ちょっとしたことからすぐに起きる兄弟喧嘩。親の対応策として、口出ししない方が良いのはわかっているけど、つい、もめている声が気になって仲直りさせようとしてしまう。それでもおさまらない喧嘩に、イライラして怒ってしまうというママはいませんか?本記事では、ママがイライラする理由と私が自分の心を落ち着かせられるようになった方法をご紹介します。
1.頻発する兄弟喧嘩に疲れてうんざりしていませんか?
一日に何度も兄弟喧嘩になってしまう…
ママからすれば、それくらい譲ってあげなよ…と思うような本当に些細なことでも、きょうだい間では我慢できずにけんかになってしまうことってありませんか。
兄弟喧嘩は社会性を育てるという面もあるので、見守る方が良いのは分かってはいるけど、つい仲裁しようとしたり、アドバイスしてしまうこともあるでしょう。
このような状況が続くと、ママも
「またか…」
「なんでそんなに喧嘩するの?」
「お願いだから仲良くしてよ…」
とイライラしたり、疲れてうんざりしてしまうのは当然です。
兄弟喧嘩が減ってほしい、
子どもたちの気持ちに振り回されずに、イライラせずに対応したい
と思っているママも多いのではないでしょうか?
2.私が兄弟喧嘩を仲裁しようとした結果…
我が家には8歳と5歳の息子がいます。
以前の我が家では、
・ゲームでお兄ちゃんに勝てないから一緒に遊びたくない
・ゲームを代わってくれない
・相手の方が果物が多いから、ズルい
・見たいYouTubeが違い、お互い譲れない
・静かにしたいのに、相手がうるさい
など「それはイヤだよね」と思えるものから「え!それくらいいいじゃん!」と言いたくなるようなことまで、喧嘩の原因は様々ですが、とにかく頻繁に喧嘩をしていました。
最初は少し言い争っている程度ですが、次第に売り言葉に買い言葉でお互いにヒートアップ!
泣きながら暴言をはき、叩いたり、蹴ったり、ひっかいたり…
私は2人のどちらかがけがをしたり、大声で泣かれるのをとてもストレスに感じていました。
だから兄弟喧嘩が始まると、これ以上ヒートアップする前に止めなければ!と急いで2人に声をかけていたのです。
しかし、カッとなっている2人に喧嘩の理由を聞いてみても、共感しようとしてみても、私の声は届いていない様子で一向に怒りが静まることはありません。
だんだんと私もイライラしてきて怒ってしまい、なんとか喧嘩を収束させていました。
当時の私は一日に何度もこの対応をしていて、私自身も疲れていましたし、喧嘩ばかりする2人にうんざりしていました。
そして、どうしたら喧嘩の度にイライラせずに対応できるのだろうか、どうしたら子どもたちは仲良く出来るのだろうかと悩んでいました。
3.兄弟喧嘩にママがイライラするメカニズムとは?
そんな時、発達科学コミュニケーションを学び、なぜ私が子どもたちの喧嘩でこんなにイライラしてしまうのかというメカニズムを知りました。
実はそれは、感情が伝染するからです。
イライラしている人の近くにいるとこっちまでイライラする!ということはありませんか?
これは脳内にあるミラーニューロンという『まねること』に特化した神経細胞によるものです。
これによって相手の感情が自動的に移ってしまうのです。
だから子どもたちが喧嘩をしてイライラしているのを見ると、ママもイライラするわけですね。
そしてイライラしたママが声をかけて子どもたちはもっとイライラする、
またその子どもたちのイライラが伝わってママももっともっとイライラする…という悪循環になってしまうのです。
つまり、いかにミラーニューロンが発動しないようにするかがカギになってきます。
4.兄弟喧嘩にイライラしなくなる親の対応
♦兄弟喧嘩は子どもたちの問題
イライラのメカニズムを理解した私は、まずは兄弟喧嘩がおこってもイライラが自分にも伝染してしまわないように心の距離をとるように意識しました。
「兄弟喧嘩は私自身ではなく子どもたちの問題!」と境界線を引いてみたのです。
しかし、当初は気にしないと決めても、子どもたちの言い争う声にそわそわしてしまい、見守るのが難しかったです。
そんな時は
「自分は今どんな風に感じているのだろう」
「どんなところにイライラしているんだろう」
「イライラの裏にある気持ちはなんだろう」
と自分の気持ちに向き合ってみました。
気持ちになんとなく気づいたら、
「それはイヤだよね」
「そう感じてしまうこともあるよね」
と自分自身にカウンセリングをしていきました。
自分で自分をハグしてあげるイメージです。
するとざわざわした気持ちが落ち着いてきて、子どもたちの喧嘩も冷静に観察できるようになってきました。
私が口を出さずに見守ると、兄弟で怒った口調ながらも 「じゃあ、これやったら代わるよ!」 「少しハンデあげるから、もう一回やろう!」 などと相談する姿が見られるようになりました。
♦喧嘩に介入する場合は
時には2人だけでは解決できず、子どもが私に助けを求めて来るときもあります。
どちらかが手を出して怪我をしそうになることもあります。
そんな時は
「何があったの?」
「どんな事がイヤだったの?」
と自分に問いかけた時と同じように、子どもの気持ちを聞き出すような質問をしました。
泣いて興奮している子どもはすぐには答えられませんが、こんな時は答えられなくても大丈夫!
「なんで答えないの!」とイライラして子どもたちを責めないようにします。
穏やかに質問を投げかけるだけです。
答えることができたら否定したり、アドバイスしたりせず、ひたすら本人の言い分を聞き、「話してくれてありがとう」と言うようにしました。
すると子どもも話を聞いてもらって気が済んだのか、何事もなかったようにまた遊び始めました。
私がこのような対応をするようになってから、兄弟喧嘩はぐんと減りました。
もちろん今でも、疲れた時など怒りっぽくなったり兄弟に八つ当たりをして喧嘩してしまうこともあります。
しかし喧嘩になっても、私自身が自分の心を整えられるようになったので、一緒になってイライラしてしまうことはほとんどなくなりました。
そのため、兄弟喧嘩が起こっても以前よりもずっと短い時間で喧嘩が収まるようになりました。
これからも自分自身にも子どもたちにも、自分の気持ちに気づけるような声かけを続けていきたいと思います。
兄弟喧嘩に巻き込まれてイライラしているママの参考になれば嬉しいです。
執筆者:よしみつ りこ
発達科学コミュニケーション リサーチャー