【お家療育シリーズ2】何度言っても忘れてしまう子へ|ワーキングメモリを育てる遊び5選

トランプ
夏休みに親子で楽しみながらできるお家療育を紹介。何度言っても忘れてしまう子の背景にあるワーキングメモリに注目し、遊びを通して育てる方法を実体験と専門家視点で解説します。
 
 

1.何度言っても忘れてしまう…それはやる気の問題ではないかもしれません

 
 
「宿題したの?」
「学校の準備はできた?」
「プリント出してね」
 
そう声をかけたのに、数分後にはすっかり忘れている
 
 
そんな我が子を見て「どうしてこんなに忘れっぽいの?」と悩んでいるママはいませんか?
 
 
私はこれまで、多くの保護者の方から同じような相談を受けてきました。
 
 
「何度言っても忘れてしまうんです。」
「やる気がないように見えて、つい怒ってしまいます。」
 
 
でも、お話を聞いていく中で分かったのは、多くの子どもたちはわざと忘れているわけではないということです。
 
 
その背景には、「ワーキングメモリ」の弱さが関係していることがあります。
 
 
今回は、お家療育シリーズ第2弾!
親子で楽しく取り組める【ワーキングメモリを育てる遊び】をご紹介します。
 
 
ポイントと伝えている女性
 
 

2.「やる気の問題」だと思っていました…。

 
 
ある生徒さんの体験談をご紹介します。
 
 
Bさんは、小学生のお子さんが何度言っても忘れてしまうことに、ずっと悩んでいました。
 
 
  • 宿題をするのを忘れる。
  • 学校のプリントを出し忘れる。
  • 次の日の持ち物を準備し忘れる。
 
 
毎日のように同じことが続き、そのたびにBさんは
 
「さっき言ったよね。」
「ちゃんと話を聞いて。」
「もう小学生なんだから、自分でやって。」
 
と、つい厳しい言葉をかけてしまっていました
 
 
しかし、その言葉でお子さんが変わることはありませんでした。
 
 
むしろ、「また忘れちゃった…。」と自信をなくし、声をかけられるたびに表情が曇るようになっていったそうです。
 
 
そんな時に発達科学コミュニケーションを学び、お子さんの特性について理解を深めていく中で、「ワーキングメモリ」という考え方を知りました。
 
 
そこで初めて、お子さんは「やらない子」だったのではなく、「覚えておくこと」が苦手だったのだと気づいたのです。
 
 
それからBさんは、「なんで忘れたの?」と責めるのではなく、「どうしたら忘れにくくなるかな?」と一緒に考えるようになりました
 
 
例えば、持ち物を一緒に声に出して確認したり、ゲーム感覚で買い物をお願いしたり、神経衰弱やボードゲームなど、遊びの中で記憶を使う機会を少しずつ増やしていきました
 
 
すると、お子さんにも少しずつ変化が見られるようになりました。
 
 
「今日は自分でプリントを出せたよ。」
「持ち物、忘れなかった!」
 
 
そんな『できた!』という経験が増え、自信を持って行動できる場面も少しずつ増えていったそうです。
 
 
Bさんは、「忘れない子」にすることを目指すのではなく、「忘れても工夫できる子」を育てることを大切にするようになったと話してくださいました。
 
 
この経験を通してBさんは、子どもに必要だったのは、「もっと頑張ること」ではなく、「覚えやすい方法を一緒に見つけること」だったのだと実感したそうです。
 
 
ピンと気づいた人形
 
 

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3.ワーキングメモリが弱い子は「覚えられない子」ではなく「頭の中が忙しい子」

 
 
ワーキングメモリとは、簡単に言うと「脳の作業机」のようなものです。
 
 
例えば先生の話を聞きながら、
 
  • ノートを取る
  • 次にすることを考える
  • 必要な道具を準備する
 
こうした作業を同時に行う時に使われます。
 
 
机が広い子は、たくさんの情報を一時的に置いておけます。
 
 
しかし、机が小さい子は、情報があふれてしまいます。
 
 
すると
 
  • 宿題を忘れる
  • 指示を忘れる
  • 準備が苦手
  • 話を最後まで聞けない
 
といった困りごとにつながるのです。
 
 
私もこれまで多くのママさんたちから「何回言ってもできないんです」という相談を受けてきました。
 
 
でも、実際は、理解していないわけではなく、情報を保持しておくことが難しいケースが少なくありません。
 
 
だからこそ大切なのは「なぜできないの?」ではなく、「どうしたら覚えておきやすくなるかな?」という視点です。
 
 
そして、その力は日常の遊びの中で十分育てていくことができます。
 
 
脳
 
 

4.親子で楽しみながらできる|ワーキングメモリを育てるお家療育遊び5選

 
 
わが家でも、宿題や勉強は続かなくても、遊びになると驚くほど集中する姿が見られました。
 
 
そして実は、誰もがよく知っている身近な遊びがワーキングメモリを育てるのに役立ちます
 
 
私が実際にやってみて親子で楽しく取り組めた、おすすめのお家療育遊びを5つご紹介します。
 
 

① 神経衰弱

 
神経衰弱は、カードの場所を覚えておく遊びです。
 
 
(育つ力)
  • 記憶力
  • 集中力
  • 思い出す力
 
 
たくさん取れたかどうかではなく、「さっきここにあった気がする!」と考える過程を褒めてあげましょう
 
 
苦手な子は枚数を減らしてスタートすると成功体験につながります。
 
 

② おつかい

 
「牛乳とタオルを持ってきてね」「ハサミとノリを取ってきてね」など、複数の物を覚えて持ってくる遊びです。
 
 
(育つ力)
  • 情報保持
  • 指示理解
  • 順番を覚える力
 
 
難しそうなら1つから始め、少しずつ増やしていきましょう。
 
 

③ お料理のお手伝い

 
料理はお家療育にぴったりです。
 
 
例えば
 
  • 材料を集める
  • 順番通りに作る
  • 道具を準備する
 
など、多くの力を使います。
 
 
(育つ力)
  • ワーキングメモリ
  • 段取り力
  • 実行機能
 
 
「次は何をするんだっけ?」を考える経験が、自然なトレーニングになります
 
 

④ しりとり遊び

 
しりとりは言葉遊びですが、実はワーキングメモリも使います。
 
 
相手が言った言葉を覚えながら、次の言葉を考える必要があるからです。
 
 
(育つ力)
  • 記憶力
  • 言語理解
  • 音韻意識
 
 
車の移動中や待ち時間にも手軽にできます。
 
 

⑤ ボードゲーム・カードゲーム

 
UNOやトランプ、オセロなどもおすすめです。
 
 
ルールを覚えながら遊ぶことで、
 
  • 注意力
  • 記憶力
  • 実行機能
 
を使います。
 
 
また、勝ち負けがあるため、 順番を待ったり、気持ちを切り替える練習にもなります
 
 
トランプ
 
 

5.大切なのは「鍛えること」より「できた!」を増やすこと

 
 
ワーキングメモリは筋トレのように短期間で大きく伸びるものではありません。
 
 
しかし
 

覚える

思い出す
順番に行動する
 
経験を繰り返すことで、少しずつ力を育てていくことができます。
 
 
神経衰弱やしりとり、ボードゲームなど、一見するとただの遊びに見えるかもしれません。
 
 
しかし実は、こうした身近な遊びこそが、子どものワーキングメモリの発達を促す絶好のお家療育になるのです。
 
 
大切なのは、特別な教材や難しいトレーニングではありません。
 
 
「この遊びでどんな力が育っているのかな?」そんな視点を親が持つことです。
 
 
ただなんとなく遊ぶのではなく、子どもの発達につながる意味を知って関わることで、遊びは単なる遊びではなくなります。
 
 
夏休みだからこそ、親子で楽しみながら、子どもの「できた!」を増やしていけるといいですね。
 
 
パパやママも童心にかえって、一緒に楽しみながら発達を促していきましょう。
 
 
次回のお家療育シリーズでは、『小学生になっても癇癪がひどい子の感情のコントロール』についてお伝えします。
 
 
お楽しみに!
 
 
トランプ
 
 

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