あなたの周りに「勉強はできるけど仕事ができない」そんな人はいませんか?偏った早期教育によって「脳を育てる順序」を間違えると、あなたのお子さんも仕事ができない大人に育ってしまうかもしれませんよ…。脳の発達の仕組みを知って、子どもの脳を正しい順序で育ててあげましょう。
1.「勉強はできるけど仕事ができない」大人が増えている?!
「勉強はできるけど仕事ができない」
あなたの周りにそんな人はいませんか?
私の周りには結構多くいます…。
私の上司はまさしくそのタイプの人です。
私の上司は、某有名大学を卒業しています。
幼少期から塾に通い、小学校からお受験を経験。
そのままエリート街道を進み、絵にかいたような優秀な子ども時代・学生時代を過ごしてきたようです。
しかし、優秀な学歴があっても、彼は仕事ができないのです。
どのように仕事ができないかと言うと…
与えられた仕事、決められたタスクは完璧にこなすのですが、自ら調べたり、開拓することがとても苦手です。
また、応用力がなく、なにかトラブルが起こると、パニックになってしまいます。臨機応変に動くことがとても苦手です。
そして一番致命的なのは、行動ができないこと。
自分から率先して「やろう!」というリーダーシップが取れません。
優しい、穏やか、思いやりがある。そんないい所もいっぱい持っているので、尊敬はしているのですが…
正直、その上司を見ていると
「成績が優秀」と「脳が育っている」はイコールではないなと感じてしまいます。
2.勉強はできるのに仕事はできない人たちの共通点
「勉強はできるのに仕事はできない」と言われている人たちは共通して
①見たり聞いたりして情報を知ろうとする
②考える
③行動する
この3つのプロセスのどこかが欠けていることによる失敗が多いように見受けます。
①見たり聞いたりして情報を知ろうとする力が欠けている
やるべきことが決まっていたり、マニュアルがあれば完璧に仕事ができるのに、自ら見たり聞いたりして情報を得るように指示すると、何から取り掛かればいいかわからずにフリーズしてしまうタイプの人です。
よくマニュアル人間とも言われていますよね。
これらのタイプの人は、自分で課題を見つけることや情報を収集しようとすることができません。
そのため、新しい状況や問題に対して柔軟な対応をすることがとても苦手です。
②考える力が欠けている
情報は収集できるものの、それをよく考えることができないタイプの人です。
自分で問題が解決できないため、仕事の中でのミスが多くなったり
この先どうなるかをよく考えて行動しないため、チームで動いている場合は周りのチームメンバーと協力や連携が難しくなってしまうこともあります。
③行動する力が欠けている
情報収集、課題解決はできる。
しかし、情報収集したことや考えたことを行動に移すことができないタイプの人です。
プレゼンなどで人前で発表することが苦手だったり、思っていることがあるのにチームや上司に自分の意見を伝えることが苦手です。
また、中には自分がすべき範囲ないの仕事は完璧にこなすことができる人もいますが、行動に移すことが苦手であるため、チームや組織においてはリーダーとして周りを引っ張ることができません。
あなたの周りで「仕事ができる」と言われている人を想像してみてください。
その人はこれらの基本的な3つの力を持っている人ではありませんか?
3.「脳を育てる順序」を間違えると、仕事ができない大人に育つ?!
もちろん「勉強も仕事もできる人」は世の中にたくさんいます。
しかし、残念ながら「勉強ができるのに仕事ができない人」が多いのも現実です。
なぜ、勉強はできるのに仕事ができない残念な大人に育ってしまったのでしょうか?
その理由は、脳を育てる順序=「大人になるまでにその人の脳がどのような順序で育ってきたか」ということが大きく関係していると私は考えています。
脳には発達段階によって、育つ順序があります。
脳が育つ上で重要なことは、旬の時期に旬の場所を育てること。これが鉄則です!
10歳まではインプットするための脳がぐんぐん伸びる旬の時期。
見る・聞くなどのインプットするための脳のエリアは低年齢のうちからよく育つため、10歳までには「見る」「聞く」「動く」という体験をたくさん経験させて、インプットするための脳のエリアを開拓していくことが大切です。
また、思考や感情といったアウトプットするための脳のエリアは10歳以降にゆっくり時間をかけて育っていきます。
土を育て、幹が太くならないと、枝ぶりは伸びないように…
脳も発達の土壌となるインプットの脳のエリアを開拓して育てることで、その後に育ちの旬を迎える脳のエリアの育ちを伸ばしていくことができます。
「成績優秀な子に育てたい!」
「周りの子より学習を進めたい!」
幼い頃から習い事や勉強ばかり。
偏った早期教育や英才教育に必死になって、脳の育つ順序を考えず、早いうちからアウトプットをするための脳ばかり育てようとしてしまうと…
脳の育つ順序が崩れてしまうため、その時は「頭のいい子」として褒められることもあるかもしれませんが、将来、脳が育つ土台ができていないので、脳の発達が伸びていきません。
見る力、聞く力などのインプットする脳のエリアが未開拓のまま、成長してしまうと…
①見たり聞いたりして情報を知ろうとする
②考える
③行動する
この3つの力が育っていない、難しい知識だけが記憶に残っているあべこべな脳に育ってしまいます。
その事象がなんで起こるのか、見たり聞いたりして自ら行動し物事を知ろうとする力が育っていないと、その後の問題解決をする力、行動する力には結びつかないのです。
4.10歳までは「見る」「聞く」ための脳を育てよう!
「勉強はできるけど、仕事ができない大人」に育てないためには、子どもの脳を正しい順序で育ててあげることが大切です。
10歳までは伸びやすい脳を作るために、特に子どもの「見るための力」「聞くための力」を意識的に育てていきましょう。
◆見るための力を育てる
目で見た情報を脳に取り込んで分析する働きを促すために
意識的に「見る」「眺める」「観察する」「探す」などの運動をさせるようにしましょう。
見るための力を高めるトレーニング「ビジョントレーニング」を取り入れている療育施設や学校も多いようですが、家庭では特別なトレーニングをする必要はありません!
とにかく、思う存分遊ばせてあげましょう!
なぜなら、子どもの遊びは、ビジョントレーニングそのものだからです。
・虫探し
・石ころ集め
・四葉のクローバー探し
・キャッチボール
などなど
実は、子どもが外遊びで何気なくやっていることが、見る力を育てる絶好のトレーニングになっているんですよ!
脳は子どもが「楽しい!」と思うことが原動力となって、活性化します。
学びの原点は「楽しい!」なんです。
机の上だけの詰め込みの偏った早期教育や英才教育では、脳は育たないことを十分理解してほしいと思います。
◆聞くための力を育てる
聞くための力は、言葉を習得して話すことができることに直結しています。
聞くための力が育たないと、会話による言葉の習得が進みにくかったり、言葉での指示が通りにくかったり、学校での学習に影響が出てしまいます。
聞くための力を育てるには、家庭での親子のコミュニケーションが1番効果的です。
一方的な会話ではなく、お互いの話を最後までしっかり聞いて、会話のキャッチボールをしてみましょう。
子どもの好きなことや興味のあることについて話題にすると聞く力を十分発揮することができます。
昆虫でもゲームでもyoutubeでも、お子さんの今ハマっていることを話題にして会話を楽しむようにしましょう。
子どもと会話をする時、ママは優しく・ゆっくり・丁寧に話すように心がけましょう。
偏った早期教育や英才教育が脳に及ぼす弊害を考えると・・・
毎日、習い事や塾に通う幼少期を過ごすより、親子でコミュニケーションを楽しんだり、外に出てたくさん遊ぶことに時間を費やす方が、将来の子どもの成長にとって、断然いい!ということをわかっていただけたでしょうか?
10歳までに育てたい「見る力」「聞く力」などのインプットする脳のエリア。
その育て方のヒントは、日常の生活や子どもの遊びの中にたくさん溢れています。
ママが意識的に「あ、今ここが育ってるな」と感じることで、子どもの遊びや行動の一つ一つを大切にしていってほしいと思います。