脳は否定形を理解できない!子どもにスムーズに伝わる指示の出し方とは?

「部屋を散らかさないで!」「お店の中で走らないで!」短い言葉でわかりやすく子どもに伝えているはずなのに、子どもが言うことを聞いてくれない。親の指示がなかなか子どもに伝わらない・・・そんなお悩みありませんか?子どもにスムーズに伝わる指示の出し方をご紹介します。
 
 

1.脳は否定形を理解できない

 
 
みなさんはお子さんに注意するとき
 
 
「散らかさないで!」「走らないよ!」「こぼさないように持って!」といったような声かけをしていませんか?
 
 
実はこれ「散らかす」「走る」「こぼす」をお子さんにイメージさせてしまう声かけなんです。
 
 
どういうことか?別の例を挙げましょう。
 
 
「梅干しを想像しないでください」いかがでしょうか?
 
 
今、頭の中で梅干しを想像して、口の中がすっぱくなった方はいらっしゃいませんか?
 
 
「ピンク色のゾウを想像しないでください」こちらはどうでしょう?
 
 
灰色でもブルーでもなく、ピンク色のゾウが頭に浮かんだ方が多いのではないでしょうか?
 
 
では、なぜこのようなことが起こるのか。
 
 
たとえば「ピンク色のゾウを想像しないでください」という指示聞いたとき、わたしたちの脳は
 
 
①ピンク色のゾウを想像する
②ピンク色のゾウのイメージを消す
 
 
といった流れで指示に従おうと働きます。
 
 
これは脳の仕組みが、はじめから否定語を理解することができないためです。
そのため、否定語をいったん肯定語に置き換える処理をしてから、否定するように作動するのです。
 
 
他にも、「散らかさないで!」という指示に対しては
 
 
①「散らかす」イメージが浮かぶ
②「散らかす」イメージを消す
 
 
「走らないで!」という指示に対しては
 
 
①「走る」イメージが浮かぶ
②「走る」イメージを消す
 
 
といった流れで指示に従おうとするのです。
 
 
 
 

2.「否定語」が多く使われている日本

 
 
上記は一例ですが、日本では長らく否定語を使ったしつけが行われてきました。
 
 
「〜したらダメよ」「〜しないで!」
 
 
私たち親世代が子どもの時代は、家庭はもちろん、学校でもたくさんの否定語が使われていたのではないでしょうか。
 
 
「廊下は走らない!」「給食は残さず食べましょう」「宿題は忘れない!」など、あげればキリがありません。
 
 
そんな教育が身についてしまっているためか、私も以前は「部屋を散らかさないで!」「こぼさないで持っていくのよ」など、よく否定形の言葉を使っていました。
 
 
今振り返ると、「こぼさないで!」と言った時ほど、その直後に子どもがよくこぼしていたなぁ、と思います。
 
 
 
 

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3.指示が伝わるシンプルな方法とは?

 
 
では、どうすればよいのか?
 
 
子どもに伝えたいことがある場合は、『伝えたい内容をシンプルに』言葉にすればよいのです。
 
 
「こぼさないで!」であれば「お皿をしっかり両手で持って」
 
「走らないで!」は「静かに歩いて」
 
 
という風に、子どもに『やってほしいことを具体的に』伝えます。
 
 
子どもに注意をする際は一瞬の判断。慣れるまではすぐに肯定形の言葉ができるとは限りません。
 
 
ですが、意識して否定語を使わないようにすることで「走らないで!(あ、違った!)歩こうね!」とはじめは2段階でも徐々に肯定形の言葉で伝えることができるようになっていきます。
 
 
お子さんにスムーズに指示が伝わり、親御さんが楽になるためにも、ぜひ意識してみてくださいね。
 
 
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
永瀬 未歩
 
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