発達障害グレーゾーンの子どもや不安が強い子どもには成功体験を!とよく言われるけれど、どんなことに挑戦させればよいかわからない…そんなお悩みはありませんか?本記事では、発達障害グレーゾーンで不安が強い我が子が、楽しく挑戦し成功体験を得ることができたスモールステップでの『おつかい』体験の様子をご紹介します。
1.発達障害グレーゾーンの子どもや不安が強い子どもには『おつかい』は無理?!
みなさんは、お子さんに『おつかい』をお願いしたことはありますか?
某テレビ番組での、子どもの初めての『おつかい』の様子を見たことがある方ならわかると思いますが…
子どもが一人で精一杯考えて、おつかいを達成しようとする姿には、何度見ても心を打たれてしまいます。
この番組を見て、わが子にも、初めての『おつかい』をさせたいと挑戦してみた親御さんも多いのではないでしょうか?
テレビのスクリーンの中の子どもたちもそうですが
・ただ、お店にお菓子を買いに行く。
・ただ、自販機でジュースを買う。
・ただ、横断歩道を渡る。
大人にとっては、当たり前のことでも、子どもたちにとっては、すべてが初めての大きな挑戦です。
ましてや、発達障害グレーゾーンの子どもや、不安が強い子どもが『おつかい』をするとなると、とてもハードルが高く、実際挑戦するのをためらってしまう親御さんも多いかと思います。
2.息子の挑戦を大切にしたいけれど…本当に大丈夫?
わが家には、発達障害グレーゾーンで不安が強い特性を持った息子がいます。
息子は『はじめてのおつかい』というテレビ番組が好きで、よく観ています。
小学校1年生になったとき、そんな息子から「俺も、ひとりでおつかいに行ってみたい!」 という発言が!
「でも、ひとりでお店に行けるか不安・・・」
「どれを買ったらいいかもわかんないし」
と不安な気持ちも話してくれました。
そして私自身も、息子をひとりでおつかいに出すことに不安がありました。
けれど、息子の「挑戦したい!」という気持ちは大切にしたい。
そこで、息子の初めてのおつかいは
・お店には一緒に行くこと
・商品も一緒に選ぶこと
・お会計と商品を袋につめる工程だけは、ひとりでやること
・商品を選び終わったあと、私は商品をつめるエリアに移動して待っていること
を提案しました。
この提案に息子は「うん、やってみたい」と返事。
それが息子の『はじめてのおつかい』でした。
3.はじめてのおつかいはスモールステップで成功体験を!
『おつかい』に挑戦するといっても、はじめから『ひとりで家を出発し、お店で頼んだ品物を買って家に帰ってくる』ことを目標にする必要はありません。
発達障害グレーゾーンの子どもや不安が強い子どもが『おつかい』にチャレンジするとなると
・ひとりで行けるか不安
・スーパーなどの人の多いところへ行くことへの不安
・何を何個買ったらいいのかわからなくなることへの不安
・イレギュラーなことが起こった時に対応できるか不安
・レジでお金を払えるか不安
・家に帰ってこれるか不安
などなど、たくさんの不安を抱えることになります。
そのため、まず『はじめてのおつかい』ではお子さんが得意なこと・不安が少ないところから、スモールステップで挑戦してみる方法がオススメです。
4.自信は、次の挑戦への良いサイクルを生み出します。
スモールステップで成功体験を積み上げた結果、自信を持つことができた息子。
私の息子の『はじめてのおつかい』では
①私と一緒にスーパーへ行く
②一緒に商品を選ぶ
③レジで一人でお会計をする
④買い物が終わったら、私が迎える
と③のお会計の部分だけ、ひとりですることにチャレンジさせることにしました。
息子と私が離れた距離は、たった3メートル。けれど、息子にとっては大きな一歩でした。
それから少しずつステップアップしていった息子のおつかい。
・お店の外で私が待って、息子が買い物をする。
・お店の見える場所で私が待って、息子が買い物をする。
・買うものも1つから2つ、2つから3つと増やす。
どんなに短い距離でも「じゃあ、おつかいよろしくね」と声をかけて送り出し、おつかいができたときは「ありがとう!助かったよ〜」とお礼と貢献への声かけを必ずするようにしました。
スモールステップであっても『ひとりでおつかい』をすることで得られる成功体験は、お子さんにとって貴重な経験となります。
小さな『できた』を積み重ねていくことで、「自分はできるんだ」という自信がついていき、さらに次の挑戦をするという良いサイクルが周り出します。
現在小3になったわが家の息子。
今では私の仕事が忙しいと「俺が買い物行ってこようか?」と家から近所のスーパーにひとりで夕飯の買い物に行ってくれるようになりました。
はじまりは『たった3メートル』のおつかい。
ですが成功体験の積み上げで、正真正銘『ひとりでおつかい』ができるようになりました。
お子さんを見守り、ぜひお子さんの成功体験を積み上げてみてくださいね。
執筆者:永瀬 未歩
発達科学コミュニケーション トレーナー