遠足に行きたくない!不安が強い子どもが笑顔で「行ってきます!」に変わった記録

笑顔の子
卒業遠足には「行かない!」と不安が強くて母子登校中の娘は断固拒否!しかし、段階を踏んで遠足の準備をすることで行くことができました。ポイントは記憶のアップデート!どうやって遠足が楽しみに変わっていったのか我が家での取り組みについてお伝えします。
 
 

1.何が起こるかわからない遠足には行きたくない!

 
 
ママから離れることに不安が強く遠足(学校のイベント)が苦手な子いませんか?
 
 
私には
 
 
✔︎いつもと違う事や今後の見通しが立ちにくい事は全て拒否
 
✔︎心配事があってもお友達の中に入れなくて自分から”助けて”が言えない
 
✔︎わからない事だらけで不安になってしまう
 
 
など、困った時はママに頼ることでなんとか母子登校している小6の娘がいます。
 
 
不安が強い子はどう感じているのか、どうしたら遠足に参加できたのか、私の体験談を記事にしました。
 
 
ぜひ、参考にしていただけると幸いです。
 
 
遠足
 
 

2.遠足に行きたくない理由

 
 
不安が強い子の脳の特性には、感情を司る『扁桃体』が過剰に働くようになっており、不安や恐怖がより強く感じたり身体症状が現れます。
 
 
人類の進化では何よりも生存が優先されてきたので、命に関わるような大事な判断を扁桃体がしてくれています。
 
 
良く言えば、自分の身を守ることができる能力!
 
 
悪く言えば、不安が強すぎて慎重すぎる…。
 
 
不安を自分で解決できる人にしてみれば、いつもと違うイベントはワクワクで楽しみですが…
 
 
不安が強い子にしてみれば、いつも通りが『安心』で、わからないことが『不安』なので『そんなわからない所怖すぎて行きたくない、やりたくない』と思ってしまいます。
 
 
また、不安が強い子は記憶力がとても良いのです。
 
 
『いつ誰と何をした時にこうなって嫌な思いをした』と事細かに覚えています。
 
 
こういうことありませんか?
 
 
ママが見てる分には笑顔で楽しんでいる様子だったのに、帰ってから「楽しかった?」と聞くと「全然!ここが嫌だった!」と。
 
 
あんなにはしゃぎまわってたのに、それ言う?って思うことが私はよくあるのです。
 
 
これも扁桃体の仕業です。
 
 
不安の強い子は幸福に関連した刺激は覚えにくい特徴を持っています。
 
 
9割楽しくても、1割嫌なことがあると、その出来事は嫌な思い出として残ってしまいます。
 
 
この記憶が、厄介なのです。
 
 
嫌だったことを経験していると、次の挑戦を控えるようになってしまいます。
 
 
ましてや、嫌な記憶を鮮明に記憶しているとなると新たな挑戦はまた嫌な思いするからやりたくない!となりなかなか手を出してはくれません。
 
 
不安
 
 

3.話を聞く前から『行かない!』の一点張りの不安が強い娘

 
 
我が家の娘は不安が強く母子登校で学校に通っています。
 
 
時間割や内容によって離れられる時や、教室にママも同席している時間もあり、6割ほど一緒にいます。
 
 
現在小6ですが、今までの遠足は欠席もしくはママ同伴で参加しています。
 
 
普段は聴覚過敏のため、ざわざわした教室に入れず、特別支援学級に在籍しています。
 
 
場面緘黙症もあり、緊張する場面では話せません。
 
 
今回の遠足も初めは内容を聞く前から『行かない!』の一点張りで、『わざわざ何で大変な思いしなきゃいけないの?』と娘に言われました。
 
 
小6最後の遠足は5〜6人のグループに分かれて観光地を児童だけで散策してくるという内容でした。
 
 
・観光地はどこに行くのか
 
・どうやって行くのか
 
・時間までに集合場所に戻ってくるにはどういうルートが良いのか
 
・バスの乗り方や料金
 
・体験を1つ入れる
 
・予約する
 
 
遠足までのこれらの準備をグループごとに話し合って決めるところから子どもたちで行うのです。
 
 
さすが高学年!
 
 
不安が強い娘にとっては少々ハードルが高い内容で、遠足に行くまでに乗り越えなければいけない壁がたくさんありました。
 
 
不安な顔
 
 

4.記憶のアップデートで行きたくない遠足が楽しみな遠足に変わった!

 
 
不安が強い母子登校中の娘にとって越えなければいけない壁は多く、一つ一つクリアするには果てしない時間を要しそうな気がしました。
 
 
娘の壁はこのような事です。
 
 
・支援級から通常級までを1人で歩いて行く
 
・通常級のクラスに入る
 
・自分のやりたいこと、行きたい所をグループのみんなに伝える
 
・観光地までの行き方をどうするか
 
『ママと車で行き、現地集合・解散にする』か『みんなとバスで行き、ママは行かない』か
 
・誰かいると緊張するからいつも1人で食べている給食を遠足でみんなとお弁当を食べれるのか 
 
など
 
 
しかし、約1ヶ月の準備期間で自信をつけて無事にママなしで参加することができました。
 
 
私は学校の先生方にもご協力して頂き、ある作戦を決行しました。
 
 
それは
 
 
『心の準備を万全に!
 
 
「私はできる!」と思える体験を積み、悪い記憶をアップデートする作戦‼︎』です。
 
 

①1つ1つの挑戦のハードルを下げる

 
 
グループ決めは娘が選びました。
 
 
お友達が不公平と思わないように通常級で先に決めて、決まったグループを見てどこのグループなら入れそうか見て選びました。
 
 
また、聴覚過敏で大勢の人がいる場所には入れないから話し合いの場所は通常級の隣の空き教室でグループ6人だけにしてもらいました。
 
 
自分で選んだグループ、少人数だからその場に入れる…と見越して。
 
 

②「これならできる!」と思える選択肢を与える

 
 
お子さん自身が決めて実行できると成功体験になり自信に繋がるので、簡単にできることと、ちょっと頑張ればできることの2択で質問します。
 
 
事前に先生と話して「これならできる」の情報共有をしておきました。
 
 
「一度できたから次回もできるよね?」ではなく、『前回は前回。今回はどうする?』のスタンスで毎回確認を取り、自分で選んで実行することを繰り返しました。
 
 
そうすると『できた!』の経験値が上がり「それくらいできるよ!」と自信を持ってできるようになっていきました。
 
 
どっちを選んでもOKの選択肢を伝えてもらい、『出来た!』の印象を持てるようにしました。
 
 
初めから難しい選択肢を出すと、頭の中は『無理!』と思ってしまい他の提案を受け入れにくくなりますのでご注意ください。
 
 

③下見に行く

 
 
初めてのことは不安だけど、2回目となるとそこまで不安ではありません。
 
 
安心できるママとの下見で不安は軽くなります。
 
 
その場の状況や騒がしさなどから「当日イヤーマフ持って行く?」と相談ができました。
 
 
不安の強い子は準備が9割!本番1割!です。
 
 
『いつ、どこで、だれが、何をする』これが分からないと不安は消えません。
 
 
実際は予測不可能なことも起こるかもしれませんが、全体像を把握してるのとしてないのとでは安心感が随分違うものです。
 
 
このように約1ヶ月間、『出来た!』の成功体験を重ねて、不安を一つ一つ消していったことで悪い記憶をアップデートすることができ、娘は安心して当日を迎えることができました。
 
 
当日の朝は楽しみすぎて笑顔で出発できましたよ。
 
 
こんなに丸1日私と離れられたのは初めてです。
 
 
『心の準備を万全に!
 
 
「私はできる!」と思える体験を積み、悪い記憶をアップデートする』
 
 
記憶のアップデート、みなさんもお試しください。
 
 
笑顔の子
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション リサーチャー
田中さくら
 
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