学校生活も二学期の後半に入ります。今まで頑張ってきた疲れが出てきたり、うつ状態や不登校に陥りやすい時期でもあります。いつも以上にお子さんの様子を観察し、SOSサインが出ていないかチェックする術を見つけましょう! |
【目次】
1.ストレスのたまる時期です
2.心身の不調の合図・SOSのサインとは?!
3.我が子のSOSに気付いたら
4. お母さんが子どもを救うケア方法とは?!
①子どもを肯定する
②朝起きたら部屋を明るくする
③運動をする
④バランスよく栄養をとる
5. お母さんが子どもの安全基地となる!!
1.ストレスのたまる時期です
二学期も後半に差し掛かろうとしています。
子ども達は毎日、一生懸命に生活をしていますよね。
特に二学期は学校行事も多く、その準備をしたり、授業の内容が難しくなったり、友達関係などの疲れが出てきたりするお子さんもいることでしょう。
また今年も、コロナウィルスの影響で学校や習いごとなど制限の多い生活の中で頑張っています。
そうなると心身への不調が出てきて、学校へ行きたくないと突然言い出すこともあります。
発達に特性がある子ども達は、ストレスが溜まってしまうと家庭の中でSOSのサインとして色々なサインを出してきます。そのサインに気付いていますか?
2.心身の不調の合図・SOSのサインとは?!
SOSのサインには大きく分けて体調のSOS、行動のSOS、自分を傷つける行動や言葉でのSOS、があります。
えっ?こんなこともSOSなの?ただの甘えじゃないの?と思われるかもしれませんが、そうじゃないこともあるのです。
♦体調のSOS
・夜眠れない
・夜中に何度も起きる
・朝起きれない
・食欲がない
・頭痛や腹痛がある
♦行動のSOS
・学校に行きたがらない
・友達と遊ばない
・同じ動作や行動を何度も繰り返すようになった
・暴言が増えた
・暴力的になった
暴言暴力がSOSと思ったらこちらをご覧ください。
♦自分を傷つける行動や言葉でのSOS
・髪の毛を抜く
・爪を噛む
・「生まれてこなければよかった」と言う
・「消えたい、いなくなりたい」等と言う
子どもは言葉で自分の苦しさを上手く伝えられないため、些細なクセから生死に関わることまで、SOSは様々な言動に現れてくるのです。
また思春期といわれる年齢のお子さんの場合、その時期の反抗期と勘違いされ見落とされることもあります。
いつもと様子が違う、おかしいな、と感じたら注意深くお子さんを見てあげて欲しいのです。
3.我が子のSOSに気付いたら
我が家の息子は小学4年生のときに不登校になりました。
振り返ってみると、突然不調があらわれたのではなく、不登校になる1ケ月前頃からいつもと様子が違っていました。
一日に何度も腹痛を訴えたり、夜中に頻繁に目が覚めたり、食欲がなくなりおやつばかり食べたがったり、不安な気持ちを口に出したりするようになりました。
この時点で病院受診やスクールカウンセラー等に相談すればよかったなと思います。心配しつつも他機関へ相談することなく、あまり無理をさせないように様子をみていました。
「生きているのが辛い…でも死ぬのも怖い」と、人生を悲観する言葉を発したこともありました。
その後児童精神科を受診しましたが、主治医からは「無理はしないように。薬は出す程ではなさそうなので好きなことをして過ごすといいですよ。」と言われました。
「無理をさせないようにする」だけでは不安で、もっと自分にできることをしたいと考えた私は息子を元気にしたい一心で色々と自分でリサーチしました。
実際に、子どものSOSサインを受け止め、効果のあった方法をお伝えしていきますね!
4.お母さんが子どもを救うケア方法とは?!
♦①子どもを肯定する
子どもの発するSOSへのお母さんができる対処法として、簡単で効果的なのが子どものことを肯定するということです。
・朝起きてきたら「おはよう!よく起きたね」
・ご飯を少しでも食べれたら「ご飯食べてくれて嬉しいよ」
・ゲームをしていたら「面白そうだね!順調にいってる?」
などと、子どもが行動したことをひたすら肯定して伝えてあげます。褒める必要はないんです。
ただ実況中継するだけで十分です。 その実況中継により子どもはお母さんから認められたという安心感が生まれ、自分に自信を持てるようになっていきます。
気をつけたいのは、子どもが「生きていても仕方ない…」等と自分の命を否定するような発言をしたとき。
お母さんにとっては大事な子どもがそんな発言をするのはとてもショックですが、子どもは他人と自分を比べて発言している可能性もあります。
「そんな風に思うほど辛いんだね。話してくれてありがとう。お母さんはあなたのことが大切でいなくなってほしくなんかないよ!」 と、子どもの存在が大事であり心配していると伝えることが必要です。
また、「あなたはそのままでいいのよ」と、ありのままの姿や子どもの想いを肯定し受け止めてあげてください。
周りにいる大人は子どもへ理解を示し、子どもが話したい気持ちになったときは気持ちに寄り添って話を聞いてあげてください。
◆②朝起きたら部屋を明るくする
朝になかなか起きられない場合、朝起きたら日光の光を浴びると良いですよ。
光を浴びることで体内時計がリセットされて夜眠りやすくなります。
朝は起こすといつも辛そう…という場合は、子どもがいつも起き上がる30分前ぐらいに、寝室のカーテンを開けたり、窓がなければ部屋の電気をつけるだけでも大丈夫です。
目を閉じていても網膜から光刺激は入るので、眠っている間にもホルモン分泌がゆるやかに活性化していきます。
そうすると、次第に目覚めていきます。 もしも、昼夜逆転してしまっている場合、朝早くに光を浴びることは逆効果になる場合がありますので注意が必要です。
こちらの記事を参考にしてみてください。
◆③運動をする
家ではゲームをしたり、YouTubeなどを見ることが多く、なかなか運動をしようというお子さんはいないのではないでしょうか。
しかし、定期的な運動は心の安定にとっても効果的なのです! 子どもの気持ちが落ち着いている時間帯で大丈夫です。30分程度できそうな運動はありますか?
我が家では、テレビを見ながらバランスボールを跳ねたり、ガムを噛んだり、家の中で風船バレーをしたりと子どもが楽しめるものを取り入れて運動する機会を取り入れていきました。
また、呼吸も運動の一部です。
鼻から息を吸って、お腹に空気をためてから、鼻から息を吐き出します。出来たら、吸う息よりも吐く息を長くするようにしたらいいですね。
ゆっくり呼吸することを意識しながら、最初は「鼻でゆっくり息を吸って〜吐いて〜」とお母さんが誘導してあげてください。
規則的な呼吸を身に付けることで自律神経が整い気持ちも落ち着いていきます。
息子は自律神経測定アプリを使い、視覚で自分の呼吸リズムを確認しながら毎日1〜2分程度呼吸することを習慣にしています。
「自律神経」や「呼吸法」と検索するといろいろなアプリがあるので、お子さんと楽しくできそうな物を探してみるのもいいですよ。
◆④バランスよく栄養をとる
発達障害やグレーゾーンの子どもは感覚過敏であることも多いです。
元々あった感覚過敏がひどくなり食事が偏ってしまったり、食欲自体がなくてご飯が全然食べられない…ということもあるかもしれません。
気分が憂鬱だと子どもが大好きなお菓子やスイーツ系のデザート等を食べさせてあげて、元気にしてあげたいと思ってしまいがちですが、甘いものの食べ過ぎは要注意です。
血糖値が乱れてしまい、「だるい」「疲れた」「動けない」といった症状がより強くなってしまうこともあります。
我が家では、甘いものを完全に止めるのは子どもにストレスが溜まってしまうので、量を加減するなどしていました。
バナナやチーズを食事やおやつとして取り入れたり、お肉やお魚をしっかり食べられるおかずを作ったりしていました。
野菜は、味覚や臭覚の過敏でほとんど食べられなくなった時期があったので、無理強いせずにサプリメントで栄養を補うようにしました。
5.お母さんが子どもの安全基地となる!!
家庭でできる対策をしていくことで、我が家の息子の心は安定していきました。
心が落ち着いてくると、笑顔が増え、楽しいことや興味のあることを教えてくれるようになり、勉強したり、外出などにも参加できるようになっていきました。
ときどき、過去のフラッシュバックがあったりして「危ないな、気持ちが落ちるな」というときでも、親が意識して対策を強化することでひどく落ち込むことを防げていると感じています。
学校の課題や対人関係で悩む子ども達にとって、お母さんがどっしりと明るく笑顔で接してくれることが1番の安心となります。
お母さんは、子どもが学校へ行けなかったり、勉強がスムーズに行かなかったり等、子どものSOSを感じても頑張らせた方がいいんじゃないかと迷うこともあると思います。
また、お母さん自身が子どもの頃は、無理してでも学校に行ってた。私ができて自分の子どもができないなんておかしいと思わないので欲しいのです。
無理をさせてしまうことが問題を悪化させてしまうことがあります。
結果的に休むと決断した時は、前向きに休息することと捉え、好きなことをして過ごす時間を作ってあげてください。
子どもの心が壊れてしまったり、本当に命の危険を感じるような事態になってしまったりすることだけは絶対に避けてほしいのです。
一番身近なお母さんが子どもの安全基地となり、子どもを信じて見守る気持ちを忘れずにいたら、先では一回りも二回りも成長したお子さんになっていることでしょう。
お母さん自身も今回お伝えした方法で心と体を整えると、子どものケアが楽しくできるようになりますよ!
ぜひ、一緒に試してみてくださいね。
お子さんの発達を加速させたいママはこちらから!
執筆者:すずき 真菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)