます焦っていませんか?
実は、あなたのご家庭だけでなく、日本全体として「勉強嫌いな中学生」が問題になっていることをご存じでしょうか?
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所共同研究による「子どもの生活と学びに関する親子調査2016」という調査結果があります。
この調査で、 学年が上がるにつれて勉強嫌いの子どもが増えていくという悲しい現実が明らかになりました。
特筆すべきなのは、中学校2年生で、約6割の子どもが「勉強嫌い」と回答。中学校2年生以降高校3年生まで、この数値が大きく変わらなかったこと。
あなたは、この事実をどう考えますか?
14歳から18歳の青春真っ盛りの子どもたちの6割が、勉強が嫌い!と学習意欲を失っているのです。
5年間、勉強が嫌い、勉強をしたくないと過ごしてきた子どもたち。 高校を卒業して環境が変わったといっても、大幅に学習意欲が回復するとは考えにくいからです。
親として、学ぶ意欲を失ったままの子どもを社会に送り出してはいけない!
そのためには、「勉強が嫌い」が過半数を超える中学生時代をどう過ごすのか?がポイントになると考えています。
この中学時代に、勉強に対する意欲を失わず、むしろ学習意欲を掻き立てるような活動をしていったら、子どもたちの人生は変わると思いませんか?
2.勉強が嫌いになってしまう3つの理由
そもそも、中学生になって「勉強が嫌い!」と答える子どもが一気に増えるのはどうしてなのでしょうか?私は3つの理由があると思います。
◆①情報・スケジュール管理が苦手
中学生は授業数が増えるうえに、部活が始まります。お子さんの中には、小学校よりも通学に時間がかかるようになった子もいるかもしれません。
自由に使える時間が減っているのに、各教科ごとに宿題が出て提出期限も異なる…情報の整理が苦手、スケジュール管理が苦手なお子さんはこの段階でつまづいてしまいます。
限られた時間に、やるべきことを優先順位をつけてこなしていく。
今日できなかったことを覚えておいて、明日以降に忘れずにこなす。
明日は明日でまたやるべきことが増えるので、今日できなかったことを含めて、優先順位を再検討する。
中学生になると、担任の先生がすべてを把握して教えてくれるわけではないので、自分で管理する力が必要になります。
苦手な子は
・そもそもやるべきことを把握しきれない
・やるべきことはわかっても、スケジューリングできない
ということになります。
ただ宿題を忘れていた、間に合わなかった、という問題だけではなく、反復学習する機会を失ってしまうのが大問題!
スケジュールや情報の管理ができないということは、学習理解にも影響が出てしまうのです。
◆②定期テスト対策のやり方がわからない
小学校と中学校が大きく違うのが、定期テストの存在です。1学期の中間テストが間もなくやってきますが、準備は進んでいますか?
中間テストは5教科、期末テストは9教科を限られた時間のなかで復習しなければなりません。単元ごとにまとめテストが実施される小学校とは大きく異なります。
当然、うまく計画を立てて進めなければならないのですが…何から手を付けていいかわからず、やみくもに進めてしまったという子もいるはずです。
定期テストは点数だけでなく、順位や偏差値まで出るのがつらいところ。結果の良し悪しで勉強に対する自信や意欲を一気になくしてしまう可能性があります。
定期テストについては、こちらの記事にまとめました。
◆③とにかく勉強が分からない
勉強の楽しみは、
・分からなかったことが分かるようになる
・知らなかった事実を知ることができる
という、知的好奇心を刺激して満たすことにあると思います。
授業についていけなくなると、ずっと分からないまま。当然ですが、面白くも楽しくもありません。
今の学校のシステムは、積み重ね型。特に英語と数学は基礎ができていないとまったく理解できない学習内容です。
アルファベットをすべて覚えていない子は、英単語が理解できない。
英単語が理解できない子は、熟語や文法が理解できない。
英単語・熟語・文法が理解できない子は、長文読解ももちろんできない。
それなのに学校では、勉強についていけない子をフォローする仕組みも十分ではありません。
結果として、分からない子はそのままになってしまい、授業だけがどんどん進んでいきます。もう念仏を唱えられているようなもの。当然眠くなり、授業態度の評価も下がってしまいます。
テスト前は、分かってないけれどひたすら暗記で詰め込む。
でも、理解していないから暗記もなかなか進まない。
テストでもうまく活用できない。
結果として、テストの点はさんざん…
これって完全に苦行です!「勉強しなさい」と言われてもやりたくなくて当然です。
中学生で勉強嫌いの子が一気に増えるのは、こうした苦行を強いているからではないでしょうか?
勉強嫌いの子の学習意欲を掻き立てるのは、
・分かった!
・なるほど!
という知的好奇心を満たすことに立ち返ることが必要だと思います。
知的好奇心を満たすためには、
・机に向かって
・教科書を読んで
・ノートにまとめて
・ワークやドリルを解く
という、ステレオタイプな「勉強」は一切不要!
少しでも「楽しい!」と思える要素をプラスして、子どもの興味や好きなことがどんどん広げていきましょう!
3.勉強嫌いな子の知的好奇心を呼び起こすスゴテク
机に向かわず、 教科書も開かず、 ノートも鉛筆も必要ない! ドリルもやらない!
子どもが心から楽しんで学べる方法をお伝えします。
それは、ズバリ!本・テレビ・映画などを教材にすることです。
ただ、これらは事実ではないことが織り交ぜられていたり、誇張されていたりすることもありますよね。お母さんとしてはそんなものを教材にして大丈夫?と心配になるかもしれません。
でも、子どもは楽しくないと興味を持つことができません。興味が持てないと知識は広がっていきません。
最初の一歩は、事実として正しいことを優先するのではなく、楽しさを優先するのが鉄則です。
そして、本やテレビ、映画などは読者や視聴者を最後まで飽きさせない工夫や演出がされています。まさに「きっかけ作り」にピッタリなんです!
発達障害やグレーゾーンのなかでも、視覚優位の子どもたちはテレビや映画が特にオススメです。
視覚優位の子どもたちは目から入った情報を処理するのが得意!映像から情報を得られるテレビや映画は彼らの特性にピッタリだといえます。
正しさを優先するなら教科書でいいはずです。でも教科書を読んで楽しさを感じたり興味を持ったりする子どもは多くありません。
楽しかったり、興味を持ったりして子どもが自分から学ぶようになれば、事実でないこともいずれ分かります。そしてそれも新たな学びになるのです。
例えば、歴史上の人物を取り上げた本、テレビ、映画はたくさんありますよね。その人物だけではなく時代背景や関係のある歴史上の人物についての知識も得ることができます。そこから歴史について興味が持てるかもしれません。
教科書を読んでノートにまとめたり、ひたすら暗記したりするのは、やはり楽しくありません。特に歴史については丸暗記するのは非効率!
まずは本・テレビ・映画などを使って、楽しく全体像を理解すると興味を持って学ぶことができます。
勉強嫌いな子でも、この方法なら勉強のきっかけが作れると思いませんか?もちろん「きっかけ」ですから、お子さんが大好きな芸能人が出演しているなんてぴったりですよ!
また、最近は動画投稿サイトでも学習系の動画が増えてきました。これも、利用しない手はありません!
映画やテレビと大きく違うのは、時間です。短時間でポイントを伝えてくれるので、毎日忙しい中学生にもってこいです!
子どもの興味を引くためには、何と言っても話し手の技量や視覚的な効果が問われます。
先生がだらだら話すのを聞くと眠くなる子も、
・中田敦彦さんやDaigoさんのように、プレゼン力に長けた方の動画
・映像がたっぷりで目で見て理解できる動画
だと、楽しく集中して理解できますよね!
ちなみに、この方法を取ったからといって、すぐにテストの点数が上がるとは言えません。
これは、「勉強」というよりも、知的好奇心を満たす方法。 知識を増やして子どもが興味を持てるものを増やすということを目的にしています。
あくまでもきっかけ作りだと思ってください!
でも、「きっかけ作り」はとても大切です。
というのは、どんなことでも幅広く知識を増やせば、学んだことをリンクさせて新しい興味を生み出すことができるからです。
そして、興味を持つことができれば、子どもは自分から調べたり学んだりするようになるからです。
実際に、私の高校時代の友人は、
・源氏物語を漫画で読んだことをきっかけに、大学で古典文学を学んだ子
・三国志のゲームで中国史にハマり、高校の歴史の先生になった子
・法廷ドラマをきっかけに弁護士を志し、夢をかなえた子
など、教科書以外の素材をきっかけに、自分の人生をつかみ取った子がたくさんいます。
やはりは、興味の問題なんですね。
発達障害やグレーゾーンの子どもは自分が興味を持ったことはとことん追求しますよね。無駄な素材なんてありません!
子どもがより多くのことに興味が持てるように促すのが、お母さんの役割です。
勉強嫌い、しかも思春期で親の言うことを聞かない中学生に「勉強しなさい!」と叱っても効果はありません。
それよりも、
「いっしょにテレビ見ようよ!」
「お母さん、この漫画にはまっててさ~♪」
とさりげなくきっかけを提供する、スゴテクを持ったお母さんになってください。
勉強に関しては、こちらの記事も合わせてお読みくださいね。
全く勉強しない子どものやる気を呼び覚ます方法はこちらから!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)