もうすぐ3学期も終り、新しい環境を目前に不安な春休みを過ごさないか心配になりますよね。新学期の不安を和らげるには春休みの親子の会話がとても重要です。今回は親子で新学期の気持ちを共有する会話力についてお話しています。
1.3月・4月は心がざわつく季節です
3学期も終り春休みになり、新しい学年が近づいてきますね。
そろそろお母さんも子どもも気持ちがなんだかざわついてくる頃ではないでしょうか?
母子分離不安のお子さんや付き添い登校中のお母さんはきっと心の中で、
休み明けに学校に行けるかなぁ…。
また行きたくない!って言われたらどうしよう…。
と、たくさんの心配や不安を抱えているはずです。
そんな風に思ってしまう自分はなんてダメな母親なんだ、と思っているお母さんはいませんか?
全然ダメな母親なんてことはありませんよ!
むしろとってもいいお母さんだと思います。
不安になるということは、誰よりも子どものことを考えて誰よりも子どものことを想っている証拠です。
誰よりも子育てに一生懸命なお母さんです!!
なので私なんてダメな母親!なんて思わないでくださいね。
お子さんが学校へ行けるかどうかは、お母さんが原因というわけではなく、別な要因が関係していることがほとんどです。
その理由の1つについて次で説明していきます。
2.環境の変化が大きなダメージになる
母子分離不安の原因の1つが環境の変化からくるものです。
例えば、小学校に入学すると一人でやらなければいけないことが急に増えたり、初めてづくしの毎日にお子さんはストレスを感じ、母子分離不安が出てきたりします。
学年があがる時もそれは一緒で、新しい担任の先生と新しいクラスメイトと一から新しい環境での生活が始まります。
一時的なものならいいですが、対応次第では、子どもの不安が癒やされず不安が強まって母子分離不安が悪化してしまうケースも多々あります。
すると登校しぶりや母子登校・付き添い登校、さらには不登校になってしまいます。
日常生活においても外に行きたがらなくなる。
極度の不安や恐怖を感じるようになりひとりでトイレに行けなくなる。
ひとりでお留守番ができなくなる。
家でもお母さんにべったり。
このような状況になることがあります。
ではなぜ、母子分離不安に発展してしまうかというと、子どもの生まれ持っての気質や学校での心配事などが組み合わさっていることがほとんどです。
もともと神経質や完璧主義、不安を感じやすいお子さんや、人との関わりが苦手、コミュニケーションが苦手。
初めての場所、初めての人、初めてのことが苦手。
このようなお子さんは特に注意が必要です。
また、自閉症スペクトラム傾向のお子さんは社会性の苦手があったり、感覚の過敏さがあるので特に母子分離不安が多く見られます。
学校の環境が整わない、または知らされない3月、4月は親子で不安になりがちですが、春休み中に子どもが学校へ拒絶反応を示したとしても慌てずに対応してもらいたいと思います。
3.子どもの不安が見られたら会話のはじめを意識する
子どもが不安がっている…。
子どもがイライラしている…。
こんな時「子どもにどう声をかけたらいいんだろう?」と不安になるかもしれません。
そんな時にぜひ意識して欲しいのが、スムーズに会話をスタートすることです。
なぜ会話をスムーズに始めると良いのか?と言うと、会話がうまくいくかどうかは、会話のはじめ方にかかっているからです。
脳は最初に入った情報で
「これは良い話だ!」
「これは良くない話だ!」
と判断すると言われています。
だから最初にポジティブな声かけでスタートすることでその後の言葉が通りやすくなり子どもがサクッと動くようになります。
逆にネガティブな印象の声かけで会話を始めてしまうと、子どもをイラつかせてしまったり、不信感を抱かせたり、その後の話が通りにくくなってしまいます。
また、遠くから話しかけても子どもは「何か言っているなぁ〜」と分かっても、お母さんが「何を言っているか」までは脳の処理がされていないことがほとんどです。
脳の処理がされないということは行動には移せないとうことです。
だから会話は最初が肝心であり、会話の始まりこそ気持ちよくスタートさせていくことが大切になってきます。
4.会話をする時のポイント
会話を始める時はぜひ以下のことに気を付けてみて下さいね。
①優しく名前を呼ぶ
優しく名前を呼ぶことは簡単!と思うかもしれませんが、案外やっていない人が多いのでぜひやって欲しいテクニックの1つです。
「〇〇ちゃ〜ん」と声をかけるだけでOKです。
決して「ねぇちょっと!〇〇ちゃん!」などと命令口調にならないように気を付けましょう。
発達の特性があるお子さんは、名前を呼ばれないと自分に話しかけられているという意識がないお子さんも多いので優しく名前を呼ぶだけでその後の行動が大きく変わっていきます。
②近づいてスキンシップをする
子どもに話しかける時、遠くから子どもに話しかけてもお母さんの声は届きません。
その状態で子どもの話を聞こうなんて、ましては無理なんです。
脳にお母さんが話しかけている!ということを届けたいのならば、先ずは近づいて肩をトントンとたたいたり、スキンシップをしてお母さんが話しかけてあげることが大切です。
そうすることでお母さんの言葉がしっかりと届き、行動したり、話を聞いてくれたりします。
たったこれだけでお子さんの動きが変わるのでぜひやってみてください!
③親子で不安な気持ちを「前向き」に共有する
うまく会話をスタートできるようになったら、子どももお母さんもたくさん会話をして欲しいと思います。
特に新学期が始まる前は子どもだけでなく、お母さんも同じように不安になってしまいます。
そんな時は無理して大丈夫な振りをせず、子どもに正直な気持ちを話してみても良いと思います。
「新学期って緊張するよね。」
「うん、お母さんもそうだよ!」
「お母さんも今ドキドキしてるよ。」
「○○くんの気持ちわかるよ。」
と、子どもと一緒にお母さんの不安な気持ちも「そうだよね~。分かるよ~。」
と、全部吐き出すようにしてみましょう。
そこでお母さんが、
「そんなこと言うんじゃない!」
「大丈夫!」
「やればできる」
「がんばれ!がんばれ!」
と言って、プレッシャーをかけてしまうと僕の気持ちをお母さんは分かってくれない…と、余計に不安になってしまいます。
子どもの不安な気持ちを一旦吐き出させて、それを受け止めた上で、「じゃあ、どうしようか?」と一緒に作戦会議をするようにするのがおすすめです。
この春休みに会話のスタートを意識して、親子の会話を増やしてみて下さいね。