発達障害の幼児はまだまだ時間の感覚が弱く、行動が遅くなりがち。特に動画など継続して見てしまう工夫がなされているものをやめるのは中々難しいですよね。今回は上手に子ども自身の意思で次の行動に移せるようになるポイントをお伝えします。 |
【目次】
1.みんな大好きYouTube!発達障害の幼児が決められた時間を守れない理由
◆時間の感覚が弱い
◆ちょうどいい加減が分からない
◆ママの声が届いていない
◆動画が継続して見るように作られている
2.一度見始めると極端に行動が遅くなった息子
3.朝もすんなり登園できるように!切り替え上手になった3つのポイント
1.みんな大好きYouTube!発達障害の幼児が決められた時間を守れない理由
子どもも大好きなYouTube。お子さんは決められた時間にやめることができていますか?
朝は特にお母さんも忙しい時間帯。思った通りにやめてくれないと、ついイライラしてしまいますよね。
発達障害の幼児の場合はこんな理由でやめられなかったりします。
◆時間の感覚が弱い
発達障害の子どもは、元々時間の感覚が弱いと言われています。
「〇時に家を出るよ」と言われてわかっていても、 そもそもその時間が長いのか短いのかよくわかっていません。
特に年齢が低い幼児こそその傾向は顕著なため、「やめる時間だよ」と声をかけても本人にとっては納得できなかったりするのです。
◆ちょうどいい加減が分からない
発達障害の幼児の場合、感情や行動のコントロールがまだまだ未熟。
コントロールできないから好きなことへの熱中ぶりはすごく、他のことが目に入らない状態になってしまっています。
そのため「動画を見るのが楽しい!」と言う感情が、「そろそろやめる」という感情より勝っているために行動が遅くなりがちなんです。
◆ママの声が届いていない
発達障害の子どもは視覚からの情報処理能力が高いと言われています。
そのため動画という目で情報を収集するものは、他の情報を遮断してしまうほど強く力を発揮してしまうんです。
それが何度言っていても「聞いていない」状態を作り、「いい加減にやめなさい!」 と言われて初めて、「何のこと?!なんでママ怒っているの?!」と気づくのです。
本人にしてみたら急に怒られてしまうため、場合によっては癇癪やパニックに繋がってしまうことも。
◆動画が継続して見るように作られている
そして何より、動画は継続して見られることを意識して作られています。
ママご自身もなんとなくずーっと見てしまった、なんてご経験はあるかと思います。
関連動画のリンクが貼ってあることで、「これは何だろう」 と思わせるよう工夫がなされているんですね。
2.一度見始めると極端に行動が遅くなった息子
我が家では息子も一時期YouTubeにはまっていました。
何かのご褒美として動画を見ることをOKとしており、その結果、朝の支度はとても早くなりました。
これまでダラダラしていた着替えや朝食は10分もすれば終わるようになり、とてもスムーズに動けるようになったんです。
ただ、困ったのが終わり方。
当時は多動傾向が強かったため、少しでも落ち着けばとテレビからタブレットに切り替えて見させていたんです。
それが結果的に、自分で次から次へと動画を渡り歩ける状態を作ってしまいました。
一度見始めると途中でやめられずに次の行動へ切り替えることができなくなってしまったんです。
タイマーを使ったりもしましたが効果なしで、わざわざ消してその後も見続けていました。
私としては、登園する時間に行ければ早く支度するほど長く見ても良しとしていましたが、
ダラダラと見続ける息子に
「いい加減にやめないと、タブレット取り上げるよ!」
とイライラしてつい口に出してしまう回数が増えていってしまったんです。
もちろんこれはNG対応。
ネガティブな気持ちのまま家を出ることで、不安が強くなり
「何時にお迎えにくる?」
と早いお迎えを要求したり、
「保育園行かない!」
と急に登園渋りに発展してしまったりと、その後の行動に大きく影響していきました。
せっかく朝の支度は早く終わらせているのだから、このまま見せるのはやめさせたくないな…と色々試行錯誤した結果、今ではすんなり行動できるようになったのでご紹介しますね。
3.朝もすんなり登園できるように!切り替え上手になった3つのポイント
ポイントは3つです。
◆① 時間ではなく、今見ている番組が終わるまで
発達障害の幼児は時間感覚が未熟なため「〇時」と言っても理解できません。
そのため、「時間だから今の番組が終わったら出ようね」と伝えています。
更に息子は不安が強いため、突然言われるとパニックを起こします。
逆に見通しが立つと次の行動に移りやすくなるため、「あと〇回だよ」とこまめな声かけもしていました。
◆② ご褒美を導入する~チョコレート~
みなさんが動画をだらだら見てしまう理由はなんですか?
半分無意識な場合もあるかもしれません。
発達障害の幼児の場合、この先も楽しい時間であることを理解しているから。
特に次の行動がそれ以上魅力的なものでなければ、その楽しい状態をやめるのは至難の業なんです。
そのため我が家は「動画を時間通りにやめられたらご褒美をあげるよ」と本人に伝えるようにしていました。
息子にとって効果的なご褒美の一つがチョコレート。
チョコレートは普段あまり食べさせておらず、ご褒美の時に一口ポンっと口の中に入れると一気に切り替わることができるお助けアイテムです。
◆③ ご褒美を導入する~本人の選択した道からの登園~
チョコレートは効果がありますが、毎日だとまだまだ小さな身体には量が気になるため、「息子が行きたい道からの登園」というご褒美も導入しています。
普段自転車で送迎しているため、私としては最短ルートで行きたいところですが、こだわりが強めでもある息子にとって自分が選択した道で行けることは何よりのご褒美。
大体が少し遠回りになる分、出発時間を早め
「〇時までに出られたら、〇〇君の好きな道で行こう。だからあと○回で終わりだよ」
と促すようにしています。
我が家はこの①②③をうまく掛け合わせることで、毎朝のバトルが格段に減り、 私も息子もストレスなく登園することができるようになりました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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執筆者:仲田なぎさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)